360° business innovation | 個を活かし、共に育てる。三井物産パートナーモデル - 三井物産株式会社

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Business Innovation

個を活かし、共に育てる。
三井物産パートナーモデル

1996年、三井物産が全米最大の農協CHSと設立したベンチュラ・フーズは、現在では、アメリカの「食」を支える米国最大手の食用油脂製品の製造販売会社にまで成長しました。このベンチュラ・フーズの成功は、三井物産が20年の時を経てパートナーとともにつくりあげてきたものです。


約半世紀以上にわたり食用油脂や植物油のトレーディング事業を行ってきた三井物産は、1989年に米国油脂製品製造会社ウィルシー・フーズを買収し、米国での食用油脂製品製造販売ビジネスに乗り出しました。

そして、7年後の1996年、ウィルシー・フーズと、米国最大の農協であるハーベスト・ステイツ(現・CHS Inc.)の一部門であるホール・サムフーズが合併し、三井物産が50%の議決権を持つVentura Foods, LLC(ベンチュラ・フーズ)が設立されました。
米国カリフォルニア州に本社を置くベンチュラ・フーズは、食用油のほか、取引先の要望に応じたマヨネーズ、ドレッシング、マーガリン、ソース、ディップなどの油脂製品を開発・製造・販売しています。販売チャネルのおよそ3分の2は外食産業向けで、顧客には、誰もが知っている有名大手ファストフードチェーンが名を連ね、米国の外食産業向けマーガリン市場の70%のシェアを占めています。その他は、150年以上の歴史を持つ世界最大の食品・飲料会社も含む食品製造業者向けや大手スーパーマーケットなどの小売業者向けに販売しています。

個を活かし、共に育てる。三井物産パートナーモデル

2009年に就任したクリス・ファーマンCEOのもと、ベンチュラ・フーズの収益は増加し、年間の製品販売量は約150万トン、売上は2,700億円に達しました(2016年3月期)。ファーマンCEOは「顧客が抱える食品関連の課題に対して最も信頼できる問題解決の提供者となる」という企業理念「ベンチュラ・エッジ」を会社全体に浸透させ、企業文化の醸成にも注力しています。
このようにベンチュラ・フーズが米国最大手の油脂製品製造販売会社にまで成長できたのは、なぜでしょうか。
その理由としては、同社が持っている2つの強みが挙げられます。

戦略的買収で市場シェアを強化

戦略的買収で市場シェアを強化

1つめの強みは、戦略的買収による規模の拡大です。
1998年のリプトン/ユニリーバの食用油ブランドの買収を皮切りに、2005年には、全米で最も愛される冷蔵ドレッシングの「マリーズ」ブランドと全米トップ・ブランド「ディーンズ」のディップ商品のブランド使用権を買収するなど、ベンチュラ・フーズは、事業規模と商品ラインアップの拡充に積極的に取り組んできました。

2016年2月、カナダのウィングス・フーズのソースおよび調味料事業を買収し、カナダにおける製造拠点と顧客に加え、シロップやコーヒーに入れるクリームなどの新商品も獲得。同年5月には、穀物メジャーのカーギル社からドレッシング、マヨネーズ、ソース事業を買収しました。
これらの戦略的買収により、ベンチュラ・フーズは、販売量を増やし、マーケットシェアを高め、より付加価値の高い商品分野を強化することに成功したのです。
戦略的買収で、製造拠点も拡充しました。現在、ベンチュラ・フーズは米国に11の自社工場と1つの製油所を持ち、カナダにも3つの工場を保有しています。同社の東海岸と西海岸を含む全米の各製造拠点と全国的な販売網は、全国展開する大手ファストフードチェーンに対し、米国全域にタイムリーかつ効率的に製品を一括納入できるという強みをもたらしました。

レシピ提案力で競合他社に勝つ

レシピ提案力で競合他社に勝つ

もう1つの強みは、提案営業力の高さです。
ベンチュラ・フーズが保有する3つの開発センターでは、専属シェフやレシピ開発のプロたちにより流行の味が研究され、日々、消費者を魅了する商品が開発されています。
大手外食チェーンからは、シーズンごとに、たとえば「春は○○料理のフェアをしたい」などの要望が出され、何社かでレシピを持ち寄ることになります。そのとき、顧客のニーズにマッチした商品を提案し、高評価が得られれば、その商品はもちろん、ほかの周辺商品を納めるチャンスにもつながります。提案営業力の高さが、取引先の開拓・拡張に直結するわけです。さらに、ベンチュラ・フーズの商品開発力は、ドレッシング、ソース、ディップといった付加価値の高い商品が揃った豊富な商品ラインアップの実現にも貢献しています。

近年、ベンチュラ・フーズはこれらの強みを活かして、海外での販売拡大にも取り組んでいます。すでに拠点があるカナダやメキシコに加えて、アジア太平洋地域への事業展開も活発化させ、その先陣としてシンガポールに拠点を開設。また、フィリピンの油脂業界のトップ企業Oleo-Fats,Inc.にOEM生産を委託し、同社から中国を含むアジア圏に製品を提供しています。中国や日本の映画館の一部では、ベンチュラ製の食用油でつくったポップコーンが売られています。

パートナーを尊重し、事業に奥行と広がりを

三井物産は、比較的出資比率が高い関係会社に対しては、多くの場合、出向者を派遣し、現地での経営に積極的に携わっています。しかし、ベンチュラ・フーズの場合は、「所有と経営の分離」のもと、現地の優秀なCEOに経営を任せ、経営陣や従業員のモチベーションを上げることで、米国流の最適なマネージメントの実行を目指しました。
買収案件や新規株式発行など重要な議題に関しては、50%の議決権を持つ株主として精査・判断しますが、ベンチュラ・フーズの自律性を尊重し、お互いの強みを融合しながら、同社が最大のパフォーマンスを発揮できる環境を作り上げているのです。

個の力を信じ、共に成長し、事業を育む。この姿勢がベンチュラ・フーズの成長を支えてきました。三井物産はこれからも、たがいに敬意を払い、それぞれの場で力を発揮する経営で世界中の人々の豊かな食生活の実現を目指します。
国・文化・業界の違いを乗り越えて、共に価値を作り、単一の限界を超えた事業の奥行きと広がりを生んでいく。それが、三井物産パートナーモデルです。

2017年3月掲載

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