三井物産株式会社

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社会的インパクト評価と進捗報告

建設業界の脱炭素社会実現に向けた挑戦

2026年4月3日 現在

助成金額

98,000,000円

助成先

NewNorm Design株式会社(東京都中央区、以下「NND」)

イシューファインダー

ファラ・タライエ 代表取締役社長

解決を目指す社会課題

環境負荷の大きい建設業界における余剰建設材廃棄物の軽減とCO2削減

トピックスリリース

https://www.mitsui.com/jp/ja/topics/2024/1250501_14382.html

社会課題「建設業界における余剰建設材廃棄物の軽減とCO2削減を!!」

近年、環境面等のサステナビリティへのインパクトは、企業への投資判断基準としてだけではなく、投資対象となる建物の選定基準としてもますます重要視されています。世界銀行の報告書によると、世界の建設廃棄物を含む都市固形廃棄物の年間発生量は2012年の約13億トンから、2025年には約22億トンに増加すると予測されています。

NNDは、建物の設計・新築・改築・解体といったライフサイクル全般でのCO2削減に寄与することを目的とした、余剰建材のサステナブル活用を促すSaaS(Software as a Service)プラットフォーム「matinno」(マティーノ)を展開しています。「matinno」は、建設資材の製造過程及び建設現場で発生した余剰建設材廃棄物の情報を建設材ユーザーに共有し、これらを廃棄せず無駄なくリサイクル・再利用することを可能にするプラットフォームです。NNDは「matinno」を通じ余剰建設材のリサイクル・再利用を追求し、廃棄を軽減することでCO2削減に貢献します。

三井物産は本基金を通じ、建設業界でのネットワークの活用や、三井物産が持つ鉄骨BIM(Building Information Modeling)関連プラットフォームである「steelnavi」及び製品単位での温室効果ガス排出量可視化プラットフォーム「LCA Plus」などを通じ、NNDの「matinno」と連携し、余剰建設材廃棄物の再利用とCO2削減促進を支援し、NNDと共に脱炭素社会実現に貢献します。

社会的インパクト評価(ロジックモデルとKPI)

イシューファインダー&共創者対談

聞き手: 中村(三井物産、右) 答え手: ファラ(NewNorm Design、左)

中村: 私自身、三井物産に入って長く日本の建設業界のビジネスに携わってきましたが、何故そもそもファラさんが日本の建設業界にチャレンジしようと考えたのでしょうか?また、NewNorm Designを立ち上げたきっかけを教えていただけますでしょうか?

ファラ: 会社資金の調達、会社立ち上げメンバーの確保に苦労していた時に、三井物産が社会課題にチャレンジするスタートアップ会社に対して資金面、人材面の両方からサポートする制度を新たに創設した旨をインターネットから見つけました。事務局に問い合わせたところ、建設業界でビジネス経験のある何人かの三井物産社員の方を紹介してもらい、中村さんに賛同頂きました。

中村: 私は純粋に自分には真似の出来ないことにチャレンジしているファラさんを単純に凄いと思い、応援したい気持ちになりました。

中村: 実際に三井物産共創基金を活用してみて、どんな印象を持たれましたか?

ファラ: 私たちの様な小さなスタートアップ企業は、安定収益の基盤が無く、経営、マーケティングを担う適切な人材を雇うことも困難な状態です。会社動かす運転資金とプラットフォームを構築するためのシステム開発を中心に初期投資資金を活用させて頂いています。また、経験豊富な三井物産社員が一緒に経営をサポートしてくれるこの共創基金は単純な寄付金とは違った有難さを実感しています。

中村: 私も将来、自分で会社を経営してみたい夢があるので、スタートアップの支援はとても勉強になっています。

中村: 共創者に期待することや、連携で生み出されている価値について教えていただけますでしょうか?

ファラ: 様々なフィールドでビジネスを展開する三井物産の営業チームとお客様とのネットワークを活用させて頂くことで、ビジネスを実現させるための近道になっていると思います。また、共創パートナー自身の経験に基づく業界知見、リスク管理、交渉手法等、ビジネスを進める上でのKnowhowの提供は助かります。

中村: 能力的にも、時間的にも中々100%期待に応えられない部分もありますが、頑張ってお手伝いさせて頂きます。

中村: ファラさんの目指す建設業界の無駄を解決するために必要なものは何でしょうか?

ファラ: 地球上で生活する全ての人々に環境問題への理解と、解決への意識づけといった地道な教育、マインドセットの試みが必要だと思います。サーキュラーエコノミーの目指す効果的な廃棄物管理は、社会全体で共有すべき責任です。

中村: Matinno事業として社会貢献という形で他に取り組んでいることはありますでしょうか?

ファラ: Matinnoに掲載する資機材の充実はプラットフォームの価値に繋がります。膨大な資材データのインプットや検索業務をハンディキャップのある方にアウトソースしております。私たちは健常者もハンディキャップのある方も全ての関係者が参加、協力して完成するオープンプラットフォームを目指していきます。

中村: 今後、三井物産共創基金やそのエコシステムにどのようなことを期待されていますでしょうか?

ファラ: 一度きりで終わる寄付金ではなく、三井物産の社員と共に共創を通じて事業を作り上げ社会課題解決を目指す三井物産発の共創基金の仕組みは本当に素晴らしいと思います。まだ日本の企業としてはユニークな取り組みだと思いますが、三井物産の影響力で同様の取り組みが世の中に広がっていくことを期待します。

中村: ファラさん、本日は貴重なお話をありがとうございました。

活動のハイライト

1.Saasプラットフォーム「matinno(マティーノ)」資機材データの充実:1年目の資機材5,000件の目標に対し、約600件をアップロード

建築資材全体のライフサイクルを俯瞰し、素材の環境評価、検索、マッチング、プロジェクト管理を一気通貫で支援するSaaSプラットフォーム「matinno」の運用を開始(2026年1月)。現在、約600件の資機材データのアップロード、環境評価が完了。膨大なデータの入力は、障がい者作業施設への業務アウトソースも通じ協業する体制を構築中。

2.有力パートナーとの契約:1年目契約件数3件、コミュニケーションベース16件の目標に対し、契約件数5件、ユーザー候補30社超と協業協議実行中

大手デベロッパー、設計会社、家電メーカー、住宅メーカー等と有力パートナーとなる企業の個別ニーズに応じた機能開発5件のPoCを実行中。また、プラットフォーム利用者及び利用検討企業含め30社超とのコミュニケーションあり(2025年12月時点)。

3.資材リサイクル、リユースによる廃棄物削減に貢献:2027年度迄に20件のプロジェクト実行の目標に対し、2件のプロジェクトを実行

2025年10月に閉幕した大阪・関西万博の2つのパビリオンから開催期間6か月間のみ使用のリユース可能な資機材を東京、大阪のリフォームプロジェクトに供給し、合計5トン超の廃棄物削減、145トンのCO2削減に貢献。

4.建設業界の意識変革に向けた活動:短期的目標として建設業界サステナブルインパクトのPR活動実施

建設業界のマインドセット、企業間ネットワーキング促進を目的に2025年11月に経済学者、大学教授、パートナー35社(合計50名超)を交えて「Talk session & work shop」を開催。


三井物産のマテリアリティ(重要課題)

三井物産は、「世界中の未来をつくる」を企業使命に、さまざまなステークホルダーの期待と信頼に応え、大切な地球と人びとの豊かで夢あふれる明日を実現すべく、サステナビリティ経営の重要課題としてマテリアリティを特定しています。本件は、6つのマテリアリティの中でも、特に「持続可能な安定供給の基盤をつくる」、「健康で豊かな暮らしをつくる」の実現に資する取り組みです。

  • 持続可能な安定供給の基盤をつくる

    持続可能な安定供給の基盤をつくる

  • 環境と共生する世界をつくる

    環境と共生する世界をつくる

  • 健康で豊かな暮らしをつくる

    健康で豊かな暮らしをつくる

  • 人権を尊重する社会をつくる

    人権を尊重する社会をつくる

  • 「未来をつくる」人をつくる

    「未来をつくる」人をつくる

  • インテグリティのある組織をつくる

    インテグリティのある組織をつくる