Environment
気候変動
方針・基本的な考え方
持続可能な開発目標(SDGs)やパリ協定の国連での採択等、気候変動や自然災害の増加・激甚化傾向は世界の喫緊の課題であり、社会の持続可能性を追求していく上で、企業の責任ある対応がますます重要になっています。
三井物産が特定したマテリアリティには、「持続可能な安定供給の基盤をつくる」や「環境と共生する世界をつくる」が含まれ、環境方針においては、温室効果ガス(以下、GHG)の削減や気候変動の緩和と適応に貢献する事業の推進に努めることを掲げています。当社は気候変動を対応すべき社会課題の一つとして位置づけており、前中期経営計画から引き続き、低炭素社会の実現に向けて事業ポートフォリオの変革を継続しています。さらに、環境・クリーンテック分野の技術革新を事業機会とすることを戦略上の重点分野の一つと位置づけ、投資機会の追求・拡充に取り組んでいます。
当社は国際的な枠組みであるパリ協定や日本の中長期的な削減目標に寄与する目標を掲げ、世界のさまざまな国・地域の経済・社会の発展と、気候変動の緩和及び適応といった地球規模の課題の解決の両方に、幅広い事業活動を通じて貢献していきます。
2026年3月13日開催の事業説明会において、サステナビリティ経営の進捗として気候変動対応に関する取組状況を発表しました。詳細はリンク先をご参照ください。
TCFD提言に基づく情報開示
開示方針
当社は、2018年12月に、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に賛同しており、TCFD提言に沿って、責任あるグローバル企業としてステークホルダーの要請を意識した積極的な情報開示を進めます。
ガバナンス
気候変動対応に関するガバナンス体制
当社では気候変動対応を経営上の重要課題と位置づけています。気候変動に関わる経営の基本方針、事業活動やコーポレートの方針・戦略は、経営会議の下部組織であるサステナビリティ委員会が企画・立案・提言を実施しています。サステナビリティ委員会の活動については、取締役会による監督が適切に図られる体制となっており、サステナビリティ委員会における気候変動の審議事項は、定期的に経営会議及び取締役会に付議・報告されます。2026年3月期は気候変動関連目標及び進捗、制度開示に関する対応等の議題が取締役会に付議・報告されました。また、社外役員も含めた取締役・監査役が気候変動対応をテーマとしたフリーディスカッションを行う等、気候変動対応に関する活発な議論がなされています。
サステナビリティ委員会
| 管掌役員 | 代表取締役副社長執行役員 兼 CSO(チーフ・ストラテジー・オフィサー)兼 サステナビリティ委員会 委員長 |
|---|---|
| 事務局 | サステナビリティ経営推進部、経営企画部 |
当社サステナビリティ経営の推進体制図やサステナビリティ委員会の活動に関する詳細はリンク先をご参照ください。
気候変動関連議題
サステナビリティ委員会における気候変動に関する主な議題は以下のとおりで、過去3年間で合計28件です。
- 気候変動に関する集計概要と課題に関する報告・意見交換
- 気候変動関連開示拡充(Scope3排出量/削減貢献/移行リスク/物理的リスク)に関する報告
- 業績連動型譲渡制限付株式報酬制度における気候変動評価項目に関する審理・意見交換(2回)
- Scope1+2及びScope3カテゴリー15の排出量削減に関する意見交換
- Scope3排出量の集計速報と今後の方針に関する報告・意見交換
- TCFD開示拡充(移行リスク・物理的リスク)に関する報告
- 気候変動目標とScope3排出量に関する報告
- インベスターデイ気候変動パート内容骨子に関する報告
- 社内カーボンプライシング制度の更新に関する審議
- 事業計画 気候変動目標進捗(Scope1+2及びScope3カテゴリー15)に関する報告・意見交換
- 気候変動関連目標に関する意見交換
- サステナビリティ情報開示の進捗に関する報告
- 国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)に関する検討状況と対応方針に関する報告
- 単体・連結子会社Scope1+2排出量半減目標進捗に関する報告
- 社内カーボンプライシング制度の更新に関する審議及び活用に関する報告
- 業績連動型譲渡制限付株式報酬制度における気候変動評価項目に関する審議・意見交換(3回)
- 気候変動対応進捗報告及び対応方針案に関する意見交換
- 国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)/サステナビリティ基準委員会(SSBJ)開示におけるシナリオ分析対応方針に関する報告
- 業績連動型譲渡制限付株式報酬における環境要素の2026年3月期評価手法に関する報告
- 次期中経における気候変動対応方針に関する報告
- 社内カーボンプライシングの更新と活用案に関する報告
- Scope1+2削減推進とカーボンクレジット調達対象・方針の検討に関する報告
- 国際財務報告基準(IFRS)S1/S2に関する報告(3回)
サステナビリティ・アドバイザリー・ボード(SAB)、外部有識者との連携
気候変動を含む環境・社会テーマに関して知見を有する外部有識者から構成されるSABを設置し、メンバーからの情報や助言をサステナビリティ委員会の審議に活用しています。また、SABメンバーに限らず、外部有識者とのコミュニケーションを通じ、気候変動への適切な対応に努めています。
当社サステナビリティ経営の推進体制図やサステナビリティ委員会の活動に関する詳細はリンク先をご参照ください。
- サステナビリティへの考え方・推進体制:体制・システム
- サステナビリティへの考え方・推進体制:サステナビリティ委員会詳細
- サステナビリティへの考え方・推進体制:サステナビリティ・アドバイザリー・ボード(SAB)
気候変動対応の役員報酬制度への反映
2023年3月期より、新たに業績連動型譲渡制限付株式報酬制度を導入することを決定し、2022年6月22日の株主総会で承認されました。同報酬制度は、当社が社会的責任を果たしつつ中長期的な業績と企業価値の持続的な向上を図るインセンティブとして導入するもので、その評価指標の一つに、当社が重視すべき経営指標として気候変動対応を含むサステナビリティ各要素を含みます。詳細は、2025年3月期有価証券報告書「第4 提出会社の状況、4. コーポレート・ガバナンスの状況等(4)役員の報酬等」をご参照ください。
戦略
シナリオ分析の方針・プロセス
当社は2018年12月にTCFDに賛同して以降、グローバルな経営環境の変化に柔軟に対応し、当社戦略のレジリエンスを高めるため、シナリオ分析を実施しています。従来から事業本部が対象事業のリスクと対策、また定量的な影響度等を分析しサステナビリティ委員会にて審議していますが、当分析の重要性の高まりを受け、2023年3月期の事業計画の策定からシナリオ分析で特定した気候変動リスク・機会を考慮しています。経営会議での報告・審議を経て取締役会にて承認される事業計画プロセスに組み込むことで、シナリオ分析の結果が経営レベルで確認・審議され事業ポートフォリオ戦略に反映されています。
当社はシナリオ分析を定期的に実施し、自社及びバリューチェーンにもたらす重要なリスクと機会を分析しています。シナリオ分析の実施対象は、事業規模や気候変動のインパクトを踏まえて選定しており、シナリオ分析の結果は以下の各セクションに記載しています。
なお、本分析は将来予測ではなく、特定条件下で事業影響を試算するものであり、当社の事業戦略の前提として置いた世界観とは異なります。また、シナリオ分析で用いた各シナリオは、将来生じうる事業環境変化を想定したものであり、当社がその実現を前提として事業計画を策定しているものではありません。
選定したシナリオ
当社では、短期(翌事業年度)、中期(2030年)、長期(2050年)の時間軸に分けて、最長2050年までのシナリオ分析を実施しました。これらの時間軸は、当社の事業計画や、GHG削減目標期間、資産の長期的な回収期間とも整合しています。
シナリオ分析に際しては、IEA(国際エネルギー機関)のWorld Energy Outlook(WEO)に記載のある以下シナリオ等を参照して、現行シナリオ、2℃シナリオ、パリ協定と整合する1.5°Cシナリオを用いて、移行リスク・機会*1の分析を行いました。一方、物理的リスク*2に関しては、外部アドバイザーを起用し、4°Cシナリオ下で物理的リスクの影響が高い投資先に関して、将来(2030年及び2050年時点)の各リスク項目についての分析を実施しています。
*1 政策・法規制や、技術開発、市場動向、市場における評価等の変化によってもたらされるリスク及び機会
*2 気候変動に伴う自然災害や異常気象の増加等によってもたらされる物理的な被害等のリスク
- 現行シナリオ:現行政策、技術導入等を踏まえた、当社の長期見通しに基づくシナリオ(IEA Stated Policies Scenario(STEPS)、Current Policies Scenario(CPS)等を参照)
- 2°Cシナリオ:政府の発表済み公約が実施された場合を想定したシナリオ(IEA Announced Pledges Scenario(APS)等を参照)
- 1.5°Cシナリオ:地球温暖化を産業革命前に比べて1.5°C未満に抑える目標を達成するためのシナリオ(IEA Net Zero Emissions by 2050 Scenario(NZE)等を参照)
- 4°Cシナリオ:2100年に世界の平均気温が約4°C上昇するシナリオ(IPCC RCP(代表的濃度経路)8.5等を参照)
シナリオ分析の前提とした主要な仮定
当社のシナリオ分析の前提として利用した主要な仮定のうち、全事業に共通するものは以下のとおりです。事業別に利用したその他の主要な仮定は、各事業のシナリオ分析結果(事業環境認識)に記載しています。なお、本シナリオ分析は、主として気候関連の移行・物理的要因にかかる前提に基づき実施しており、その他要因(国際情勢の急変や地政学上の事象等)については、不確実性が高いため分析上の前提として織り込んでいません。
- 世界人口は、サブサハラアフリカ・アジアを中心とした人口動態の変化を背景に、2030年に85億人超、2050年に96億人超へと緩やかに増加する見通しである*。
- 世界全体の経済成長率は2030年まで約3%、その後も2.5%程度を維持し、OECD国では1~2%、OECD外、特にアジア及びサブサハラアフリカでは相対的に高い成長が見込まれる*。
- 炭素価格の価格設定についてはIEA等の外部機関が公表している定義や価格を参考に、対象資産の国・地域、時間軸等を考慮した価格設定を行っている。
*IEAが発行するWEOの前提を参照
移行リスク分析
当社では、選定した事業に対し複数の気候変動シナリオを活用して、移行リスクに伴う事業戦略・財務計画への影響や必要な対応策を検討しています。
シナリオ分析対象事業の選定
当社は多様な事業を世界各地で展開しており、関与する産業・バリューチェーンも多岐にわたります。シナリオ分析を用いて当社にとって見通しに影響を与えると合理的に見込み得るリスク・機会及びその影響を特定すべく、以下に示すとおり、事業規模(当期利益や投下資本)と気候変動による事業インパクトの有無・大きさを踏まえ対象事業の絞り込みを行いました。
(1)検討対象事業のスクリーニング
当社事業を16バリューチェーン(VC)に分類し、更にその下位区分として51の事業に整理しました。その上でSASB*インダストリー等を参照し、各事業について気候関連のリスク・機会の有無を特定しました。
その結果とVC単位の事業規模(直近3期平均の当期純利益(PAT)及び投下資本(IC))を踏まえ、シナリオ分析の対象を選定しています。なお、事業規模が小さく、気候関連リスク・機会が当社全体に及ぼす影響が限定的と考えられる事業については、分析対象から除外しています。その結果、29事業を検討対象事業として特定しています。
*Sustainability Accounting Standards Board
(2)リスク・機会の評価及び財務的影響の試算
(1)で選定した29事業について、VC上流・下流からの影響も考慮の上、気候関連のリスク・機会を洗い出し、シナリオ別の財務的影響の規模と発生可能性をスコアリングしました。スコアリングを踏まえ、事業特性や当社の投資戦略、将来見込まれる事業機会、ならびに派生リスク等を総合的に勘案し、移行シナリオ分析結果を開示する事業を選定し、以下では、これらの事業にかかる移行シナリオ分析結果を開示しています。なお、このうち財務的影響を合理的に見積もることが可能なリスク・機会については、定量的な試算も開示しています。
移行シナリオ分析の結果(主要なリスク・機会)
各事業セグメントにおけるリスクと機会は、以下のとおりです。
| セグメント | リスク (太字:財務的影響の試算対象) |
機会 |
|---|---|---|
| 金属資源 鉄鋼VC:原料炭事業、鉄鉱石事業、製鋼原料事業 非鉄VC:銅事業 |
|
|
| エネルギー エネルギー供給VC: 石油・ガス開発及びLNG事業、次世代燃料事業 |
|
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| モビリティ・デジタル・インフラ 電力VC:火力発電事業、再生可能エネルギー事業 モビリティ・輸送VC:モビリティ(陸上)事業 |
|
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| 化学品 化学品VC:モビリティ向け素材事業 森林資源VC:森林資源事業 |
|
|
*CCS(Carbon Capture and Storage):CO2の回収・貯留
CCUS(Carbon Capture, Utilization and Storage):CO2の回収・利用・貯留
対象事業への影響額*
大:▲450億円以上▲700億円未満
中:▲150億円以上▲450億円未満
小:▲150億円未満
*当期利益(PAT)への影響額
鉄鋼VC:原料炭事業、鉄鉱石事業、製鋼原料事業

当社の該当事業
原料炭事業:原料炭の開発・加工・販売
鉄鉱石事業:鉄鉱石の開発・加工・販売
製鋼原料事業:フェロシリコン等の製鋼原料の製造
鉄鋼VCでは、特に「製鉄」において温室効果ガス排出が集中しています。
当社グループの事業(原料炭事業、鉄鉱石事業、製鋼原料事業)は「原料採掘・調達」に位置していることから、当社グループの気候関連の移行リスクはバリューチェーン全体の中では比較的低い水準にあると想定されています。また当社グループの機会は「原料採掘・調達」に集中しています。詳細な内容は以下をご参照ください。
| 鉄鋼事業 | ||
|---|---|---|
| 事業環境認識 | 現行シナリオ インド・東南アジア等の経済成長を背景に、建物や自動車等の鉄鋼需要は現在も堅調に推移しており、人口増や新興経済国の成長を背景に、2030年、2050年に向けて需要は拡大していく見込みです。スクラップ利用等が増加することにより、鉄鉱石需要は鉄鋼需要の伸びに比べ緩やかになると見込まれるものの、成長軌道にあります。 GHG排出削減に向けた規制強化や技術革新により、現在主流である高炉シェアは低下傾向が見込まれるものの、2030年迄には電炉シェアが拡大するとともに、CCUS等の技術導入も進むと想定されます。2050年には原料供給量の制約もあり電炉シェアは横ばい推移となる一方、高炉シェアは低下が見込まれるものの、水素還元等の新技術により一定のシェアを維持することが見込まれます。ステンレスや特定の合金鉄の需要は普通鋼粗鋼需要以上の伸長が予測され、ニッケル等の製鋼原料需要も拡大する見込みです。 2°Cシナリオ GHG排出に対する産業規制の強化やマーケットの期待を背景に、鉄鋼需要に大きな変化がないものの、2030年時点で高炉シェアの低下と電炉シェアの拡大が現行シナリオより早まる想定です。新たな技術の導入も前倒しで進捗し、2050年に向けてさらに拡大していくと見込まれます。 1.5°Cシナリオ GHG排出削減の要求はさらに高まり、高炉シェアの低下は一段と進行する見込みです。電炉シェアはスクラップの供給に制約され2℃シナリオと同程度で推移するため、新技術導入が2030年から加速し、2050年に向けて大幅に進展することが期待されます。 |
|
| 事業への影響/対応策 | リスク・機会の説明 | (リスク) 【原料炭】
【鉄鉱石】
【製鋼原料】
(機会)
|
| 将来の財務的影響/対応策 |
【原料炭】 【鉄鉱石】 【製鋼原料】 |
|
| 現在の財務的影響 | 気候関連に起因する上記リスク・機会について、2026年3月期に重大な影響は生じていません。 | |
※下記表は横にスクロールしてご覧ください。
| 財務的影響額 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2°Cシナリオ | 1.5°Cシナリオ | |||||
| 原料炭 | 短期(2028年3月期) 小 |
中期(2030年3月期) 小 |
長期(2050年3月期) 小 |
短期(2028年3月期) 小 |
中期(2030年3月期) 小 |
長期(2050年3月期) 小 |
| 鉄鉱石 | 短期(2028年3月期) 小 |
中期(2030年3月期) 小 |
長期(2050年3月期) 小 |
短期(2028年3月期) 小 |
中期(2030年3月期) 小 |
長期(2050年3月期) 小 |
2026年3月期決算 プレゼンテーション資料 (PDF 3.3MB)_P.21 金属資源:主な事業一覧
非鉄金属VC:銅事業

当社の該当事業
銅事業:銅の資源開発・加工・販売
当社グループの事業(銅事業)は「原料採掘・調達」に位置しており、シナリオ分析により識別された当社グループの気候関連の機会は、バリューチェーンにおける「原料採掘・調達」に主に集中しています。詳細な内容は以下をご参照ください。
| 銅事業 | ||
|---|---|---|
| 事業環境認識 | 現行シナリオ エネルギー転換による送電網の拡大、EVの生産拡大、再エネ発電の成長、生成AIによる電力需要拡大等に伴い、銅の需要は供給に比例して拡大していきます。2030年には現在比で2割程度の増加、2050年には4割近くまで増加します。一方で、GHG削減に資する採掘、精錬、輸送等におけるエネルギー効率向上のための投資も増加していきます。また、スクラップのリサイクルも進んでいきます。 2°Cシナリオ クリーン・エネルギーに関連する銅需要の増加は、現行シナリオ比で2020年代終わりから高まり、2050年には現在比で5割に達します。GHG削減に対する投資もより加速します。 1.5°Cシナリオ エネルギー転換による、輸送・建物等の電化が加速度的に進展し、銅需要の増加も加速するため、現在比で2030年には2割以上、2050年には5割以上の成長が見込まれます。一方で、供給不足や銅鉱石の品質低下の懸念が大きくなります。 |
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| 事業への影響/対応策 | リスク・機会の説明 | (機会)
|
| 将来の財務的影響/対応策 |
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| 現在の財務的影響 | 気候関連に起因する上記リスク・機会について、2026年3月期に重大な影響は生じていません。 | |
2026年3月期決算 プレゼンテーション資料 (PDF 3.3MB)_P.21 金属資源:主な事業一覧
エネルギー供給VC:石油・ガス開発及びLNG事業、次世代燃料事業

当社の該当事業
石油・ガス開発及びLNG事業:資源の採掘・開発、LNG事業開発・供給販売及びトレーディング
次世代燃料事業:クリーン水素・アンモニア、SAF(Sustainable Aviation Fuel)等の開発、商業化
海洋油・ガス田生産設備事業:浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備の建造・保有・長期チャーター及びO&Mサービス
ガス配給:コンセッション契約に基づく都市ガス配給事業
エネルギー供給バリューチェーンでは、特に「原料採掘・調達」及び「販売・使用・回収」において温室効果ガス排出が集中しています。
当社グループの事業(石油・ガス開発及びLNG事業、次世代燃料事業、海洋油・ガス田生産設備事業、ガス配給事業)は主に、「原料採掘・調達」と「輸送・貯蔵」に位置しており、シナリオ分析により識別された当社グループの気候関連の移行リスクは、バリューチェーンにおける「原料採掘・調達」に主に集中しています。詳細な内容は以下をご参照ください。
| 石油・ガス開発及びLNG事業 | ||
|---|---|---|
| 事業環境認識 | 現行シナリオ 石油需要は、EV車の普及やエネルギー効率化の進展を背景に成長は鈍化するものの、2050年にかけても増加基調が続く見込みです。天然ガス需要は、中国・インド等アジア新興国の電力・産業用途に加え、AI普及に伴うデータセンター需要や電化の進展等による世界的な電力需要増加を背景に、2050年にかけて堅調に拡大する見通しです。 2°Cシナリオ 石油需要は、輸送セクターの電化や省エネルギーの進展により2030年頃にピークを迎え、その後2050年にかけて緩やかな減少基調となる見通しです。天然ガス需要は、2030年半ば頃まで増加した後、おおむね横ばいまたは緩やかな減少に転じます。電力需要は電化の進展に加え、データセンター需要等により増加し続けますが、再生可能エネルギーの導入拡大が進みます。天然ガスは再生可能エネルギーを補完する調整電源として重要性を維持し、CCUSや低炭素水素製造との組合せによる利用も拡大する見通しです。 1.5°Cシナリオ 石油需要は2030年以降急激に減少し、2050年にかけて大幅に縮小する見通しです。天然ガス需要も2050年に向けて大幅に縮小する見通しです。ただし、再生可能エネルギーの大量導入を補完する柔軟性供給や水素製造用途等において一定の役割は維持されます。 温室効果ガス排出規制やメタン排出規制は一層強化され、電化、再生可能エネルギー、CCS/CCUS、クリーン水素・アンモニア等の導入が加速します。電力需要は電化やデータセンター需要の拡大等により増加が続くものの、その多くは再生可能エネルギー等の低炭素電源で賄われる見通しです。 |
|
| 事業への影響/対応策 | リスク・機会の説明 | 当社は、中東、東南アジア、北米、オセアニア等多数地域で石油・ガス開発事業及びLNG事業を展開しています。 エネルギー転換の進展に伴い、以下のリスク及び機会が顕在化する可能性があります。 (リスク)
(機会)
|
| 将来の財務的影響/対応策 |
|
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| 財務的影響額 | 気候関連に起因する上記リスク・機会について、2026年3月期に重大な影響は生じていません。 | |
※下記表は横にスクロールしてご覧ください。
| 財務的影響額 | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 2°Cシナリオ | 1.5°Cシナリオ | ||||
| 短期(2028年3月期) 小 |
中期(2030年3月期) 小 |
長期(2050年3月期) 小 |
短期(2028年3月期) 中 |
中期(2030年3月期) 中 |
長期(2050年3月期) 中 |
2026年3月期決算 プレゼンテーション資料 (PDF 3.3MB)_P.23 エネルギー:主な事業一覧
| 次世代燃料事業 | ||
|---|---|---|
| 事業環境認識 | 現行シナリオ バイオ燃料をはじめとする次世代燃料の需要は、主に化石燃料を補完する形で中長期的に拡大する見通しです。水素・アンモニア・メタノールについては、2030年頃までは化学・肥料原料用途等が中心となるものの、その後燃料利用市場成長を牽引することが期待されます。また、SAFやHVO(Hydrotreated Vegetable Oil)等のバイオ燃料は、輸送分野を中心に導入が進み、脱炭素化の有力な選択肢の一つとなる見込みです。 2°Cシナリオ 各国の脱炭素政策・排出削減目標の実施に伴い、輸送、産業及び発電分野における低炭素燃料の普及が加速する見通しです。クリーン水素・アンモニア・メタノールは、電化のみでは脱炭素化が困難な分野を中心に導入が進み、SAF・HVO等のバイオ燃料も利用拡大が進みます。 1.5°Cシナリオ 脱炭素化が急速に進展し、次世代燃料はエネルギーシステムにおける重要な役割を担うようになります。水素・アンモニアは鉄鋼、化学、海運、発電等の脱炭素化を支える主要エネルギーとして普及し、バイオ燃料や合成燃料は航空・海運等の電化が困難な分野に重点的に利用されます。一方で陸上輸送分野ではEVを中心とした電化が急速に進展するため、バイオ燃料需要の伸びは限定的となります。 |
|
| 事業への影響/対応策 | リスク・機会の説明 | (機会)
(リスク)
|
| 将来の財務的影響/対応策 |
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| 現在の財務的影響 | 気候関連に起因する上記リスク・機会について、2026年3月期に重大な影響は生じていません。 | |
電力VC:火力発電事業、再生可能エネルギー事業

当社の該当事業
火力発電:ガス・石油火力発電及び石炭火力発電
再生可能エネルギー事業:太陽光発電、風力発電、水力発電等の再生可能エネルギー発電
電力バリューチェーンでは、特に火力発電の「発電(燃料燃焼)」にて温室効果ガス排出が集中しています。ただし、当社グループのガス・石油火力発電・石炭火力発電事業は、発電量ではなく稼働可能な発電容量に対して対価が支払われる長期売電契約が大半を占めるため、結果として当社グループが保有する発電資産の運営上の気候関連の移行リスクは限定的です。
詳細な内容は以下をご参照ください。
| 火力発電事業、再生可能エネルギー事業 | ||
|---|---|---|
| 事業環境認識 | 現行シナリオ 人口増、経済成長及びAI普及に伴うデータセンター等での電力需要や産業・輸送分野の電化の進展を背景に、世界の電力需要は今後も成長し続けます。電源構成については、脱炭素化が進展し石炭火力発電は2030年頃までにはピークアウトしますが、ガス火力発電は電力の安定供給や再生可能エネルギーの変動補完を担う重要な電源として2030年代も一定の役割を維持します。再生可能エネルギーは太陽光と風力を中心に導入が拡大し、2035年頃には発電量の過半を占め、2050年には約3分の2に達する見通しです。 2°Cシナリオ 各国の気候変動対策及びネットゼロ目標の実現に向けた取組みが進展し、輸送・産業部門を中心とした電化の加速やデータセンター等での電力需要の拡大により、電力需要は現行シナリオを上回るペースで増加する見通しです。石炭火力発電は急速に縮小し、ガス火力発電も長期的には減少する一方、再生可能エネルギーによる発電は加速するとともに、蓄電池や送電網増強等の柔軟性確保に向けた投資も増加する見通しです。 1.5°Cシナリオ 脱炭素化の潮流の急速な進展や電化・データセンター等での電力需要の拡大を背景に電力需要が中長期的に大幅に増加します。電源構成の転換も加速度的に進み、石炭火力発電は急速に減少し、ガス火力発電もCCUSや低炭素燃料を伴う一部用途を除き発電量は大幅に減少します。一方再生可能エネルギーは2050年には電力供給の大半を占める見通しです。 |
|
| 事業への影響/対応策 | リスク・機会の説明 | 当社が現在保有する発電事業資産にかかる気候関連のリスク及び機会及び財務的影響を記載しています。なお、分析にあたっては既存資産を対象としており、将来の新規投資、資産リサイクル、事業売却等によるポートフォリオ変化の影響は織り込んでいません。 【火力発電】 (リスク)
(機会)
【再生可能エネルギー】 (機会)
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| 将来の財務的影響/対応策 | 【火力発電】
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| 現在の財務的影響 | 気候関連に起因する上記リスク・機会について、2026年3月期に重大な影響は生じていません。 | |
※下記表は横にスクロールしてご覧ください。
| 財務的影響額:火力発電事業 | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 2°Cシナリオ | 1.5°Cシナリオ | ||||
| 短期(2028年3月期) 小 |
中期(2030年3月期) 小 |
長期(2050年3月期) 小 |
短期(2028年3月期) 小 |
中期(2030年3月期) 小 |
長期(2050年3月期) 小 |
石炭火力発電事業:
新規事業には取り組みません。既存事業*については、現事業者の責任として2040年代まで継続する売電契約が地域社会に与える影響への対応を考慮しつつ、適切な経済性を確保することを前提として、2040年に向けた撤退の検討を進めます。
*マレーシア・モロッコにおいて参画中
ガス・石油火力発電事業:
既存事業については、事業者として安定供給の責任を果たしつつ、案件ごとに都度保有意義の検証を進めます。
新規のガス火力発電事業については、トランジションエネルギーとしての必要性や、潜在的な将来のカーボンコストを勘案の上、各地域の電源構成・電力需要見通しも踏まえて取組みを検討します。
発電事業一覧(ガス火力発電事業、石炭火力発電事業、石油火力発電事業)2026年3月末現在(PDF 299KB)
モビリティ・輸送VC:モビリティ(陸上)事業

当社の該当事業
モビリティ(陸上)事業:自動車、自動車部品、建設機械・鉱山機械の物流、生産、卸売、販売、ファイナンス、リース、レンタル
モビリティ・輸送バリューチェーンでは、特に「使用・利用」において温室効果ガス排出が集中しています。
ただし、当社グループの事業(乗用車/建機輸送車両/貨物輸送車両の販売及び周辺サービス事業)はおおむね「販売・リース」に位置していることから、当社グループの気候関連の移行リスクはバリューチェーン全体の中では比較的低い水準にあると想定されます。詳細な内容は以下をご参照ください。
| モビリティ(陸上) | ||
|---|---|---|
| 事業環境認識 | 現行シナリオ 人口増や経済成長を背景に、乗用車・トラックによる陸上輸送に対する総需要は増え続け、2050年には現在の2倍近くに達する見通しです。気候変動抑制に関連する規制が強化され、需要の変化が進むとともに電動化(EV・FCV)も進みます。2035年にはおよそ4台に1台は電動車となり、EV販売シェアは50%に達する見込みです。 2°Cシナリオ 陸上輸送に対する総需要には現行シナリオ対比に大きな変化はありませんが、電動化はより大きく進展し、2035年にはおよそ3割が電動車となり、EV販売シェアはおよそ3分の2に達する見込みです。 1.5°Cシナリオ 陸上輸送に対する総需要は、2030年以降やや鈍化するものの、大きな変化はありません。一方、電動車はより早く成長し、2035年には保有台数は現行シナリオの1.5倍となり、販売シェアは9割を超える見込みです。 |
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| 事業への影響/対応策 | リスク・機会の説明 | (リスク)
(機会)
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| 将来の財務的影響/対応策 |
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| 現在の財務的影響 | 気候関連に起因する上記リスク・機会について、2026年3月期に重大な影響は生じていません。 | |
化学品VC:モビリティ向け素材事業

当社の該当事業
ジェネラルインダストリー向け素材事業:産業用途向けのプラスチック着色剤、合成樹脂等の各産業向けの素材販売・トレーディング
モビリティ向け素材事業:自動車向けのプラスチック着色剤、合成樹脂等の各産業向けの素材販売・トレーディング
原料化学品事業(汎用、高機能):合成樹脂等向けの化学品原料販売・トレーディング
化学品バリューチェーンでは、特に「製造」において温室効果ガス排出が集中しています。
ただし、当社グループの事業は主に「販売・トレーディング」に集中しており、結果として当社グループの気候関連の移行リスク・機会は「販売・トレーディング」に集中しています。
詳細な内容は以下をご参照ください。
| モビリティ向け素材事業 | ||
|---|---|---|
| 事業環境認識 | 現行シナリオ 石油化学用途の石油需要は、2050年に向けて増加を続ける見込みです。特にエネルギー集約的な基礎化学品の生産プロセスや、GHG削減対策としての燃料転換、CCUSの導入、プラスチック・リサイクルの進化等に多額の投資が必要であり、素材の生産コストが上がることによって調達コストも押し上げる可能性があります。 また、自動車分野では電動車(EV・HV等)の普及が進展するものの、世界の自動車生産台数は引き続き増加が見込まれ、軽量化や高機能化に資する素材需要は堅調に推移する見通しです。 2°Cシナリオ 現行シナリオと比較し、化学品原料用途の石油需要の増加は限定的である一方で、低炭素技術投資の発生は早まり、規模も拡大するため、生産コスト増のリスクはさらに高まる可能性があります。自動車分野では電動化の進展が現行シナリオ以上に加速し、電池関連材料や軽量化素材等への需要が拡大する一方、素材に対しても低炭素化・循環利用への対応がより強く求められる見通しです。 1.5°Cシナリオ 人口増や経済成長を受け、汎用化学品を含む一次化学品の生産量は2050年時点でも、現行シナリオ対比需要増が見込まれます。一方で、CCUSの利用、電化や水素燃料利用、リサイクル原料の利用が中長期的に進み、2035年以降にはこれら低炭素技術への投資が飛躍的に拡大する見通しです。 また、自動車の電動化及びサーキュラーエコノミーへの移行が急速に進展し、リサイクル材や低炭素素材への需要が拡大する一方で、サプライチェーン全体を通じたGHG排出削減への要請も高まる見通しです。 |
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| 事業への影響/対応策 | リスク・機会の説明 | (リスク)
(機会)
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| 将来の財務的影響/対応策 |
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| 現在の財務的影響 | 気候関連に起因する上記リスク・機会について、2026年3月期に重大な影響は生じていません。 | |
森林資源VC:森林資源事業

当社の該当事業
森林資源事業:植林、森林の運用・管理、森林アセットマネジメント
当社の事業はおおむね「森林管理」に位置しています。詳細な内容は以下をご参照ください。
| 事業環境認識 | 現行シナリオ 世界的な人口増、特にアジアを中心とする新興国における住宅・紙の市場拡大に伴い、原料となる森林資源(木材・ウッドチップ等)の需要が堅調に増加する見通しです。さらに、各国の天然林保護政策・伐採規制強化により、植林材を主とする森林資源の価値が向上することが見込まれます。 2°Cシナリオ 住宅資材や紙の原料となるウッドチップ等の森林資源需要は、現行シナリオ同様堅調に増加する見通しです。さらに、森林資源の持つCO2吸収機能や再生可能な自然素材としての特徴への注目度が高まり、森林由来の排出権市場の拡大と排出権価格の上昇、バイオケミカル等木材由来の高付加価値品市場の拡大も見込まれます。 1.5°Cシナリオ CO2排出削減強化に伴い、カーボン価格も先進国で2°Cシナリオ対比約1.5倍上昇することが見込まれており、森林由来の排出権市場の拡大と排出権価格の上昇、バイオケミカル等木材由来の高付加価値品市場の拡大が見込まれます。 |
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|---|---|---|
| 事業への影響/対応策 | リスク・機会の説明 | (機会)
(リスク)
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| 将来の財務的影響/対応策 |
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| 現在の財務的影響 | 気候関連に起因する上記リスク・機会について、2026年3月期に重大な影響は生じていません。 | |
物理的リスク分析
当社は、幅広い事業をさまざまな国・地域で展開しており、気候変動に伴い異常気象が増加した場合には、リスクの顕在化により影響を受ける可能性があります。そのため、新規事業投資時には、必要に応じ外部専門家のアドバイスも得ながら物理的リスク分析を実施し、適切なリスク管理を行っています。また、出資参画後も各事業の現場において、都度、対策の実効性の見直しを行っています。
物理的リスクが顕在化した場合には、人命尊重を最優先事項とした上で、地域社会との共生にも留意した事業継続のための災害時事業継続管理方針を定めています。また、保険付保や複数サプライヤーの確保、設備増強等、リスクを回避するための適応・緩和策を実施しています。2026年3月期に現状のリスク対応の妥当性を検証するため、外部の気候分析ツールを活用し、当社投資先の将来における物理的リスクの影響を以下のとおり分析しました。

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STEP1
物理的リスクの影響が高い投資先の選定
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当社投資先の内、投資性資産額が150億円以上または当期利益が30億円以上(2025年3月末時点)の連結子会社及び持分法適用会社を主たる対象として選出しました。
この際、2030年までに撤退を検討中である事業、事業所のみの事業、拠点が十分に分散している事業、動産資産を中心とする事業は、物理的リスクの定量インパクトが限定的と想定されるため、分析対象から除外しました。これらの条件を踏まえて、事業内容や資産の地理的分散状況等も加味し、物理的リスクにおいて財務的重要性が高い75社を分析対象として選定しました。
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STEP2
外部コンサルの分析ツールを用いた将来のリスク分析
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選定した投資先について、主要資産のロケーションをマッピングするとともに、事業拠点を操業特性に基づき8つのカテゴリー(資源権益、港湾設備・発電所等、工場及び生産拠点、鉄道・パイプライン、物流センター・倉庫等、オフィス及び商業施設、自然依存拠点、人的依存拠点)に分類しました。各カテゴリーと7種のハザード(洪水、高潮、強風、土砂災害、山火事、水ストレス、熱波)の組合せについて、有形固定資産の物理的毀損に至る因果経路(影響経路)の有無を独自に評価しています。これらの気候ハザードによって引き起こされる操業停止や物理的毀損による潜在的財務的影響額が大きいものを重要なリスクとして認識しています。
なお、将来の物理的リスクの分析にあたっては、IPCC RCP8.5(SSP5-8.5)シナリオ(4°C上昇)を採用し、2030年(中期)及び2050年(長期)における上記7種のハザード別の影響を分析し、財務的影響の規模及び発生可能性が高いリスクについて、ハザード発生時におけるインパクト(起こり得る最大の事象)として影響額の算定を行いました。
また、各ハザードの気象現象の複雑性に応じてモデルを選定しており、被害規模が単一の気象指標(浸水深、発生確率、WBGT等)により評価可能なハザード(洪水、高潮、土砂災害、水ストレス、熱波)は、当該指標によるモデルを採用し、気象事象のみでは適切な判定が困難である強風は複数要素統合モデル、山火事は統合曝露率モデルを採用しています。いずれのモデルも、IPCC、FEMA、ILO、ISO等の国際的・公的基準を統合的に活用しています。
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STEP3
分析結果をもとに対応策の見直しと適切な対応
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当社では、事業ごとにリスクの内容に応じた現場対策の導入、BCPの策定及び年次見直し、保険の付保といった適切な対応を講じています。また、本分析結果に加え、物理的リスクの状況を定期的にモニタリングし、必要に応じて追加的な対策を実施しています。
分析結果
物理的リスク分析は、気温上昇に伴い発生しうる影響について、各拠点の位置情報や資産特性等を踏まえて概観的に把握することを目的としています。本分析は、下表のとおりハザードごとに気候データに基づく分析を実施していますが、個別事業の実態(オペレーション・事業設計・契約条件等)を精査した将来の実損害額を示すものではなく、入手可能な情報及び一定の前提に基づき、各ハザードにかかるリスクの潜在的な財務的影響の大きさの試算値であり、実際に発生する損害額を示すものではありません。
本分析の結果は既存の対応策を織り込まない前提での推計であり、当社が実施しているBCP、保険付保、防災・減災対応等を勘案すると、現時点において当社の財務状況や事業継続に重大な影響を及ぼす可能性は限定的であると認識しています。
物理的リスクの規模や発生可能性は、ハザード種別及び対象地域によって傾向が異なり、中長期的に深刻化するリスクと、時期・地域により変動を伴うリスクが混在します。全体傾向としては、対応策を織り込まない前提では、2050年に向けて影響を受ける拠点数及び潜在的な財務的影響の増加が見込まれます。
※下記表は横にスクロールしてご覧ください。
| ハザード | リスク拠点数 | 財務的影響(億円) 1拠点平均 |
対象 セグメント |
対象 エリア |
対応策の一例 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 中期 2030年3月期 |
長期 2050年3月期 |
中期 2030年3月期 |
長期 2050年3月期 |
|||||
| 急性: 洪水 |
河川氾濫・集中豪雨での浸水による建物・設備・在庫損傷、復旧期間中の操業停止による利益逸失 | 5 | 6 | 13 | 15 | ウェルネスエコシステム、エネルギー、鉄鋼製品、化学品 | 北米、日本 | 敷地・重要設備の嵩上げ・高床化、止水設備、排水機能強化、堤防整備 等 |
| 急性: 高潮 |
台風等に伴う海面水位上昇での沿岸拠点浸水による設備の毀損・塩害、および復旧期間中の操業停止 | 5 | 6 | 67 | 57 | エネルギー、金属資源、化学品、モビリティ・デジタル・インフラ、鉄鋼製品 | 北米、大洋州、アジア、日本 | 敷地・設備の嵩上げ・高床化、防潮設備、排水機能強化、塩害対策 等 |
| 急性: 強風 |
瞬間最大風速増大での建屋外装・屋外設備損壊、暴風・停電に伴う操業停止による利益逸失 | 2 | 6 | ウェルネスエコシステム | 南米 | 耐風圧設計、防風林設置 等 | ||
| 急性: 土砂災害 |
斜面崩壊・土石流による斜面近接拠点の物理的毀損、長期の操業停止 | 2 | 3 | 100 | 73 | 金属資源、モビリティ・デジタル・インフラ | 南米、日本 | 擁壁・法面保護の整備、防護柵・排水設備の設置、土砂流入防護設備の設置等 |
| 急性: 山火事 |
延焼による建物・設備・生物資産の焼損、復旧期間中の操業停止や輸送路寸断による利益逸失 | 12 | 12 | 2 | 2 | 化学品 | 大洋州 | 防火帯設置、間伐、消火対策 等 |
| 慢性: 水ストレス |
取水制約による操業制約・生産量低下や用水コスト増 | 6 | 3 | 2 | 16 | 金属資源、化学品 | 南米 | 海水淡水化の導入、水使用効率改善 等 |
| 慢性: 熱波 |
猛暑日増加による屋外作業制限・労働生産性低下・設備稼働制約 | 6 | 10 | 4 | 6 | 金属資源、ウェルネスエコシステム | 大洋州、中東、アジア | 高温耐性設計、空調設備の導入、屋外作業制限・勤務体制見直し 等 |
※「財務的影響」は、当該ハザード事象が顕在化した場合の拠点単位の財務的影響として、ハザード単位で集計したものです。
※「リスク拠点数」は、単年あたり代表値1億円以上の拠点をカウントしています。
※高潮・土砂災害については、2030年から2050年にかけ対象拠点数が増加する一方、追加拠点の規模的特性により1拠点平均財務的影響は減少しています。
2026年3月期の影響
2026年3月期において、当該物理的リスクに起因する重大な財務的影響は生じていません。
中長期の対応方針及び適応投資
当社は2026年3月期において、物理的リスクへの適応対応として、各拠点におけるBCP更新・防災訓練の年次実施、保険付保の継続、設備耐災化投資(拠点ごとに継続実施)、代替輸送ルートの事前確保、水ストレス地域における淡水化等の水管理対応等を行っており、関連費用は事業別セグメントの通常運営費用に含まれています。
リスク管理
当社では、全社リスクを横断的に見て、重要なリスクを特定するとともに、リスクを回避するための諸施策やコントロールするためのさまざまな取組みを行っています。その体制として、経営会議及びその諮問機関であるポートフォリオ管理委員会を核として、全社一元的にリスクを管理する統合リスク管理体制を構築しています。統合リスク管理体制においては、事務局を務めるコーポレートスタッフ部門担当部署が全社的観点でリスクを統括します。当社が想定する重要なリスクには気候変動によるリスク、コンプライアンスに関するリスク、感染症・自然災害・テロ等に係るリスク等、環境・社会・ガバナンスに関連するものも含まれますが、特に、気候変動によるリスク(物理的・移行)は、事業投資リスクや地政学的リスク、カントリーリスクに並ぶ重要度と位置づけ、対応策を講じています。
当社のリスク管理体制の詳細は、以下ページをご参照ください。
なお、世界各国・地域で事業を展開する当社にとって、気候変動に関わる各国・地域の政策は各事業の収益性、持続可能性に大きな影響を及ぼす可能性があります。当社では、IEA等の複数の気候変動シナリオを活用し影響が大きい事業のシナリオ分析を実施し、リスクと機会の両側面での影響を把握し、事業の優先度を決定の上、投融資案件やM&A等の意思決定に活かしています。
当社が事業に取り組むにあたっては、新規に開始する段階に加え、操業時、及び撤退時においても環境・社会に対する最大限の配慮に努める仕組みを整えています。また、気候関連リスクを含む環境・社会リスクについては、その対応方針や施策を、サステナビリティ委員会で討議し、経営会議及び取締役会に報告・承認取り付けの上、実行しています。
指標と目標
GHG削減目標
2050年の「あり姿」としてのネットゼロエミッションを掲げ、その道筋として2030年に以下の目標*1達成を目指す。
- 単体+連結子会社(含むUn-inco JV*2)のScope1+2及びScope3カテゴリー15(投資):
2030年のGHGインパクト*3を2020年3月期34百万トンから半減する。 - 単体+連結子会社(含むUn-inco JV*2)のScope1+2及びScope3カテゴリー15(投資):
2030年のGHG排出量を2020年3月期44百万トン*4から30%削減する。 - 単体+連結子会社のScope1+2:
2030年のGHG排出量を2020年3月期0.8百万トンから半減する。 - 発電事業における再生可能エネルギー比率:
2030年の再生可能エネルギー比率を30%超にする。
*1 2026年3月期より排出量実績の区分変更及び報告対象を拡大しましたが、目標基準年において遡及的な算定が困難のため、目標範囲は2025年3月期から変更せず進捗管理しております。詳細は、事業説明会:サステナビリティ経営のAppendix4,5をご参照ください
*2 Un-incorporated joint venture(共同支配事業)
*3 自社の排出量から吸収除去・オフセット量と事業を通じて実現した削減貢献量を差し引いたもの
*4 基準年排出量には、GHG排出量36百万トンに、2020年3月期時点でFID(最終投資決断)済の火力発電事業で稼働開始後通常操業時に見込まれる排出増加分8百万トンを加味
GHG排出量
当社は、国内では2006年3月期から、海外では2009年3月期からGHG排出量調査を実施しています。GHG排出量としては、従来GHGプロトコル*1の支配力基準に基づくScope1、及びScope2を開示してきました*2。2020年3月期からは当社のScope1、2に該当しない投資形態のエネルギー・金属資源・火力発電事業等におけるScope1、2、及び全事業領域の関連会社のScope1、2について、Scope3のカテゴリー15(投資に伴う間接排出)として追加で開示しています。これに加え、2024年3月期からScope3の対象となる全カテゴリーを追加で開示しました。ステークホルダーからの要請や、気候変動に対応するリスク耐性を意識したポートフォリオの継続的な見直しと、幅広い事業展開を活かした機動的な機会への挑戦に取り組むという当社戦略の観点より、開示範囲を拡充したものです。
*1 GHGプロトコル:WRI(世界資源研究所)とWBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)を中心としたイニシアティブにより策定されたGHG排出量の算定及び報告基準
*2 集計範囲は本店、国内支社・支店、連結国内外子会社(100%)及びUn-inco JVを対象
GHG削減目標実績・見通し
※下記表は横にスクロールしてご覧ください。
(単位:百万トン-CO2e)
| 目標 | 対象範囲 | 2020年3月期 (基準年) |
2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2030年3月期 | 2050年 あり姿 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 実績 | 見通し | ||||||
| 2030年 GHGインパクト半減 |
単体・連結子会社 (含むUn-inco JV) Scope1+2及びScope3 カテゴリー15(投資) |
36 | 34 | 29 | 29 | 31 | ネットゼロ |
| 削減貢献量、吸収・固定量 | ▲2 | ▲5 | ▲4 | ▲5 | ▲14 | ||
| GHGインパクト | 34 | 29 | 25 | 24 | 17 | ||
| 基準年対比 | 100% | 86% | 74% | 70% | 50% | ||
| 2030年 総排出量 30%減 |
単体・連結子会社 (含むUn-inco JV) Scope1+2及びScope3 カテゴリー15(投資) |
36 | 34 | 29 | 29 | 31 | ネットゼロ |
| 基準年排出量*1 | 44 | ||||||
| 基準年対比*2 | - | 78% | 66% | 66% | 70% | ||
| 2030年 GHG排出量 半減 |
単体・連結子会社 (除くUn-inco JV) Scope1+2 |
0.8 | 0.6 | 0.6 | 0.7 | 0.4 | ネットゼロ |
| 基準年対比 | 100% | 79% | 77% | 82% | 50% | ||
| 2030年までに再生可能エネルギー比率30%超へ引き上げ | 当社持分発電容量 | 14% | 29% | 35% | 34% | 30%以上 | |
*1 基準年排出量には、2020年3月期時点でFID(最終投資決断)済の火力発電事業で稼働開始後通常操業時に見込まれる排出増加分を加味
*2 基準年排出量44百万トン-CO2e対比
なお、GHGインパクトは、自社の排出量から吸収除去・オフセット量と、事業を通じて実現した削減貢献量を差し引いたものを指します。当社は、自社の排出量削減のみならず、事業活動を通じて社会全体の脱炭素化への移行に貢献することを重視しています。こうした削減貢献量も含め目標として設定することで、全社的にその取組みを加速していきます。
2050年のネットゼロエミッションは、当社排出量から吸収除去・オフセット量のみを差し引いて実質ゼロにすることを指します(削減貢献量による差し引きを含まず)。
また、総合商社ならではの産業横断的な事業形態を活かして、多様な形で排出削減(Reduction)と削減貢献(Opportunity & Transition)を推進します。
GHGインパクト半減・ネットゼロエミッション達成に向けたロードマップ
GHG排出量に関する新たな目標として、2030年GHG総排出量目標を設定しました。従来の目標の一つであるGHGインパクトに加えて、削減貢献量を考慮しない中間目標を新たに設定するものです。FID完了済の発電事業からの排出量も加味した2020年3月期の総排出量44百万トンを基準年排出量として、26/3期では火力発電事業等の資産売却によりすでに30%削減の水準に到達していますが、引き続き2030年の30%削減を目指します。また、再生可能エネルギー比率も2026年3月期に34%となっており、2030年時点の目標30%達成に向けて引き続き取り組んでいきます。

削減貢献量・吸収量
削減貢献量とは、当社が事業を通じて提供する製品・サービスが、既存製品・サービス等による排出量をベースラインとし、その比較で第三者のGHG排出量(Scope1及びScope2)の削減・抑制に資する場合、ライフサイクルアセスメントの観点からその削減・抑制されるGHG排出量を定量化したものです。なお、削減貢献量の算出にあたりWBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)や日本LCA学会等のガイドラインを参照していますが、現時点で統一的な算定ルールは存在していないことから、国際的な議論や業界動向を踏まえ、今後も算定方法や開示の見直しを適宜実施する方針です。2026年3月期の実績は合計4,937千トン(吸収量含む)となり、内訳及び算出式は以下のとおりです。
なお、削減貢献量算出においては、可能な限り実績値や公知情報を用いていますが、入手困難な場合には最も合理的と思われる前提やシナリオを自社で設定し算出しています。
削減貢献量
※下記表は横にスクロールしてご覧ください。
| 評価対象 | 2026年3月期 | ベースライン | 算出式 |
|---|---|---|---|
| 再生可能エネルギー | 3,252千トン | 各国平均のエネルギーミックス |
|
| 排出権 | 603千トン | プロジェクト実施前 | 年間排出権創出量*(tCO2e)×当社出資比率(%) *年間排出権創出量には第三者へ売却した排出権を含む。なお、当社のGHG排出量のオフセットに使用した排出権は含まない。 |
| 次世代燃料 | 505千トン | プロジェクト実施前 |
|
吸収量
※下記表は横にスクロールしてご覧ください。
| 評価対象 | 2026年3月期 | ベースライン | 算出式 |
|---|---|---|---|
| 森林 | 576千トン | プロジェクト実施前 |
|
バリューチェーン上のGHG削減取組み
Scope3はバリューチェーンにおける他社の排出量であり、その対応にあたってはバリューチェーン全体での取組みが必要になります。当社は、各産業において、バリューチェーンの上流から下流まで幅広く事業を推進しており、パートナーや顧客と共に、社会の排出量削減に資する取組みを進めています。
GHG削減取組み例
- セグメント :
製鉄バリューチェーン
原料採掘・調達
低炭素型鉱山機械の導入・販売
鉱山操業への再エネ・次世代燃料導入
輸送
船舶用次世代燃料*供給
次世代機器導入による船舶燃費向上
—We Tech Solutions
製鉄
鉄鋼原料の塊成化プロセスの低炭素化
—Binding Solutions
直接還元鉄製造
—神戸製鋼所との共同事業
電炉での鋼材製造・スクラップ供給
—Siam Yamato Steel、MTC、Sims、エムエム建材
*メタノール・アンモニア、バイオバンカー等
ガスバリューチェーン
天然ガス生産・液化事業
CCS導入の検討・推進
—Cameron LNG/Hackberry CS、タングーLNG UCCプロジェクト、Arthit CCS
低炭素エネルギーの供給
—低炭素アンモニア Blue Point Number ONE, UAE低炭素アンモニア、RNG:Terreva、バイオメタノール*3:Fairway Methanol
液化プラント等の電化・再エネ調達の検討・推進
—Ruwais LNG、Cameron LNG
CCU*4の導入
—米国Fairway Methanol CCUメタノール製造
輸送・貯蔵
船舶燃費の最適化
アンモニアFSRU*1
パイプラインの高度補修技術によるGHG流出防止
—STATS
販売・使用・回収
CCSaaS*2の提供
—マレーシアCCS、JALMIMI/Angel CCS事業化調査
CO2船開発・導入促進
—マレーシアCCSへの液化CO2船輸送検討
高効率ガス火力発電所の運営
*1 浮体式貯蔵再ガス化設備
*2 二酸化炭素の回収・貯留をサービスとして顧客に提供する事業(Carbon Capture and Storage as a Service)
*3 RNGを原料としたメタノール
*4 二酸化炭素回収・利用を行う事業
自動車バリューチェーン
製造・組立・販売
ZEV*生産・販売事業
—EKA、CaetanoBus、Letenda、RIVER
EV向け部品製造・販売、部品軽量化
—Gestamp
電動モビリティ向け電池システム製造事業
—Forsee Power
高圧水素タンク製造・販売
—Hexagon Purus
電池原材料の安定供給
EVモーター用素材加工事業
—EMS、TMS、PMS、Steel Technologies
ZEV*需要創出・ソリューション提供
—エドモントン空港ZEV化
使用・利用
水素ステーション事業
—FirstElement Fuel
EV充電システムの開発・提供
—The Mobility House
次世代燃料製造事業
—Galp/HVO
バイオディーゼル燃料ソリューション機器製造販売
—Optimus
燃料電池大型車向けグリーン水素供給事業
—Hiringa
EV商用車のフリートマネジメント
—Penske Truck Leasing
グリーン水素製造事業
—Lhyfe、Norwegian Hydrogen
EV・バッテリーオペレーティングリース
—NEoT Capital
リサイクル
金属(鉄・非鉄)リサイクル事業
—MTC、Sims、エムエム建材
リチウムイオン電池リサイクル事業
タイヤのリサイクル事業
—Penske Truck Leasing、MBKal Mining Tire Recycling他
大型商用車の再流通事業
—T&M
*走行時に二酸化炭素等の排出ガスを出さない電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)等
社内カーボンプライシング制度
GHGを多く排出する事業の中長期的なレジリエンスの向上、また当社及び社会のGHG排出削減に貢献する事業の促進を目的に、2020年4月から社内カーボンプライシング制度を導入しています。新規投資案件については、GHG規制等がリスクあるいは機会となりうる案件につき、2°C及び1.5°Cシナリオに進んだ場合に生じる影響の分析、並びにリスクとなる場合には対策等の妥当性が、投資判断の一要素として追加されました。また、既存事業のリスク評価も社内カーボンプライシング制度を使って実施しています。なお、価格設定についてはIEA等の外部機関が公表している定義や価格を参考に、対象資産の国・地域、時間軸等を考慮した価格設定を行っており、2050年までの期間にわたり、2°Cシナリオ相当は先進国は約200米ドル/トン、その他地域は約50~160米ドル/トン、1.5°Cシナリオは先進国は約250米ドル/トン、その他地域はおおむね50~200米ドル/トンの価格を適用しています。
その他環境指標・目標
中期経営計画2029においては、注力領域の一つとして「Global Energy Transformation 2.0」を掲げています。クリーンテックを含む、脱炭素社会の実現に資する事業への投資を中心に、約6,900億円の投下資本の増加を計画しています(2026年5月時点)。
ステークホルダーとの協働
当社は、責任あるグローバル企業として国際的なフレームワークに基づいた取組みや日本の業界団体を通じた幅広いパートナーシップを通じて、気候変動への取組みを推進・拡大させています。国際的な取組みにおいては、当社は2004年に国連グローバル・コンパクトに署名の上、支持を宣言しており、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンのヒューマンライツデューデリジェンス分科会ほかに参加しています。また、パリ協定の遵守や日本含めた各国政府により決定された中長期的なGHG削減貢献(NDCs)に寄与すべく、省エネ法等の環境関連法規を遵守するとともに、GXフューチャー・リーグ等の政府主導の政策立案・制度設計に積極的に関与しています。各イニシアティブへの参画においては当社の気候変動に対する基本方針・取組みと合致しているか確認の上、参画を決定し、ステークホルダーに対し適切に情報開示していきます。
TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures、気候関連財務情報開示タスクフォース)
CDP(Climate Change)
Maersk Mc-Kinney Moller Center for Zero Carbon Shipping
International Iron Metallics Association
ASI(Aluminium Stewardship Initiative)
The Copper Mark
電池サプライチェーン協議会(Battery Association for Supply Chain; BASC)
日本経済団体連合会
日本貿易会
GX フューチャー・コンソーシアム/GX フューチャー・リーグ
一般社団法人 水素バリューチェーン推進協議会
FSC®(Forest Stewardship Council®、森林管理協議会)
SGEC/PEFC
一般社団法人 カーボンリサイクルファンド
一般社団法人 エネルギー総合工学研究所 ACC技術研究会
クリーン燃料アンモニア協会
The Oil & Gas Decarbonization Charter (OGDC)
Carbon Measures Association (CMA)
日本CDR協議会
Coalition for LNG Emission Abatement toward Net-zero (CLEAN)
取組み
当社では、中期経営計画や環境方針に気候変動への対応を掲げ、経済の発展と気候変動への対応の両立を目指し、当社が関与するバリューチェーンの中でサプライヤーをはじめとする取引先と環境負荷への低減に向け対話し、取組みを進めています。また、再生可能エネルギー事業、モーダルシフト推進事業の他、CO2の排出抑制に寄与する事業や、エネルギー消費の効率改善につながるさまざまな事業の拡大及び技術の普及に取り組んでいます。
国内すべての事業所で使用するエネルギーの実質CO2フリー化(J-クレジット活用)
当社は、本店及び国内のすべての支社・支店と研修所を含む事業所におけるエネルギー利用に伴うCO2排出量に対して、当社が出資する甲南ユーテイリテイ株式会社が創出したカーボンクレジット(J-クレジット)を適用してオフセットしています。
再生可能エネルギー
- デジタル・電力ソリューション本部
発電事業として、持分発電容量における石炭火力の比率は段階的に引き下げ、水力を含む再生可能エネルギー比率を2030年までに30%に引き上げる方針です。2026年3月末現在、当社持分発電容量は9.43GWで、そのうち水力を含む再生可能エネルギー比率は34%を占めています。
発電事業一覧
※下記表は横にスクロールしてご覧ください。
(2026年3月末現在)
| 燃料・種別 | 持分(MW)* | 比率 | 目標 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| ガス | 5,189 |
55% |
70%未満 | ||
| 石炭 | 762 |
8% |
|||
| 石油 | 252 |
3% |
|||
| 再生可能エネルギー | 3,222 |
34% |
30%以上 | ||
| 内訳 | 太陽光 | 1,165 |
|
||
| 水力 | 816 | ||||
| 風力 | 1,222 | ||||
| 太陽熱 | 15 | ||||
| バイオマス | 2 | ||||
| 地熱 | 2 | ||||
| 合計 | 9,425 |
100% |
100% | ||
*建設中含む
詳細はリンク先をご参照ください。
発電事業一覧(再生可能エネルギー事業、ガス火力発電事業、石炭火力発電事業、石油火力発電事業)2026年3月末現在(PDF 299KB)
インド大型再生可能エネルギー事業への出資参画
- デジタル・電力ソリューション本部
当社は、100%子会社ミットパワーインディアを通じ、インド再生可能エネルギー事業者最大手ReNewが推進する大型再生可能エネルギー事業の開発に参画しています。本事業は、インド国内に3件の風力発電所及び1件の太陽光発電所(蓄電システムを併設)を新設(総出力1GW超)し、インド新・再生エネルギー省傘下のインド太陽エネルギー公社 Solar Energy Corporation of India Limitedとの25年間の長期売電契約に基づき再生可能エネルギー由来の電力を安定的に供給しています。従来の再生可能エネルギー案件は、風況あるいは日照量により発電量が変動し、安定的な電力供給が難しいのが課題でした。本事業は、蓄電技術を含めた複数の再生可能エネルギー発電所から24時間安定的に電力供給を行うインド初のRound-the-Clock(ラウンド・ザ・クロック)スキーム型事業となります。当社は、これまで国内外で培ってきた発電事業の知見を活用し、本事業の円滑な事業運営に貢献しています。
インドは現時点で世界第3位の温室効果ガス(GHG)排出国ですが、インド政府は2070年までにGHG排出量ネットゼロを達成し、非化石燃料による発電容量を2030年までに500GWに引き上げる目標を掲げています。再生可能エネルギー100%の電力を安定して供給することが可能となるRound-the-Clockスキームの推進は、こうしたインド政府の方針に合致するものであり、現在インド総発電設備容量の40%超を占める石炭火力発電所を将来的に置き換える役割を果たすことが期待されます。人口やGDPの継続的な成長が見込まれるインドにおいて再生可能エネルギーは今後も拡大が期待される事業分野です。当社は本事業を通じて、インドの電力不足解消と脱炭素化の推進に貢献していきます。
次世代燃料
低炭素アンモニア
複数産業で横断的に取り組む当社の強みを活かしたバリューチェーンの構築に取り組んでいきます。
低炭素アンモニア生産事業(アラブ首長国連邦)
- 総合エネルギーソリューション本部
- ベーシックマテリアルズ本部
当社は、アブダビ国営石油会社(以下、ADNOC)が出資するTA'ZIZ(タジーズ)と尿素・アンモニアの製造・輸出事業を行うFertiglobe(ファーティグローブ)、韓国でエネルギー関連事業を行うGSエナジーと共にUAEで推進するアンモニア製造プラントの建設を開始しました。アラブ首長国連邦ルワイス工業地域内に開発進めるタジーズ開発地区にアンモニア製造プラントを建設し、従来の製造工程よりもCO2(二酸化炭素)排出量の少ないアンモニアを年間100万トン製造する計画です。また、追加設備を導入し製造過程で排出されるCO2の回収・貯蔵を通じてCO2排出量を削減する低炭素アンモニアの製造を目指しています。
アンモニアは、燃焼時に二酸化炭素を排出しないゼロエミッション燃料や水素の輸送手段として注目されています。製造されるアンモニアを一定量引取り、日本をはじめアジア地域を中心に供給し、燃料用途に加え化学品・肥料原料用途や、その他産業を含む社会全体の脱炭素化に寄与していきます。
当社は、1970年代からアラブ首長国連邦にてADNOCと共に、液化天然ガス(LNG)事業を開発・運営しています。また、アンモニア事業においても約50年にわたる取扱実績があり、日本への輸入においてはトップシェアを誇ります。既存事業で培った産業横断的な知見やパートナーシップを融合し、各国・地域における脱炭素化ニーズにこたえながら、低炭素アンモニアサプライチェーンの構築を推進します。
低炭素アンモニア生産プロジェクト(米国)
- ベーシックマテリアルズ本部
- 総合エネルギーソリューション本部
当社は、米国CF Industries Holdings, Inc.(以下、CF Industries)と株式会社JERA(以下、JERA)と共に、米国における低炭素アンモニア製造事業Blue Pointに出資参画する最終投資決断を行いました。米国ルイジアナ州にて、世界最大のアンモニア製造者であるCF Industriesと本邦最大の発電事業者であるJERAと共同で、世界最大規模となる年間生産能力約140万トンの低炭素アンモニア製造工場を建設します。
製造した低炭素アンモニアは各株主が引取り、当社は欧州やアジア等に向け販売する見込みです。本事業は年間最大230万トンのCO2を回収・貯蔵することで、製造工程におけるCO2排出量の95%以上を削減する予定です。
中期経営計画2029における攻め筋の一つであるGlobal Energy Transformation 2.0の重点領域として、従来の肥料・化学品原料用途に加え、次世代燃料として注目されている低炭素アンモニアの製造・販売を通じ、多様な産業の低炭素化に貢献していきます。
バイオ燃料
ポルトガルにおける再生可能ディーゼル及びSAF製造事業
- 総合エネルギーソリューション本部
当社は、ポルトガル最大のエネルギー会社であるGalp SGPS(以下、Galp)と、再生可能ディーゼル(Hydrotreated-Vegetable Oil、以下、HVO)及び持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel、以下、SAF)の製造事業を、Galpが保有するポルトガルのシネシュ製油所において共同で推進しています。
欧州では脱炭素を目的とするエネルギー転換の流れの中で、輸送用燃料分野におけるバイオ燃料の導入政策が強力に進められています。今回の事業において、使用済み食用油や動植物油脂を原料として製造されるHVOは、バスやトラック等、内燃機関車向けのディーゼル代替のバイオ燃料として、またSAFは航空機向けのジェット燃料代替のバイオ燃料として導入可能です。
当社は、次世代燃料事業のポートフォリオ構築の一環として、製造事業へ出資するとともに、バリューチェーン全体での機能発揮を目指し、主にアジアからの原料調達や需給ギャップを抱える欧州域内での製品販売先の開拓を担います。本事業への参画を通じ、産業横断的な取組みにより、気候変動対応という複雑な課題の解決に貢献していきます。
水素関連
- 総合エネルギーソリューション本部

水素は、利用時に温室効果ガス(GHG)や環境有害物質を排出せず、環境負荷のないクリーン燃料として世界中で注目されています。当社においては、エネルギーソリューション本部を核とし、各事業セグメントが持つネットワーク・知見を活用し、社内横断的な協業により総合力を発揮した水素事業に取り組んでいます。当社は、水素事業をNet-zero emissionsを達成するために有効なアプローチの一つと捉え、ステークホルダーと共に必要な社会基盤づくりを進め、収益力のある事業創出に向け尽力していきます。
西豪州におけるグリーン水素製造事業
- 総合エネルギーソリューション本部
再生可能エネルギーから生成するグリーン水素は、製造及び燃焼時にCO2を排出しないことから、脱炭素社会の実現に向けてさまざまな産業分野において活用が期待されています。
当社は、西豪州ピルバラ地域でグリーン水素製造事業に参画しています。本事業は、フランス電力大手Engieと当社の合弁会社が西豪州ピルバラ地域にて、太陽光由来の電力を用いて水を電気分解してグリーン水素を製造し、大手窒素系肥料メーカーであるYara Internationalの100%子会社であるYara Pilbara Fertilisers(ヤラ・ピルバラ・ファ―ティライザー、以下、YPF)が保有するアンモニア製造設備向けに供給するものです。太陽光パネル(18MW)及び水素製造装置(10MW)を設置し、製造したグリーン水素をYPFへ供給、YPFはクリーンアンモニアの原料として利用します。
欧州におけるグリーン水素製造事業
- パフォーマンスマテリアルズ本部
当社は、2022年4月にグリーン水素を製造するフランスLhyfe、同年8月にノルウェーNorwegian Hydrogen(以下、NH)に出資参画しました。Lhyfeは2017年に設立、2021年に風力発電由来第一号商業プラントの商業運転を開始しています。同社はモビリティ向け及び産業向けに、2.3GW(ギガワット)のグリーン水素製造案件候補を有しており、確実な立ち上げ、稼働を目指しています。NHは2020年に設立、北欧を中心にグリーン水素製造プロジェクトを有しており、2024年よりノルウェーにて初案件が開始しております。当社は、地産地消モデルでグリーン水素製造に取り組むLhyfeやNHへの参画を通じ、既存の水素関連事業との相乗効果や新たな顧客開拓により、同社の企業価値向上につなげます。また、欧州水素収益基盤を確立し、欧州グリーン水素の発展による社会のGHG排出量削減加速に貢献していきます。
モビリティ向け脱炭素ソリューション事業
- パフォーマンスマテリアルズ本部
世界最大の炭素繊維強化プラスチック製高圧ガス(圧縮天然ガス等)容器メーカーであるヘキサゴンコンポジット(Hexagon Composites)に2016年から出資参画し、同社との協業に取り組んできました。また、同関係会社の一社で、圧縮水素タンク製造、及びタンクを用いた水素供給システム設計や商用車のインテグレーションにノウハウを持つ、燃料電池自動車(FCEV)の車載燃料用や水素の陸上輸送用等に使用される圧縮水素タンク、システム及びバッテリーシステム、車両インテグレーション事業者であるヘキサゴンプルス(Hexagon Purus、以下Purus社)にも参画し、欧州、米国等世界各地におけるトラック、バス等商用車のFCEVの採用、また地産地消型の水素輸送需要の拡大に向け協業を広げています。特にPurus社の事業の一つである、水素輸送用のコンテナやトレーラーの需要が顕在化しており、今後も将来の欧州水素需要の高まりによる売上増加を期待しています。
当社は、今後期待される奨励策や規制等に伴う水素需要の拡大に向け、Purus社の持続的成長を支えます。また戦略提携を通じ三井物産の事業・顧客基盤との連携によるモビリティの電化における新規事業機会を創出し、企業価値の向上につなげつつ、商用車に加え、船舶、鉄道、航空機等のモビリティのゼロエミッション化の実現に貢献します。
eメタノール
デンマークにおけるeメタノール製造・販売事業
- ベーシックマテリアルズ本部
- 総合エネルギーソリューション本部
当社がデンマーク/European Energy A/Sと共同事業推進中のSolar Park Kasso ApSのeメタノール工場にてeメタノールを生産しています。eメタノールとは、再エネ由来水素とCO2を原料として合成されたメタノールのことで、環境負荷を大幅に軽減できる次世代の合成燃料として注目されています。世界初の商業規模工場にて製造されたeメタノールの世界初の補油として、2025年5月にA.P. Moller - Maersk社の運航するLaura Maerskへ同eメタノールを次世代舶用燃料として供給しました。
当社は同事業会社を通じて舶用燃料の低炭素化に加え、同eメタノールをthe LEGO GroupやNovo Nordiskへ供給することで、プラスチック原料の低炭素化にも貢献していきます。
電源開発・エネルギーマネジメント
分散型太陽光事業
- デジタル・電力ソリューション本部
当社は、2017年に米国クリーンエネルギー市場の中心地であるカリフォルニアに100%子会社Forefront Powerを設立し、現在に至るまで学校等の公的機関や商工業顧客を中心に、全米及びメキシコで分散電源太陽光発電事業を含むクリーンエネルギーサービス事業を展開しています。需要家敷地に太陽光発電設備を設置し当該需要家に売電する「オンサイトソーラー」、及び遠隔地に発電設備を設置し複数需要家に売電する「コミュニティソーラー」を主力事業として取り組む他、蓄電システムやEV充電設備、GHG削減やエネルギー調達最適化を支援するアドバイザリー事業、エネルギーマネジメントサービス等も提供し、顧客の多様なエネルギー・サステナビリティニーズに応える形で商品・事業を拡大しています。
天然ガス火力発電
- グローバルLNG本部
- デジタル・電力ソリューション本部
持分法適用会社・福島ガス発電株式会社の福島天然ガス発電所は同県相馬郡に2基の天然ガス火力発電設備を保有しており、その発電容量は118万KW(59万KW×2基)です。発電設備はガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた、発電効率の高いガスタービン・コンバインドサイクル方式を採用しており、石炭火力並びにガスタービンのみの発電による火力発電方式と比較してGHGの排出量を削減することが可能です。
本事業は、福島県がイノベーション・コースト構想で目指している「環境負荷の低いエネルギーの導入」や「新たなまちづくり」等に沿うものです。当社は本事業の推進を通じ、震災からの復興を目指す福島県浜通り地域の経済の活性化に寄与すると共に、今後も社会の発展に不可欠な資源の持続可能な安定供給と、環境と調和した社会づくりに取り組んでいきます。
EV(Electric Vehicles)
- モビリティ第一本部
- デジタル・電力ソリューション本部
当社が新たな成長分野と定めるモビリティ分野の中でも、「電動(EV)化」は、成長が見込める分野です。当社は、EV化が加速している欧州でインフラを含め総合的にEV化を支援するビジネスモデルを構築し、他地域でも展開していきます。
当社は、これまで出資したEVメーカーCaetanoBus、EV・バッテリーのオペレーティングリース会社 NEoT Capital、EV用電池を利用したエネルギーマネジメント会社The Mobility House等を有機的に結びつけ、包括的なソリューションを提供する新たなビジネスモデルの構築を目指しています。例えば、ある街で路線バスのEV化が検討された場合、当社は街のEV化を加速させる役割を担いたいと考えています。具体的には、EVバスの供給、電池リース機能提供、エネルギーマネジメントを含めた包括的なサービスを提案することです。さらに、将来的には使用済み電池の再利用・再リースに関わるビジネスも視野に入れています。当社はこれらの取組みを、まずは欧米において開始し、そこからアジアへと広げていきます。
ZEV(Zero Emission Vehicle)事業
- モビリティ第一本部
当社が出資するポルトガルのCaetanoBus(以下、カエタノバス)は、2010年よりEVバスの開発に取り組んでおり、空港内乗客輸送のEVランプバス、欧州域内を中心にEV路線バス及びFC(燃料電池)路線バスを順次市場に導入し、脱炭素社会の実現に向けたオペレーションに合った最適なソリューションの提供を行っています。
また、当社はインドにおいて、2023年にEKA(エカ)のブランドで電動バス・電動小型商用車製造販売事業を展開しているPinnacle Mobility Solutions Private Limited(以下、Pinnacle Mobility)、River(リバー)のブランドで電動二輪車製造販売事業を展開しているWorld of River Limitedへ出資しています。Pinnacle Mobilityは、2024年より商用生産・販売を本格化し、2025年から2026年にかけて、国内各都市向けを中心に電動バス累計1万台を超える受注を確保、また海外展開も実現する等、製造・販売両面で着実に成長を遂げています。River社は、ヤマハ発動機株式会社のインド市場向け商品として、River社の市販車をベースに新たに開発した電動スクーターを生産しています。同電動スクーターは2026年よりインドの都市部を中心に販売されており、アクティブな日常をStylish&Coolに乗りこなせそうなデザインが特徴です。両社とともに、今後成長が見込まれるインドのEV需要創出に挑戦し、深刻なインドの大気汚染問題解決に貢献していきます。
また当社は、2025年にカナダにおいてコンドミニアム向けEVシェアリングサービスを展開するKite Mobility Inc.(以下、Kite)へ出資しています。Kiteは、集合住宅の駐車場にEVを配置し、居住者が必要に応じて利用できるサービスを提供しており、都市部における駐車場不足の緩和や新たな移動手段の創出を通じて、環境負荷の低減と利便性向上の両立に貢献しています。
当社はモビリティ電動化及び脱炭素化を一層推進し、環境と調和した社会づくりに貢献していきます。

バイオディーゼル燃料ソリューション機器製造販売事業
- モビリティ第一本部
当社は、バイオディーゼル燃料(以下、BDF)100%で、内燃機関車両の走行を可能にする機器を製造・販売する米国企業Optimus Technologies(以下、Optimus社)に出資しました。BDFは軽油に代わる再生可能燃料として、脱炭素化に向けて活用が期待されていますが、高濃度で使用すると車両に不具合が生じるリスクが高まるため、従来は軽油にBDFを5-20%程度混合しての使用に留まり、脱炭素の効果は限定的でした。同社製品を用いてBDFを100%の濃度で使用することが可能となり、CO2排出の大幅な削減に寄与する他、寒冷地でも活用できること、車両の改造等を伴わずに軽油の走行へ切り替えも可能である点で、バッテリー式電気自動車トラックや水素燃料電池トラックにはない優位性を保有しています。また、Optimus社は、テレマティクス車両管理サポート提供、CO2削減レポートの発行、BDF供給ステーションのリース等、顧客がスムーズに脱炭素を実現するための総合的ソリューションを提供しており、当社は、同社製品・技術の導入を推進します。
産業オペレーション・オートメーション
- コーポレートディベロップメント本部
当社持分法適用会社であるプラスオートメーション株式会社(以下、+A)は、当社ネットワークを活用したロボット調達力や物流子会社の知見、JA三井リースグループのファイナンス、日本GLPグループのカスタマーネットワーク、株式会社豊田自動織機のエンジニアリングノウハウを活用し、消費者ニーズ多様化による業務の複雑化や人手不足といった物流倉庫現場の課題解決に取り組む物流ロボットサービス会社です。2026年5月現在、累計ロボット導入台数が7,400台を超える等サービス展開を加速、さらには、ロボットをはじめ、多様な物流機器やシステムの連携を可能とする独自開発システム「+Hub」の提供により、付加価値向上を図っています。
自宅にいながら欲しいモノがあたりまえのように届く時代において、サステナブルな物流サービスの構築は不可欠です。+Aは、現場に寄り添ったオペレーショナルデザイン、システム開発、活用支援を標準化・仕組み化しサブスクリプション型サービス「RaaS(Robotics as a Service)」を普及させることで、物流産業全体の高度化を実現しつつ、物流の最前線で働く人々にやりがいや喜びももたらしていきます。
エア・クオリティ
CCS事業への参画
- グローバルLNG本部
- 総合エネルギーソリューション本部
当社は自社保有資産のCO2削減に加えて、次世代E&Pビジネスの中核事業としてCCS as a Service(CCSaaS)事業の立上げ・推進に注力中です。当社の強みである石油・ガス上流事業の知見と広範なビジネスネットワークを活用できるCCS/CCSaaS事業をエネルギーソリューション領域の一つと位置づけており、欧州等先行するCO2の分離回収・貯留に係る事業開発の経験を梃子に、グローバルにCCS事業の立上げを進めています。
日本を含むアジア大洋州においては、関西電力株式会社、九州電力株式会社、コスモ石油株式会社、中国電力株式会社、電源開発株式会社、クラサスケミカル株式会社、UBE三菱セメント株式会社と共同で、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の令和7年度「先進的CCS事業に係る設計作業等」に関する公募で、マレー半島沖南部CCS事業に係る業務を受託しました。マレーシアでは同国石油会社であるPETRONAS(ペトロナス)及びフランスTotalEnergiesと共にCO2貯留サイトの共同開発に関する契約を締結しました。マレー半島沖合で埋蔵量が減退するガス田及びその周辺地域の地下構造を対象に、CO2地下貯留に関する技術的な評価をもとにした開発計画の策定に加え、液化CO2船による輸送や港湾設備の設計等を含むロジスティクスの最適化に取り組んでいます。
タイでは当社連結子会社のモエコタイランドを通じ、タイの石油ガス会社PTT Exploration and Production(PTTEP)が推進するタイ湾沖合Arthit(アーチット)ガス田におけるCCS事業に、4.7619%の権益比率にて参画しました。同事業はタイ初のCCS案件です。
デンマークにおいても、TotalEnergies、Nordsøfonden(デンマークの地下資源開発企業)と共に北海におけるCO2貯留候補地を落札し、CO2貯留のための探査許可を取得しています。
また、2024年後半に最終投資決断を実行したインドネシア共和国 タングーLNG拡張開発プロジェクトは本邦を含めたアジア諸国に対するエネルギーの安定供給へ寄与することに加え、同国初の大規模CCUS(Carbon capture, utilization and storage)を備えたLNG事業でもあり、持続可能な形で脱炭素社会への移行に寄与する取組みです。
さらに、キャメロンLNGプロジェクトパートナーである米国Sempra Infrastructure、フランスTotalEnergies、及び三菱商事株式会社と共に、米国ルイジアナ州におけるCCSの事業化を目指し、Hackberry Carbon Sequestration,を実施主体とする共同調査に取り組んでいます。本プロジェクトは、主にキャメロンLNGプロジェクトから排出されるCO2を、同プロジェクト近接地に地中貯留するもので、LNG製造時に排出される温室効果ガスの削減に貢献します。また、本調査では、周辺の地域産業から排出されるCO2の受入れ、地中貯留の可能性も検討します。なお、CCS事業予定地におけるCO2圧入井掘削、及び年間200万トンのCO2貯留については、必要なClass VI許認可を、米国環境保護庁(EPA)の制度に基づき、ルイジアナ州エネルギー・天然資源局(LDENR)より、2025年9月に取得済みです。
引き続き、当社はCCSによる各企業から排出されるCO2の削減及び低炭素LNGの供給に貢献していきます。
CCU–米国でのCO2を有効活用したメタノールの製造
- ベーシックマテリアルズ本部
100%子会社MMTXを通じて出資する持分法適用会社のFairway Methanolにおいて、周辺事業者から排出される産業由来の二酸化炭素(CO2)を原料としたメタノールを製造しています。最大で年間18万トンのCO2を有効利用してメタノールの生産能力を年間13万トン増産し、これにより、メタノール年間製造能力は163万トンとなりました。本メタノールの増産は、CO2を回収・有効利用するCCU(Carbon Capture and Utilization)の取組みの一つで、CO2を資源と捉え素材や燃料に再利用することで、大気中への排出を抑制するカーボンリサイクルを実現するものです。これにより、三井物産はFairway Methanolでのバイオメタノール(マスバランス方式)やデンマークSolar Park Kassoでのe-メタノールと共に低炭素メタノールの製品ポートフォリオを拡充します。
グリーンビルディング
当社は、低環境負荷物件への投資と、保有物件の運用における環境・省エネルギー対策等を通じたエネルギー利用の効率化に取り組み、低環境負荷ポートフォリオの構築を目指しています。
Otemachi One(三井物産ビル及び Otemachi One タワー)
当社が保有するオフィスビルOtemachi One(三井物産ビル及び Otemachi One タワー)は、環境・社会への配慮がなされた不動産を評価する認証制度であるDBJ Green Building 認証のうち、「国内トップクラスの卓越した『環境・社会への配慮』がなされた建物」として認証が付与されています。
日本ロジスティクスファンド投資法人
- コーポレートディベロップメント本部
当社子会社の三井物産ロジスティクス・パートナーズ株式会社が運用する上場REIT・日本ロジスティクスファンド投資法人(以下、日本ロジ)は、55物件の物流施設を保有・運用しています(2026年3月末日時点)。
日本ロジでは物流施設の運用において、サステナビリティに関する取組みを積極的に推進しています。その活動に対する客観的な評価や認証を得ることで日本ロジのサステナビリティの取組みの立ち位置や課題を把握し取組みを一層深化させていけると考えており、グリーンビルディング認証の取得や第三者評価の評価向上に努めています。
外部認証等の取得
GRESBリアルエステイト評価
不動産会社・ファンドの環境・社会・ガバナンス(ESG)への配慮を測る年次のベンチマーク評価GRESBリアルエステイト評価において、日本ロジは2025年、最高位の「5スター」評価を取得しました。また、サステナビリティ推進のための方針や組織体制等を評価する「マネジメント・コンポーネント」と保有物件での環境パフォーマンスやテナントとの取組み等を評価する「パフォーマンス・コンポーネント」の双方において優れた参加者であることを示す「グリーンスター」の評価を8年連続で獲得しました。
SBT(Science-Based Targets)for SME認定
日本ロジはSCOPE1+2の温室効果ガス排出量削減目標を2030年度までに2021年度比42%削減、2050年度までにネットゼロを達成する目標を策定しています。これらのうち、2030年度までの温室効果ガス排出量の削減目標が、パリ協定に準じて「世界の気温上昇を産業革命前より2°Cを十分に下回る水準に抑え、また1.5°Cに抑えることを目指す」ための科学的な根拠に基づくものであるとして、国際機関SBTイニシアティブによる「SBT(Science-Based Targets)for SME」認定を2022年に取得しています。
グリーンファイナンス・フレームワーク評価
グリーンファイナンスによる資金調達を通じ、サステナビリティに関する取組みをより一層推進するとともに、ESG投資に関心を持つ投資家層の拡大を通じた資金調達基盤の強化を目指し、グリーンファイナンス・フレームワークを策定しています。なお、本グリーンファイナンス・フレームワークに対する第三者評価として、株式会社日本格付研究所(以下、JCR)より、「JCRグリーンファイナンス・フレームワーク評価」の最上位評価である「Green1(F)」の評価を取得しています。
グリーンビルディング認証取得
日本ロジは、低環境負荷物件への投資と、保有物件の運用における環境・省エネルギー対策等を通じたエネルギー利用の効率化に取り組み、低環境負荷ポートフォリオの構築を目指しています。また、日本ロジ自ら保有物件の再開発(OBR)を行う際には、再開発後にグリーンビルディング認証を取得する方針です。
グリーンビルディング認証取得割合(2025年8月末時点)
※下記表は横にスクロールしてご覧ください。
| 認証種別 | 物件数 | 賃貸可能面積 (m2) |
ポートフォリオ 面積割合 |
|---|---|---|---|
| CASBEE不動産評価認証*1 |
50 |
1,494,497.34 |
98.2% |
| BELS認証*2 |
25 |
716,850.89 |
47.1% |
| グリーンビルディング認証取得割合 |
51 |
1,505,152.80 |
98.9% |
複数の認証を取得している物件があるため各認証種別の数値を合計しても「グリーンビルディング認証取得割合」の数値とは一致しません。
*1 CASBEEは、国土交通省の主導のもと、日本で開発・普及が進められている建築物の総合的な環境性能を評価するシステムです。CASBEE不動産評価認証は CASBEE-不動産で評価された建築物について、その評価内容を審査し、的確であることを第三者機関が認証する制度で、評価は4段階(S ランク:★★★★★~B ランク:★★)で表示されます。
*2 BELS認証は、建築物の省エネルギー性能を表示する第三者認証制度です。2016年4月より、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)において、不動産事業者等は建築物の省エネ性能を表示するように努めることが求められています。具体的な表示方法は、建築物の省エネ性能表示のガイドラインに定められており、BELS認証は同ガイドラインに基づいて評価され、その評価は5段階(★~★★★★★)、2024年4月以降は7段階(レベル0~6)で表示されます。ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)とは、快適な室内環境を保ちながら、高断熱化・日射遮蔽、自然エネルギー利用、効率の高い設備により、できる限りの省エネルギーに努め、太陽光発電等によりエネルギーを創ることで、年間で消費する建築物のエネルギー量が大幅に削減され、エネルギー収支ゼロを目指した建築物です。BELS認証の評価制度において、その評価はZEB、Nearly ZEB、ZEB Ready、ZEB Orientedの4段階で表示されます。
投資法人みらい
- コーポレートディベロップメント本部
上場REIT・投資法人みらいの資産運用会社である当社関連会社の三井物産・イデラパートナーズ株式会社は、サステナビリティ基本方針に基づき、継続的なリアルエステイト評価への参加やグリーンファイナンス等のサステナビリティに関する施策を推進しています。
外部認証の取得
GRESBリアルエステイト評価
上場REIT・投資法人みらいは2025年に実施されたGRESBリアルエステイト評価において、総合スコアの相対評価によるGRESBレーティングで「3スター」の評価を、また、サステナビリティの推進方針や組織体制を評価する「マネジメント・コンポーネント」と保有物件での環境パフォーマンスやテナントとの取組みを評価する「パフォーマンス・コンポーネント」の双方において優れた参加者であることを示す「グリーンスター」の評価を、サステナビリティ情報開示の充実度を測るGRESB開示評価においても「Aレベル」の評価を取得しました。
環境認証の取得割合
ポートフォリオにおける環境認証の取得率は以下。
(2026年4月30日時点)
| 延床面積ベース |
|---|
| 74.2% |
投資法人みらいは、DBJ Green Building 認証を10物件、CASBEE不動産評価認証を6物件、また、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)認証を1物件で取得しています。
森林吸収源・排出権ビジネス
- 総合エネルギーソリューション本部
農場の植生回復を通じたカーボンクレジットの創出・販売事業
当社は、オーストラリアにて自然由来のカーボンクレジットを創出する大手事業者のClimate Friendlyに出資参画しています。
同社はオーストラリアの農場における植生回復に加え、植林や、農牧地における土壌への炭素貯留など、多様なアプローチにより大気中のGHGを吸収・固定化する「カーボンファーミング」事業を展開しています。現地の農家や土地所有者と協業し、質の高いカーボンクレジットを創出・販売することで、国や企業のGHG削減目標達成に寄与しています。また本事業はGHGの削減にとどまらず、生物多様性の回復や土壌環境の改善といった自然環境への副次的効果(コベネフィット)も生み出します。当社は同社との協業を通じ、自然を活用した気候変動対策を推進し、地域環境の保全とグローバルな脱炭素社会の実現に貢献していきます。
適切な森林管理を通した森林由来J-クレジットの創出・活用事業
当社は気候変動の産業的解決を目指す取組みの一環として、国内における適切な森林管理によるJ-クレジット(森林J-クレジット)創出・販売事業に取り組んでいます。航空測量や衛星データの活用による大規模な森林J-クレジット創出を可能とすべく2019年より関係機関に制度改定への働きかけを実施し、当社社有林を皮切りに、事業化に着手しました。現在では複数の林業公社・地方自治体との共同創出事業を推進し、2023年より順次クレジット認証・発行の上、販売活動を開始しています。省エネ機器や再エネ導入等自社でのGHG削減努力の結果どうしても削減できない排出量に対するオフセットニーズを満たしカーボンニュートラル目標を達成する手段として、GHG排出企業に対して本J-クレジットを提供するだけではなく、本J-クレジット収益を適切な森林管理に活用することで、地域の森林資源の保護による森林の多面的価値向上、林業経営の活性化による森林経営課題の解決や地域経済活性化に資することを目指して、今後も積極的にクレジットの創出・販売活動に取り組みます。
資金調達
サステナビリティ・リンク・ローンの活用
当社は、持続可能な社会の実現に向けた取組みの一環として、サステナビリティ・リンク・ローン(SLL)を活用しています。本ローンには、気候変動対応に関連する主要なKPIを設定しており、これらの目標の達成状況に応じて融資条件が良化する仕組みとなっています。このようなファイナンス手法を通じて、環境課題への対応を企業経営に組み込み、持続可能性と企業価値の向上を両立させることを目指しています。



