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人権
方針・基本的な考え方
三井物産は、世界中の国や地域でグローバルに事業を展開していることから、自社のみならずサプライチェーンも含めた人権の尊重への取組みが求められていることを認識しています。このため、国際基準にのっとった人権に対する配慮はサステナビリティ経営の基盤であると考え、これまでも三井物産グループ行動指針や三井物産役職員行動規範に人権の尊重を謳い、取組みを推進してきました。
企業の人権尊重への取組みの重要性は年々増しており、当社の人権に関する考え方をより明確にした上で取組みを推進すべく、2020年8月に人権方針を策定しました。本方針策定にあたっては、経営会議に付議・承認され、取締役会でも報告されています。
三井物産グループは、本方針に従い、国際基準に則り人権尊重の取組みを推進します。
人権方針
三井物産は、サステナビリティ基本方針及び本方針に沿い、世界中の国や地域における事業活動を通じて人権の尊重に取り組みます。
また、ビジネスパートナーを含む様々な関係者に対し、本方針に沿った人権尊重への理解と実践を期待し、協働して人権の尊重を推進することを目指します。
- 事業活動における人権尊重
- 私たちは、事業活動において、自らが人権侵害をしないことに加え、サプライチェーン等の取引関係を通じて人権侵害を助長しないよう努めます。
- 人権に関する国際規範の尊重
- 私たちは、「世界人権宣言」を含む国際人権章典、「労働における基本的原則及び権利に関するILO(国際労働機関)宣言」 の中核的労働基準に表明されている人権を最低限のものとして理解し、尊重していきます。そして、「ビジネスと人権に関する指導原則」及び国連グローバル・コンパクトの10原則を支持し、これらの原則に基づいて事業活動を行います。また、私たちは、事業活動を行う国や地域の法令を遵守します。国際的に認められた人権と事業活動を行う国や地域の法令に矛盾がある場合は、法令を遵守しつつ、国際的に認められた人権の原則を尊重する方法を追求します。
- ガバナンス・管理体制
- 当社の取締役会が本方針の遵守及びその取組みを監督します。
- 人権デューデリジェンス
- 私たちは、私たちの事業活動に関わる人権への負の影響を特定、評価、防止、軽減するために人権デューデリジェンスを実施します。
- 事業活動に関わる人権課題
- 強制労働
私たちは、強制労働を認めません。また、債務労働や人身取引を含む、いかなる形態の現代奴隷も認めません。 - 児童労働
私たちは、児童労働を認めず、法に定められた最低就業年齢を守ります。また、18歳未満の者を、危険有害労働に従事させません。 - 差別
私たちは、人種、信条、性別、社会的身分、宗教、国籍、年齢、性的指向、性自認、心身の障がいなどに基づく、いかなる差別も行いません。私たちは、三井物産グループの役職員一人ひとりの個性と多様性を尊重し、多様な人材がそれぞれの能力を最大限に発揮できる環境づくりを進めます。 - ハラスメント・非人道的な扱い
私たちは、身体的、若しくは精神的であるかを問わず、性的ハラスメント、パワーハラスメントを含む、あらゆる形態のハラスメントを認めません。また、職場におけるあらゆる差別的言動や、嫌がらせにより、就業環境を害するような言動を認めません。 - 結社の自由と団体交渉権
私たちは、労使関係における従業員の結社の自由及び団体交渉権を尊重します。 - 労働時間と賃金
私たちは、適用される法令に従い、従業員の労働時間、休日、休暇、賃金を適切に管理します。 - 労働安全衛生
私たちは、適用される法令に従い、一人ひとりが健康かつ安全に、そして安心して働き続けられる職場環境を整備します。 - 地域住民への影響
私たちは、地域住民の安全や健康への負の影響防止のため、汚染の予防、水ストレスをはじめ、人権についての影響評価を行い、リスクの回避及び影響の軽減に向け国際規範に則り、必要な対応を実行します。
- ステークホルダーとのエンゲージメント
- 私たちは、人権課題について、影響を受けるステークホルダーの視点から理解することが重要であると考えており、また、脆弱であるために特に配慮を要するグループが存在する場合があることも認識しています。このため、関連するステークホルダーとの対話を大切にしつつ、事業活動に関わる人権課題に適切に対応していくことに努めます。
- 是正・救済
- 私たちの事業活動が人権への負の影響を引き起こしている、あるいはサプライチェーン等の取引関係を通じて人権侵害を助長していることが明らかになった場合は、適切な手続きを通じて、その是正・救済に取り組みます。
- 苦情処理メカニズム
- 私たちは、役職員及び私たちの事業活動に関わる人権課題を適時に把握し、対応していくため、実効的な通報や苦情処理の仕組みの構築に取り組みます。
- 教育・研修
- 私たちは、役職員が本方針を理解し、一人ひとりの業務において本方針に基づいた行動が実践されるように、必要な教育及び能力開発を行っていきます。
- 報告
- 私たちは、本方針の人権尊重に向けた取組み及びその進捗状況について、各種報告書やウェブサイト等を通して、定期的に報告していきます。
2020年8月策定
2022年2月改定
代表取締役専務執行役員
CSO(チーフ・ストラテジー・オフィサー)
サステナビリティ委員会 委員長
佐藤 理
個別課題への対応方針
- The Modern Slavery Act(現代奴隷法)への対応方針
- 私たちは、自社の事業およびサプライチェーンにおける強制労働等現代的な奴隷労働や人身取引の根絶に努めます。
- 子どもの権利~The Modern Slavery Act(現代奴隷法)への対応方針
- 私たちは「子どもの権利とビジネス原則」を支持し、子どもの権利を尊重しつつ事業活動を実施することに努めます。
- 先住民の権利に対する方針
- 私たちは、事業活動を行う国や地域の法律、また「先住民族の権利に関する国際連合宣言」「独立国における原住民及び種族民に関する条約(ILO第169号)」「自由意志による、事前の、十分な情報に基づいた同意(free, prior, and informed consent:FPIC)の原則」等の国際基準に則り、先住民の人権や文化に対する配慮に努めます。
- 警備関係者の活動に対する方針
- 私たちは、世界各地で事業活動を推進する上で、事業活動の安全を守るために警備会社を起用しています。警備業務は武力の乱用により人権侵害を引き起こす可能性があることを認識しており、警備会社の起用にあたっては、関係各国・地域の法令を遵守するとともに、「安全と人権に関する自主原則」「法執行官のための行動綱領」「法執行官のための行動綱領による力および銃器の使用に関する基本原則」等の国際的ガイドラインに沿って警備会社を選定しています。
目標
目標と取組実績
期間 | 目標 | 取組実績 |
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2025年3月期 |
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2024年3月期 |
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2023年3月期 |
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体制・システム
コンプライアンス体制
CCO(チーフ・コンプライアンス・オフィサー)の指揮・監督の下、コンプライアンス・プログラム統括部署である法務統括部コンプライアンス・インテグリティ推進室が中⼼となって、国内外の各本部および⽀社等のコンプライアンス統括責任者(事業本部長、支社長等)と連携しながら、グローバル・グループベースでハラスメントや差別をはじめとするコンプライアンス意識の徹底、コンプライアンス・プログラムの整備・強化、コンプライアンス関連案件への対応を⾏い、人権問題の防止に努めています。
サステナビリティ委員会
サステナビリティ委員会は、経営会議の下部組織として、人権に関わる経営の基本方針、事業活動やコーポレートの方針・戦略に関し、企画・立案・提言を行っています。
サステナビリティ委員会の活動については、取締役会による監督が適切に図られる体制となっており、サステナビリティ委員会における審議事項は、定期的に経営会議および取締役会に付議・報告されます。
管掌役員 | 佐藤 理(代表取締役専務執行役員、CSO(チーフ・ストラテジー・オフィサー)、サステナビリティ委員会 委員長) |
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事務局 | サステナビリティ経営推進部、経営企画部 |
当社内のサステナビリティ経営の推進体制図やサステナビリティ委員会の活動に関する詳細はリンク先をご参照ください。
人権マネジメント
人権方針の遵守を取締役会が監督し、経営会議がその執行に関する重要事項の決定を行います。また、経営会議の下部組織であるサステナビリティ委員会は、本方針に基づく具体的計画策定、施策の企画・立案、体制構築・整備を行います。
事業活動におけるリスクマネジメント
当社では、新規事業参画や拡張、ならびに事業撤退に際しては、ESGデューデリジェンスチェックリストを活用し、各事業部において、気候変動を含め、汚染予防、生態系、水ストレス等の環境や人権等に関するESG影響評価を行っています。人権に関しては、当該チェックリストに基づき、労働安全衛生や、開発事業における現地住民をはじめとする関係者の人権等について社内審査を行っています。環境・社会・ガバナンス等に関するリスクが高い事業は、事業開始時だけでなく、操業時や撤退時にも、必要に応じて環境や人権等の社外専門家からなるサステナビリティアドバイザリーボードからリスク低減に向けた助言を受け、一定の定量・定性基準への該当有無に応じて、ESGリスクを監督する取締役会、経営会議、代表取締役による稟議決裁により、推進可否や今後の対応を決定しています。また、代表的な事業分野ごとに過去事例等を踏まえた環境・社会リスクの要注意点を整理した、事業別環境・社会リスクヒートマップを作成し、出資・参画を検討する際等に活用しています。2024年3月期から事業本部による関係会社自主監査や、内部監査における人権要素の監査の仕組みの導入や、商品の売買契約において人権条項を追加することを原則とするなど、サプライチェーンを含む人権リスクの低減に資する施策を行いました。
2023年3月期は人権侵害に関する報告はありませんでした。
相談窓口
- 社員相談窓口
- 人事諸制度の運用等や職場に関わる相談窓口のほか、社員のこころと体の健康に関する各種相談窓口等を設けています。
- ステークホルダー含む一般の方向け問い合わせ窓口(グリーバンスメカニズム)
- 当社ウェブサイトでは、サプライチェーン上のステークホルダーを含む、全てのステークホルダーの方から、サステナビリティに関し、苦情および問い合わせの対応体制を構築しています。
苦情および問い合わせを受けるにあたっては相談者のプライバシーを保護し、適切な機密性を確保しています。
サステナビリティに関する苦情および問い合わせを受けた場合には、サステナビリティ経営推進部が窓口となり、内容に応じて事業本部やコーポレートスタッフ部門等適切な関係部署と連携し、責任をもって対応します。
苦情および問い合わせ受領後は、原則として一週間以内を目途に、当社から相談者に回答または連絡し、エンゲージメントを行います。
ステークホルダーとの協働
イニシアティブへの参画
イニシアティブへの参画を通じた人権への取組みを推進、拡大させています。各イニシアティブへの参画においては当社の人権に対する基本方針、取組みと合致しているか確認の上、参画を決定しています。
国連グローバル・コンパクト
当社は2004年10月に署名、支持を宣言し、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(以下、GCNJ)の理事企業として参画、国連グローバル・コンパクトを当社自身の原則として遵守しています。現在もGCNJのメンバー企業として、同原則の遵守と実践、SDGs推進にグローバル・グループベースで取り組んでいます。
また、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンのヒューマンライツデューデリジェンス分科会ほかに参加しています。
FSC®(Forest Stewardship Council®、森林管理協議会)
環境NGO、民間企業や先住民団体等による会員制の非営利組織FSC®(Forest Stewardship Council®、森林管理協議会)は、環境保全の点からみて適切で、人権尊重等、社会的な利益にかない、経済的にも継続可能な森林管理を世界に広めるための国際的な非営利組織です。
当社は、全国75か所、約45,000ヘクタールの社有林「三井物産の森」で、森林管理を対象とするFM認証(FOREST MANAGEMENT )を取得し(FSC®-C057355)、切り出した木材の加工・流通を対象とするCOC認証(CHAIN OF CUSTODY)を子会社である三井物産フォレスト株式会社が取得しています(FSC®-C031328)。数量としては日本国内で民間企業ではトップクラスの国産FSC®認証材供給を行う当社は、国内におけるFSC®の普及・推進、日本版の原則基準の検討・作成にも協力しています。なお、当社では、植林事業においてもFSC®認証を取得し、責任ある森林資源管理を推進しています。
RSPO(Roundtable on Sustainable Palm Oil、持続可能なパーム油のための円卓会議)
RSPOは、熱帯林や生物多様性の保全等「持続可能なパーム油」の生産と利用促進を目的とした非営利組織です。パーム油の生産にあたっては、アプラヤシ農園開発による熱帯林破壊や、人権労働問題が指摘されています。当社は、パーム油を取り扱う事業者として、「産業を通じた持続可能性を実現させる」という理念に共感し、2008年にRSPOに参画して以来、正会員として事業を通じ、熱帯林や生物多様性の保全、先住民や地域住民の権利の尊重等に配慮した持続可能な調達に取り組んでいます。2021年の東京オリンピック・パラリンピックでは、持続可能性に配慮した調達コードが策定され、調達コードの一部としてパーム油の個別基準も策定されたことから、油脂関連業界団体のメンバーとして、当社もRSPOおよびMSPO(Malaysia Sustainable Palm Oil)・ISPO(Indonesia Sustainable Palm Oil)の取組み状況について逐次確認し、普及・推進を行いました。
日本経済団体連合会
当社は、ビジネスと人権対応チームに参加し、人権を尊重する経営の推進に関する動向の把握に努めるとともに、実践に向けた取組みを推進しています。
取組み
人権デューデリジェンス(人権DD)
当社グループでは、サステナビリティ基本方針及び人権方針に沿い、世界中の国や地域における三井物産グループの事業活動を通じて人権の尊重に取り組みます。また、ビジネスパートナーを含む様々な関係者に対し、各方針に沿った人権尊重への理解と実践を期待し、協働して人権の尊重を推進することを目指します。当社では、事業活動において、自らが人権侵害をしないことに加え、サプライチェーン等の取引関係を通じて人権侵害を助長しないよう努めます。また「世界人権宣言」を含む国際人権章典、「労働における基本的原則及び権利に関するILO(国際労働機関)宣言」の中核的労働基準に表明されている人権を尊重し、「ビジネスと人権に関する指導原則」及び「国連グローバル・コンパクトの10原則」を支持し、これらの国際規範を踏まえて、人権方針、環境方針、持続可能なサプライチェーン取組方針を定めています。これら取組みにより当社事業のリスクを低減し、企業価値の持続的な向上に繋げていきます。
当社は、上記の通り各種国際規範を踏まえて、2020年3月期に外部専門家を起用し、当社および海外現地法人の取扱商品、連結子会社の主要事業を対象にサプライチェーン上の人権について、人権リスク評価を行いました。その結果、当社のサプライチェーン上において、主に食料・衣服・建材等の商品で、東南アジア、アフリカ、南米等の新興国を中心とした原産地が一般的に強制労働や児童労働等の人権問題が生じる可能性が高い分野と評価し(「高リスク分野」)、人権デューデリジェンス(以下、人権DD)を開始しました。
2024年3月期には従来通り、当社人権方針、持続可能なサプライチェーン取組方針、各種個別調達方針の周知、高リスク分野の特定、アンケート・現地調査の実施と、課題対応を行うプロセスを継続しましたが、その中でも、高リスク分野の見直しを行い、人権DDの対象地域・商品を2025年3月期から拡大することを決定しました。
高リスク分野の見直しにおいては社外アドバイザーのアドバイスを得つつ、世界的に多くの企業、投資家・金融機関が参照するカントリー・ESGリスクデータを参照しました。具体的には、当社の人権方針や持続可能なサプライチェーン取組方針に規定する事業活動に関わる8種の人権課題を含み、様々な人権インシデントの発生件数の高いインダストリーと地域を特定、実際の人権リスク顕在化事例も収集・把握し、当社の事業本部毎のインダストリーと調達地域を照らし合わせた上で、取引規模等当社にとっての重要性も勘案しました。その結果、従来に加え、鉱業・金属・石油・ガス・化学品といった業種も対象とし、東南アジア、アフリカ、南米等の新興国を中心とした原産地対象取引が高リスク分野に該当すると判断し、人権デューデリジェンスの対象とすることとしました。
また、アンケート項目の改善、サプライヤーの回答率向上を狙った調査回答プロセスのウェブシステム導入、調査結果の評価のプロセス化等、取組み強化と効率化に努めています。
中期経営計画2026では、事業活動における人権尊重取組みの更なる強化を掲げており、2025年3月期は拡大した高リスク分野での人権デューデリジェンスの実施、サプライヤーとの協働、既存社内プロセスへの人権リスク管理の仕組み導入を通じた、人権尊重の取組みを継続していきます。
取組内容および実績についてはリンク先をご参照ください。
先住民への配慮
当社が事業を行うに当たっては、事業活動を行う国や地域の法律、また「先住民族の権利に関する国際連合宣言」や「独立国における原住民及び種族民に関する条約(ILO第169号)」等の国際基準にのっとり、先住民の人権や文化に対する配慮に努めています。
例えば、オーストラリアにおける森林資源事業においては、第三者認証機関の定期監査を必要とするFSC®(FSC®-C107463)森林認証を取得しており、先住民の伝統的権利を尊重した運営を行っています。同認証は「先住民族の権利尊重」を含む10大原則を定めており、当社活動が先住民の伝統的権利に配慮した運営を行っているか、価値ある文化遺跡等を破壊していないか等の項目について、厳しい審査を行っています。
国内においても、全国75カ所の社有林「三井物産の森」でFSC®(FSC®-C057355)森林認証を取得しており、先住民の伝統と文化に配慮した森林管理を行っています。北海道平取町に所有する沙流山林では、平取アイヌ協会および北海道平取町と協定を締結し、三井物産が平取町に所有する沙流山林で、伝統的なアイヌ文化の保全・継承等に協力しています。
豪州三井物産では、在豪連結子会社と連携し、豪州における先住民の権利を尊重するさまざまな取組みを行っています。従業員への研修をはじめ、大きなイベントやミーティングにおいての先住民に対する尊敬の意を表す声明(Acknowledgement of Country)の実施、豪州域内の各支店・連結子会社の担当者による定期的な情報交換の場を通じて新たな取組みの企画等を積極的に行っています。
従業員の人権
グローバルに事業を展開する当社では、ダイバーシティ&インクルージョンの推進とともに、ハラスメントや差別の問題に対し、さまざまな対策を講じています。人権や差別を含むコンプライアンス事案を職制ラインおよび職制外のルートで報告・相談できる内部通報制度の設置や、おかしいと思った時に声を上げるスピークアップ文化の醸成は、その取組みの一例です。また、コンプライアンス関連全般についての協議を⾏う場として、コンプライアンス委員会を設置し、監査役及び社外弁護士がオブザーバーとして参加し、コンプライアンス関連事案の発生傾向や課題およびこれらを踏まえたアクションプランについて報告の上、コンプライアンス体制の在り方について話し合い、その内容についてはイントラネットで公開しています。引き続き、各種方針の浸透や、研修の実施を通して、従業員の人権尊重に向けた取組みを推進していきます。
人権研修
当社では、人権方針を現場に広く浸透し、事業で実践していくために人権に関するさまざまな研修を実施しています。ハラスメント等、人権・人格侵害防止を含むコンプライアンス研修を実施するほか、当社および連結子会社の国内外の従業員に対して、サプライチェーンにおける人権への取組みについて、オンライン研修を実施しています。
実施研修内容 | 研修参加人数/回数 | |
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2024年3月期 | 国連開発計画「ビジネスと人権」リエゾンオフィサー/ことのは総合法律事務所弁護士:佐藤暁子氏を招き、取引先、当社国内外従業員に、当社のビジネスと人権取組方針及び人権DDにつき、オンライン研修を実施 | 約400名 |
国内外三井物産グループ役職員(2024年3月末時点)向けにE-learningを導入 | 約500名(2024年3月末時点) | |
事業本部/関係会社向けに随時講習会を行った他、キャリア段階別研修(新入社員/ラインマネージャー)に「ビジネスと人権」内容を追加 | 随時 | |
豪州三井物産において、社外講師を招き、豪州三井物産・ニュージーランド三井物産の従業員ほか在豪連結子会社の従業員を対象に、アボリジナル・ヘリテッジ・マネジメントの研修を実施。 | 約60名 | |
2023年3月期 | 真和総合法律事務所の高橋弁護士(当社グループ向け「持続可能なサプライチェーンマネジメントハンドブック」を監修)により、当社及び連結子会社の取引先様、当社及び連結子会社の国内外の従業員に対して、当社人権方針および取組みの説明、並びにサプライチェーンマネジメントにおける人権DDの実施方法につき、オンライン研修を実施 | 約450名 |
豪州三井物産において、社外講師(弁護士)を招き、豪州三井物産・ニュージーランド三井物産の従業員ほか在豪連結子会社の従業員を対象に、豪州先住民の権利と土地の使用に関する法律に関して研修を実施。 | 約70名 | |
2022年3月期 | 当社及び連結子会社のサプライヤー、当社及び連結子会社の調達に関わる従業員に対して当社サプライチェーンマネジメントの方針と取組みへの意識浸透を図るため、環境保全団体である国際NGOのWWF(世界自然保護基金)を外部講師として招き、天然ゴム、パーム油、木材、紙製品の事業に関わる環境問題や人権問題につき、オンライン研修を実施 | 130名 |
グローバルなサプライチェーンにおける人権・労働問題への意識を高めるため従業員向けにオンライン人権研修を実施 | 約6,000名 | |
豪州三井物産では、社外講師を招き、豪州三井物産・ニュージーランド三井物産の従業員ほか在豪連結子会社の従業員を対象に、差別・ハラスメントの防止と実例を含むコンプライアンスセミナーをオンラインで実施 | 165名 | |
新たに当社での勤務を開始した社員(一般嘱託社員・派遣社員も含む)向けや管理職向け等の職層ごと、または海外赴任やグループ会社出向前などに、ハラスメント、人権・人格侵害防止を含むコンプライアンス研修、国内外の重要法令についての説明会・ワークショップを実施 | 40回 |