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環境課題の解決に取り組み、環境と調和する社会づくりを目指します。

三井物産の森

社有林「三井物産の森」

三井物産は日本国内74か所に、国土の約0.1%の面積に相当する合計約44,000ヘクタールの社有林「三井物産の森」を保有しています。
当社は、長期にわたり、必要な施業等を適切に実施し、保有する森林全体を「持続可能な森林」として経営・管理することで、森林が持つ多様な価値や機能を守り育て、社会に還元しています。

気候変動への対応

当社の環境方針においては、温室効果ガスの削減や気候変動の緩和と適応に貢献する事業の推進に努めることを掲げています。また、中期経営計画2023においては、気候変動をサステナビリティ経営における重点課題の一つに特定しています。
三井物産の森はさまざまな公益的機能を発揮し、CO2の蓄積・吸収に貢献しているほか、全体の約30%が「水源涵養保安林」として公的に指定され、水資源の確保や水害緩和に役立っています。

生物多様性の保全

三井物産の森では山林の地形や樹種など様々な特徴を捉えて管理方法を分ける「ゾーニング」を行っており、「循環林」、「天然生林」、「生物多様性保護林」などに分類し、それぞれの管理方針に基づき適切な森林管理を行っています。特に「生物多様性保護林」では保護価値の高い森林を選定、「特別保護林」、「水土保護林」、「環境的保護林」、「文化的保護林」の4種類に分類し生物多様性に配慮した管理、施業を行っています。
生物多様性への影響を評価し、その保全に努めるという当社方針に沿って、三井物産の森においても生物多様性の保全に取り組んでいます。

各地域における取り組み

谷津田再生プロジェクト

当社は、2007年より特定非営利活動法人アサザ基金と協働し、茨城県牛久市の荒廃した谷津田を無農薬による米作りなどを通じて再生する「谷津田再生プロジェクト」に取り組んでいます。本プロジェクトではグループ企業を含む役職員とその家族が参加し、田植え、草取り、稲刈りまでを手作業で行い、収穫した無農薬米を使った日本酒の醸造、蔵出しを行う1年間を通したプログラムです。米作りとともに、現地の生物調査なども行い、ホタルなど谷津田の生態系がよみがえり、自然循環の取り組みが実感できるプログラムとなっています。


谷津田再生プロジェクト

コロンビアにおける植林活動

コロンビアにおける植林活動

コロンビア三井物産は、トヨタと共同でエンセニーリョ生物保護区の植林に取り組んでいます。この保護区は、ボゴタ付近にあるグアスカ(クンダイナマルカ)州のラ・トリニダッド村に位置しており、面積は約206ヘクタールで、この地域の生態系を保護するために、2007年に設置されました。現在では、多くの植物(コケ類、地衣類、シダ類、エンケニージョの木)や動物(パラモ・キツネ、アルマジロ、78種以上の鳥類)が生息しており、ナチュラコロンビア財団は、このエリアの保全と保護を担当し、36年にわたりコロンビアの生物多様性の保全に大いに貢献をしています。
コロンビア三井物産は、この生態系の回復と保全に貢献するため、シロ、ドゥラズニロ、ローレル、ティバーなど2,500本の自生木を0.56ヘクタールの土地に寄贈、気候変動や地球温暖化の緩和を目的とし、コロンビア三井物産からも10名が植樹活動に参加しました。保護区には、植樹の記念碑が設置され、コロンビア三井物産の環境保全活動への貢献が記されています。

小笠原諸島におけるアオウミガメの保全研究支援

三井物産環境基金では特定非営利活動法人エバーラスティング・ネイチャー(以下、ELNA)への助成を通じアオウミガメの保全に向けての研究を支援しています。ELNAは、ウミガメ食文化が継承される小笠原諸島において、絶滅危惧種であるアオウミガメの保全と人間による利用を両立させるため、ウミガメの捕獲可能頭数を設定する研究を行っています。世界中で人間の過度な捕獲により、数が減少しており、これは生態を理解しないまま需要を満たすために乱獲したためと言われています。また、近年では地球温暖化などの気候変動が生物の生存に影響を及ぼしています。ウミガメの性別の決定には砂浜の温度が関わっており、ウミガメは特に気候変動の影響を受けやすい動物と言われています。本研究では小笠原でウミガメの生態調査を実施し、気候変動下でも繁栄できるウミガメの利用を考え、この地域の人々の暮らしとウミガメを守ることを目指しています。

*三井物産環境基金は2022年度で終了予定です。