
社会貢献活動
地域貢献
地域社会の健全な発展に貢献し、持続可能な社会づくりを目指します。
在日ブラジル人コミュニティへの支援
当社は、ブラジルで幅広く事業を展開する企業として、日伯相互理解の深化と在日ブラジル人コミュニティが抱える課題解決に向けた各種支援を行っています。
在日ブラジル人大学生向け奨学金プログラム
グローバルサウスの主要国であるブラジルとの連携を強化し、世界で活躍する人材を育成するために 、2024年度新たに在日ブラジル人大学生向けの給付型奨学金プログラムを開始しました。本奨学金制度は、年間最大4名に対して、本邦4年制大学の学費や教材費相当額120万円(最大/人/年間)、当社が指定するイベントへの交通費(上限あり)を支給します。
対象者は日本国内に在住する在日ブラジル人のうち、日本の4年制大学に進学予定の在日ブラジル人学校および公私立学校の高校3年生、または日本の4年制大学に在籍する大学1年生です。
募集開始は2025年9月、選考終了は2026年3月、奨学金の支給開始は2026年4月の予定です。
詳しくは以下の募集要項をご参照ください。
在日ブラジル人学校児童生徒向け奨学金プログラム
経済的に学業継続が困難な児童生徒への教育機会提供、日本語教育を通じた日本社会での活躍支援のために、2009年から2025年度までに5,853名の児童生徒に奨学金を支給しました。また2019年から奨学金受給者の日本語能力試験受験を開始、2024年は320名が受検し、144名が合格しました。
また、2022年より在日ブラジル人生徒への高等教育機関への進学や自律的キャリア形成を目的として生徒や保護者を対象にキャリア教育セミナーを実施しています。これまでに計19回開催し、約950名の生徒、保護者、教師が参加しました。セミナーでは、高校卒業後進学や職業についての情報提供、専門学校の紹介と希望者への見学、キャリアモデルとなる卒業生の紹介などを行っています。2024年には椙山女学園大学 小林准教授を代表者とするトヨタ財団助成事業「外国人材の受入と日本社会」のプログラムにおける産官学連携事業のパートナーとして参加し、キャリアセミナー全プログラムを受講した在留ブラジル人生徒35名に対してセミナー受講の効果を測定すべくルーブリック評価を実施しました。
今回は、「理解力」「分析力」「共感力」「伝達力」の4分野に関する12項目の設問につき、受講生徒がセミナーの事前・事後で1~9の9段階で自身の到達度について回答した結果を用い評価を行いました。その結果、全ての分野において、受講者に一定の成長や意識の変化が見られ、図1のように全体平均で17.35%のスコアが向上しました。ルーブリックとは別にキャリア選択・日本語学習意欲・日本での活躍といった三つの設問においても(図2-1、図2-2、図2-3参照)意識調査をしました。図2-1のキャリア選択と図2-2の日本語学習意欲は9割を超える生徒が、図2-3の日本での活躍についても、過半数を超える生徒からポジティブな結果が認められました。
図1 事前事後評価結果
図2-1 目標1.将来の職業・キャリア選択肢の拡大
図2-2 目標2.日本語学習への意欲の高まり
図2-3 目標3.将来日本で活躍したい意欲
また、ルーブリック評価を実施した際、生徒から収集したコメントを「ポジティブ感情」「ポジティブ実感」「ネガティブ感情」「ネガティブ実感」「その他」といった5つのカテゴリに分類*し、分析した結果、図3-1および図3-2に示すとおり、成長や変化を自覚する「ポジティブ実感」のコメントが43%から59%へと16ポイント増加し、困難さや課題を自覚する「ネガティブ実感」のコメントは28%から18%へと10ポイント減少しました。
図3-1 事前評価コメント
図3-2 事後評価コメント

コメントの分析結果から、生徒がセミナーを通じて学びを得ていることに気づき、自己の成長も実感している様子がうかがえました。
* 「ポジティブ感情」:嬉しい、幸せ、満足、感謝などの感情を表すコメント、「ポジティブ実感」:成長、進歩、改善、理解、達成などの実感を伴うコメント、「ネガティブ感情」:辛い、苦しい、不安などの感情を表すコメント、「ネガティブ実感」:失敗、欠点、不足、困難など、課題や問題点を自覚するコメント。
また、日本語能力の向上を支援することを目的に、日本での高度教育機関進学や正社員雇用の必須条件となる日本語試験の合格率向上を目指して、NPO法人「在日ブラジル人を支援する会」(SABJA)と協働し、在日ブラジル人学校の児童生徒に日本語試験対策オンラインプログラム(試験対策用アプリ)の提供も行っています。

ブラジル&ラテンフェスティバル協賛
ブラジル&ラテンフェスティバルは、在日ブラジル商工会議所(CCBJ)主催、ブラジル大使館・外務省・東京都後援によるブラジルへの理解深化や、日伯間の友好促進を目的として開催される公式文化交流イベントで、当社は2009年から協賛しています。2024年は7月20日-21日に第17回ブラジル&ラテンフェスティバルが開催され、開催期間中に約8万人が訪れました。当社ブースでは在日ブラジル人支援活動で協働するNPO SABJA(在日ブラジル人を支援する会)による活動紹介や相談会のほか、当社が取り組んでいる在日ブラジル人向けの日本語アプリの紹介や、新設した大学生向け奨学金制度の紹介を行いました。今後も多文化共生の考え方を大切にし、相互理解を育む機会を提供することで、地域コミュニティが抱える課題解決に向け取り組んでいきます。


NPO活動支援
2011年より、在日ブラジル人の多文化共生に取り組むNPO等の活動を支援(2026年3月期8団体支援)しています。地域コミュニティにおける在日ブラジル人の日本語能力向上を軸とする教育支援やキャリア形成における課題解決に取り組んでいます。三井物産の支援活動を進めるうえでも、現場での知見や経験を豊富に持つ各団体との連携をとおして、シナジー効果の発揮や自治体等との地域連携を目指しています。


各地域における取り組み
韓国:「全国学生日本語演劇発表大会」後援
韓国三井物産株式会社は、韓国の中学生、高校生を対象として日本文化に対する理解を深める教育助成ならびに文化交流を目的として、「全国学生日本語演劇発表大会」を後援しています。2008年から開催されている本大会は、韓国の中・高校日本語講師、約2,300名が会員となる韓国日本語教育研究会と在大韓民国日本国大使館公報文化院、日本国際交流基金ソウル文化センターが主催し、韓国三井物産と三井グループの株式会社三井住友銀行ソウル支店、三井住友海上火災保険株式会社韓国支店、三井倉庫コリア株式会社が共同後援しています。また、開催当日には、韓国三井物産の職員も、運営ボランティアとして参加しています。
韓国全土から集まった中・高校生は日韓両国の文化、歴史、社会問題などの多様なテーマを掲げて本大会へ出場し、高校の部上位3校には8泊9日にわたる日本研修の機会が与えられます。韓国三井物産は、本演劇発表大会への後援活動を通じ、今後とも日韓両国の友好関係の発展に貢献していきます。
インドネシア:発育阻害防止活動
インドネシア三井物産は、当社出資先ABC KOGEN DAIRY(AKD)と共に非政府組織Yayasan Usaha Mulia(YUM)が実施している発育阻害防止活動を支援しています。
西ジャワ州内の山間部に位置する保健施設(Posyandu)15か所を指定し、同地域周辺の妊婦70名、乳児のいる30世帯への月次での健康観察、栄養支援を行うほか、妊婦以外の同保健施設利用者に栄養に関する啓もう活動を合わせて実施しています。インドネシア三井物産は、発育阻害防止活動を通じ、今後とも日本とインドネシアの友好関係の発展に貢献していきます。

コロンビア:自転車寄贈
2023年6月9日に実施されたコロンビアにおけるトヨタグループのCSRプロジェクトに参加し、自転車100台(ATC70台、TFS10台)のうち、20台をラ・グアヒラ県に寄贈しました。通常、農村部の学校に往復4時間歩く必要がありますが、自転車により通学時間が半分に短縮され、欠席の減少や宿題の時間確保などに繋がっています。また、同地域では砂漠や水不足に悩まされており、自転車によって女性が担う水探しや運搬の負荷が軽減されます。本プログラムには、会計に関する講習会も含まれています。

香港:介護施設やリハビリセンターへの教育プログラム
高齢化率が高い香港において、高齢者福祉は重要な社会課題です。香港三井物産は、生活水準の向上と地場産業の発展を目指し、取引先と協働して、高齢者やその家族、介護施設やリハビリセンターの職員に、介護食に関する教育プログラムを無償で提供しています。本活動を通じて、介護食への理解を促進し、高齢者の幸福増進に貢献しています。


タイ:Doi Tung開発プロジェクト支援
Doi Tung開発プロジェクトは、タイ北部チェンライ県のミャンマー国境沿い山岳地帯でアヘン生産に関わっていた少数山岳民族の自立を支援するため、農業や手工業の職業訓練を行ったもので、1988年にタイ王室が中心となって始めた社会貢献活動です。国連薬物犯罪事務所(UNODC)は、同プロジェクトを「麻薬撲滅に世界で最も成功した事例の一つ」と認定しています。昨今では、管理する森林資源からのカーボンクレジットの発行や、地場自治体との提携による回収ごみの分別から資源・エネルギーの再利用やリサイクル商品の開発、更には本活動を元にした人材育成プログラムの推進など、持続可能な循環型社会の先駆的モデルとして活動の幅を広げています。
タイ国三井物産ではプロジェクト発足初期より出資を通じた活動支援をしており、プロジェクトの生産品の購入や社員による現地交流を含め、様々な取組を継続しています。

イタリア:チャリティリレーマラソン2024への参加
2024年4月7日、イタリア三井物産から8名が非営利団体を支援するユニクレジットリレーマラソン2024に参加しました。本大会の登録料は非営利団体の慈善プロジェクトに寄付され、イタリア三井物産は希少疾患の研究を行うテレソンという非営利団体を支援しました。

エジプト:衣料品をNPOに寄付
エジプト三井物産では、社員の古着を地元団体に寄付する「The Unnecessary to the needed」という取り組みを実施しています。2023年12月23日に、3名の社員が障害を持つ孤児の子どもたちを支援する非営利団体「バード・オブ・パラダイス」に訪問し、段ボール10箱分の衣類や必需品を寄付しました。本訪問を通して当社社員は地元団体の活動の重要さについて学び、寄付を通じて地域社会に貢献できたことを感じました。今後も活動を通じて、地域社会に貢献していきます。

日本:神田祭
2025年5月11日に江戸三大祭りの一つである神田祭(本祭)が開催され、当社寄贈の将門神輿渡御が行われました。将門塚前に集合した担ぎ手は、お祓いを受けた後、掛け声を合わせて神田明神に向けて出発、午後1時頃に多くの見物客にも囲まれつつ宮入を行いました。本年の神輿渡御には当社から200名以上が参加し、日本の伝統文化に触れることができました。当社は、地域振興、伝統行事の保存、また地域コミュニティとの交流を趣旨に、多くの社員および家族が参加できる地域貢献活動として同活動を続けていきます。

日本:「ひろしまフラワーフェスティバル」協賛・清掃活動
広島と世界を結ぶ平和の花の祭典「2024ひろしまフラワーフェスティバル」が2024年5月3日と5日に開催されました。メイン会場となる平和公園や平和大通をパレードやステージで彩る祭典は、1977年から始まりました。中国支社は広島商工会議所の依頼を受け毎年フラワーフェスティバルに協賛しており、開催に際し国内外から多くのお客様をお迎えする前に行われる会場周辺の一斉清掃に参加しています。今年も昨年同様、生憎の天候で小雨が降る中、支社長を含め5名で参加しました。
