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サステナビリティ経営

サステナビリティへの考え方・推進体制

方針・基本的な考え方


三井物産のサステナビリティへの考え方は、従来から受け継がれてきたものであり、2020年5月に改定した経営理念(Mission、Vision、Values)にも明確に示しています。当社は「世界中の未来をつくる」を企業使命に、大切な地球と人びとの豊かで夢あふれる明日を実現すべく、一人ひとりの「挑戦と創造」で事業を生み育て、社会課題を解決し、成長を続ける企業グループを目指します。

これらを達成するため、グループ全体で共有したい価値観を明確にし、これらを具現化するためにグループ社員一人ひとりに日々の業務で実践してほしい行動を三井物産グループ行動指針—With Integrityとして定めています。この中にはインテグリティやコンプライアンスだけでなく、人権尊重、環境保全、社会貢献、ステークホルダーとの信頼構築といったサステナビリティの重要テーマに対する基本的な姿勢も含んでいます。さらには、環境、人権、サプライチェーンに関しては、個別の方針にて企業としての取り組み姿勢を具体的に示しています。

また、当社は、「世界中の未来をつくる」という企業使命を実現する上で、ステークホルダーにとって重要であると同時に、当社にとって経営インパクトの大きい課題として5つのマテリアリティを特定しています。これらは社会と共に当社が持続的に成長を遂げるために、中長期的にリスクまたは機会となる重要事項であり、中期経営計画・事業計画等、当社の事業方針・戦略を策定する上で基軸となるものです。

中期経営計画2023においては、「変革と成長」を実現するための6つのCorporate Strategyの一つとして、「サステナビリティ経営/ESGの進化」を掲げています。一層のサステナビリティ経営の実践に向けて、気候変動、サーキュラーエコノミー、ビジネスと人権を重点課題として特定し、ガバナンスの強化にも引き続き取り組みます。

これらの経営理念をはじめとした方針や指針等にのっとり、当社はこれからもステークホルダーの信頼と期待に真摯にそして誠実に応え、グローバルに持続可能な経済と社会の発展と、地球規模の課題の解決の双方に、幅広い事業活動を通じて貢献していきます。

各種コンセプトの相関図

各種コンセプトの相関図

経営理念(Mission、Vision、Values)

三井物産グループ行動指針 —With Integrity

マテリアリティ

中期経営計画

サステナビリティ関連方針


「中期経営計画2023–変革と成長–」を実現するための6つのCorporate Strategy
  1. 事業経営力強化
  2. 財務戦略・ポートフォリオ経営の進化
  3. 人材戦略
  4. Strategic Focus(エネルギーソリューション、ヘルスケア・ニュートリション、マーケット・アジア)
  5. 基盤事業の収益力強化と新事業への挑戦
  6. サステナビリティ経営/ESGの進化

三井物産の価値観

1876 年創立の旧三井物産は、第二次世界大戦後間もなく財閥解体により解散し、同社の歴史に幕を下ろしました。その後、現在の三井物産が「挑戦と創造」「自由闊達」「人材主義」といった価値観を共有した元社員たちにより、立ち上げられました。以来、旧三井物産と同様、新たな価値を創造することで社会の発展に貢献し続けています。

旧三井物産初代社長・益田孝の遺した価値観、仕事への姿勢は、私たち三井物産の事業や仕事の進め方、ものの考え方の基本に受け継がれています。そこには、当社の社会的責任としてのサステナビリティに対する考え方が明確に織り込まれており、その考え方は今も全く変わりません。

*:法的には、旧三井物産と現在の三井物産には継続性はなく、それぞれ全く別個の企業体です。

「眼前の利に迷い、永遠の利を忘れるごときことなく、遠大な希望を抱かれることを望む。」
「 三井物産会社を設立したのは、大いに貿易をやろうというのが眼目であった。金が 欲しいのではない、仕事がしたいと思ったのだ。」
「三井には人間が養成してある。これが三井の宝である。」

旧三井物産初代社長 益田 孝

体制・システム


当社は、2005年3月期に経営会議の下部組織として「CSR推進委員会(現サステナビリティ委員会)」を設置し、サステナビリティに関する社内体制の構築や、社員への意識啓発に取り組んできました。さらに、2017年5月には、事業活動を通じて社会への新しい価値を創造し、社会と会社相互の持続可能性を追求していくというこれまでの三井物産の変わらぬ姿勢をより明確にしていくために、サステナビリティ委員会を発足しました。サステナビリティ委員会は、経営会議の下部組織として、サステナビリティならびにESG(環境・社会・ガバナンス)に関わる経営の基本方針、事業活動やコーポレートの方針・戦略に関し、企画・立案・提言を行っています。この委員会を軸として、企業の社会的側面における姿勢や活動に対する社会からの期待や要請に応えるべく、横断的に連携してサステナビリティ関連活動を推進しています。

なお、サステナビリティ委員会の活動については、取締役会による監督が適切に図られる体制となっており、サステナビリティ委員会における審議事項は、定期的に経営会議および取締役会に付議・報告されます。2021年3⽉期取締役会において、経営戦略・サステナビリティ・ガバナンス関連が審議・付議報告された件数は全88件のうち28件です。また、取締役会での定例報告に加えて、2021年3月期は「ESGおよび当社マテリアリティを勘案した持続的な収益成長戦略」をテーマに、社外役員も含めた取締役・監査役がフリーディスカッションを行い、活発な議論がなされました。

体制・システム

サステナビリティ委員会

委員長 大間知 慎一郎(代表取締役副社長執行役員 CSO(チーフ・ストラテジー・オフィサー))
副委員長 内田 貴和(代表取締役副社長執行役員CFO(チーフ・フィナンシャル・オフィサー))
竹増 喜明(代表取締役常務執行役員CHRO(チーフ・ヒューマン・リソーシズ・オフィサー)、CCO(チーフ・コンプライアンス・オフィサー))
委員 CSO補佐、サステナビリティ経営推進部長、経営企画部長、人事総務部長、法務部長、事業統括部長、広報部長、財務部長、IR部長

本委員会は、以下に掲げる事項を役割として活動しています。

  1. 当社サステナビリティ経営の基本方針およびサステナビリティ推進活動の基本計画の立案
  2. 当社経営方針、事業活動やコーポレートの方針・戦略に対するサステナビリティ視点での検証・提言
  3. 環境(気候変動、資源循環、環境汚染、生物多様性等)、社会(人権、サプライチェーンマネジメント、社会貢献活動等)およびこれらに関わるガバナンスに関する全社方針・施策の提案
  4. サステナビリティを重視した事業活動への提言(事業におけるリスクと機会の把握)
  5. ステークホルダーへの効果的な情報開示に関する基本方針の審議と策定
  6. 経営に必要な進捗レビュー、モニタリングに関する検討と提案
  7. 当社サステナビリティ経営の社内推進体制の構築および整備
  8. 当社サステナビリティ経営推進活動の年次重点課題の策定と推進
  9. サステナビリティ経営に関わる社内外対応
  10. 三井物産株式会社環境基金の基本方針に定める環境基金に関わる重要事項(基本方針・事業計画等)に関する承認
  11. 三井物産環境基金が募集する助成案件の選定
  12. 社有林管理規程に該当しない例外的な山林の取得もしくは社有林の処分の推進可否に関する答申

サステナビリティ委員会における主な議論内容(2021年3月期)

第1回(2020年4月15日)
  • GHG関連目標設定に関する審議
第2回(2020年6月30日)
  • 人権方針の策定およびサステナビリティ関連方針の見直しに関する審議
  • 2021年3月期 環境基金取り組み方針に関する審議
  • 社有林 CO2吸収・固定量と公益的価値評価に関する報告
  • サステナビリティレポート2020に関する報告
第3回(2020年8月27日)
  • 英国現代奴隷法への対応に関する審議
第4回(2020年10月22日)
  • IEA WORLD ENERGY OUTLOOK2020の要点に関する報告
  • 気候変動シナリオ分析に関する審議
第5回(2020年12月2日)
  • サーキュラーエコノミーに関する審議
  • GHG排出量調査対応方針に関する報告
  • 気候変動PDCAに関する審議
第6回(2020年12月25日)
  • 社会貢献活動意義付けに関する審議
  • 特定事業管理制度見直しに関する審議
  • 2022年3月期 サステナビリティレポート作成方針に関する審議
第7回(2021年2月25日)
  • 社会貢献活動意義付けに関する審議
  • 気候変動対応取り組み状況・方針に関する審議
第8回(2021年3月3日)
  • 人権・サプライチェーン活動に関する報告
  • 2021年3月期活動報告・2022年3月期活動方針に関する報告
  • ESG評価に関する審議およびマテリアリティとSDGs関係整理に関する報告

環境・社会諮問委員会

当社サステナビリティ経営上の重要テーマに関する方針ならびに戦略、関連する事業等について社外専門家の参考意見を聴取することを目的に、サステナビリティ委員会の諮問機関として環境・社会諮問委員会を設置し、気候変動、水・エネルギー等の環境施策、技術動向、人権に関する幅広い知見を有する外部有識者を中心に委員を選定しています。2021年3月期には、サステナビリティ経営上の重要テーマに関して10回の諮問・意見交換が実施されました。

環境・社会諮問委員への主な諮問・意見交換内容と実施回数(2021年3月期)

テーマ 内容 実施回数
対外開示 サステナビリティ情報開示 2
気候変動 気候変動への取り組み 1
サーキュラーエコノミー サーキュラーエコノミー関連事業 1
人権 人権方針策定 1
社会貢献 三井物産環境基金方針 2
社会貢献活動方針 2
社有林 社有林 1

サステナビリティ経営推進部

2019年4月、全社サステナビリティ経営の推進・牽引役としての役目を担い、連結グローバルでの取り組みを加速すべく、サステナビリティ経営推進部を発足させました。同部は、世界のさまざまな国や地域の持続可能な社会と経済の発展と、気候変動をはじめとする地球規模の課題の解決の両立を目指し、連結グローバルベースでのサステナビリティ意識浸透と価値共有を推進しています。

サステナビリティ推進担当

各部署・拠点におけるサステナビリティ経営の実践支援や意識浸透等、現場と一体となった活動の企画・推進を図るため、コーポレートスタッフ部門、事業本部、海外地域本部・地域ブロックおよび国内支社にサステナビリティ推進担当者を配置し、社内ネットワークを構築しています。2021年3月期もサステナビリティ推進担当者会議を四半期に一度開催し、サステナビリティ委員会で議論し策定したサステナビリティ関連の新規取り組み方針や重要事項を共有したほか、コロナ禍でのオンライン会議を活かし国内支社から例年よりも多くの参加者を得て、各所属組織における「サステナビリティ経営推進の進捗・課題」に関するワークショップ形式の意見交換会を実施しました。

取り組み


マテリアリティアクションプラン

当社が特定したマテリアリティに対する具体的な取り組みを組織ごとにマテリアリティアクションプランとして整理し、進捗の管理を行っています。本マテリアリティアクションプランはマテリアリティごとの課題認識や主なリスクと機会を前提として、組織毎の対応方針、目標、取り組み状況といった内容を定めたものであると同時に、当社の事業活動がどのようにSDGsへの貢献に結びついているのかを示し、マテリアリティ毎に関係性が高いSDGsを特定しています。
本マテリアリティアクションプランの定期的な進捗管理を実施することでPDCAサイクルを回し、当社のマテリアリティへの取り組みやSDGs達成に向けた取り組みを推進します。


マテリアリティアクションプラン

サステナビリティ経営の浸透

社員へのアンケート

マテリアリティの達成に向けて社員が一丸となって取り組めるように、「三井物産のマテリアリティに関するアンケート」を全世界の当社役員・社員を対象に、毎年実施しています。2021年3月期は、4,123件の回答がありました。

サステナビリティ月間

当社では6月をサステナビリティ月間と定め、社員向けの複数のプログラムの開催を通じ、社会と会社のサステナビリティの実現に向け、あらためて「社会の課題に対し、何ができるか、何をすべきか」を考え、それを実践に結びつけていく機会を提供しています。2021年3月期は、オンラインで参加できるプログラムとして元サッカー日本代表監督・岡田武史氏講演会、サステナビリティ先進企業のLUSHコミュニケーションマネージャーとのサステナビリティ座談会、家庭で美味しく・楽しくフードロスを実践するための講座・食の学び舎foodskole(フードスコーレ)を開催したほか、期間内に気軽に参加できる「マテリアリティクイズ&取り組み宣言」を実施、延べ1,800名の国内外の社員が参加しました。

このほかにも、サステナビリティ推進担当者が中心となって、社内サステナビリティ関連セミナー等を開催しています。

さらに、新人導入研修における当社サステナビリティ経営についての講義のほか、コーポレート各部、事業本部や地域本部の各部や関係会社を対象としたサステナビリティ経営に関する説明会を、年間約40回、1,800名以上を対象に実施する等、社員一人ひとりが日々の業務においてサステナビリティを考え、意識浸透を図る場を設けました。

サステナビリティ月間プログラム 岡田武史氏講演会

サステナビリティ月間プログラム 岡田武史氏講演会

2020年6月15日、約500名の役職員参加の下、元サッカー日本代表監督で現在は株式会社今治.夢スポーツ代表取締役会長である岡田武史氏に登壇いただき、講演会「新たな価値を生むための今治での挑戦」を開催しました。講演では、FC今治の企業理念「次世代のため、物の豊かさより心の豊かさを大切にする社会創りに貢献する」に資する具体的な取り組みや、目に見えない価値の重要性についてお話しいただきました。参加者からは、「無形の財産・価値を重視する時代が到来している中、そこに資産を流入させるためには“夢・ビジョンを語る”という方法論が非常に明快で納得感があった。サステナビリティも無形の価値である以上、当社がどうコミットし具体的にどのような価値を実現したいと考えているのか、より自分で理解し発信できるようになる必要があると気づかされた」、「Native Americanの言葉“ 地球は子孫から借りているもの”が非常に印象的であり、サステナビリティに関し今後自らできることをよく考え実行していこうという気持ちになった」といった声が寄せられました。講演会後のアンケートでは、回答者の97%が業務での関わりにおいて気づきやヒントになることがあり、役立つ内容だったと回答しました。

人権研修

当社では、人権方針を役職員に広く浸透し、事業で実践していくために人権に関するさまざまな研修を実施しています。2021年3月期も、新たに当社での勤務を開始した社員(一般嘱託社員・派遣社員も含む)向けや管理職向け等の職層ごと、または海外赴任やグループ会社出向前等に、ハラスメント等、人権・人格侵害防止を含むコンプライアンス研修、国内外の重要法令についての説明会・ワークショップ等を合計50回超実施しました。


人権:人権研修