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サプライチェーンマネジメント

方針・基本的な考え方


三井物産は、川上から川下まであらゆる機能・サービスを提供しており、世界中で多岐にわたる事業を展開する中で、多様なサプライチェーンを構築しています。そして、当社は、グローバルなサプライチェーンの責任ある一員として、自社のみならずサプライチェーンも含めた人権および環境への課題解決の取り組みが求められていることを認識しています。当社は「持続可能なサプライチェーン取組方針」を策定し、人権や環境問題に対する当社の考え方をサプライヤーにも共有し、原材料・商品調達におけるサプライチェーン上の環境・社会リスクを認識し、事業活動を通じ、関係するサプライチェーンの課題把握に努め、持続可能な原材料・商品の安定供給を実践していきます。

持続可能なサプライチェーン取組方針

三井物産は、大切な地球と人びとの豊かで夢あふれる明日を実現し、「世界中の未来をつくる」ことを経営理念に掲げています。この理念の実現に向け、三井物産グループの事業活動を通じて関与するサプライチェーンの課題把握に努めます。また、影響を受けるステークホルダーの視点を踏まえ、関係者との対話を大切にしつつ、グローバル・グループでその解決に向けて働きかけることで、持続可能な発展の実現に向けて最大限努力します。

1. 行動指針

三井物産は、サプライヤーをはじめとする取引先に対して、以下に掲げる項目の理解と実践を求め、協働して持続可能なサプライチェーンを目指します。

国際規範の尊重
当該国における法令遵守、国際的なルール・慣行に配慮した公正な取引および腐敗防止を徹底する。
人権の尊重
事業活動において、自らが人権侵害をしないことに加え、サプライチェーン等の取引関係を通じて人権侵害を助長しないよう努める。
  • 強制労働
    強制労働を認めない。また、債務労働や人身取引を含む、いかなる形態の現代奴隷も認めない。
  • 児童労働
    児童労働を認めず、法に定められた最低就業年齢を遵守する。また、18歳未満の者を、危険有害労働に従事させない。
  • 差別
    雇用におけるいかなる差別も行わない。
  • ハラスメント・非人道的な扱い
    身体的、精神的であることを問わず、あらゆる形態のハラスメントを認めない。
  • 結社の自由と団体交渉権
    労使関係における従業員の結社の自由及び団体交渉の権利を尊重する。
  • 労働時間と賃金
    適用される法令に従い、従業員の労働時間、休日、休暇、賃金を適切に管理する。
  • 労働安全衛生
    労働・職場環境における、安全・衛生を確保する。
  • 地域住民への影響
    地域住民の安全や健康への負の影響防止のため、汚染の予防、水ストレスを始め、人権についての影響評価を行い、リスクの回避及び影響の軽減のために国際規範に則り、必要な対応を実行する。
環境負荷の低減
資源・エネルギー・水の効率的活用、有害廃棄物を含む廃棄物の発生抑制・再利用・リサイクルの徹底と適正処理を行い、環境への負荷を低減する。また、適切な影響力を行使し、汚染の予防のみならず、気候変動や生物多様性保全等環境への影響を評価し、技術的・経済的に可能な範囲で、最大限の環境への配慮を行う。
商品・サービスの安全・安心
商品・サービスの安全・安心を確保する。

2. 是正・救済

本方針に違反し、私たちの事業活動が環境及び人権への負の影響を引き起こしている、あるいはサプライチェーン上の環境課題及び人権侵害を助長していることが明らかになった場合は、適切な手続きを通じて、その是正・救済に取り組みます。

3. 情報開示

上記に関する、適時・適切な情報開示を行う。

2007年12月策定
2021年7月改定

代表取締役副社長執行役員CSO
サステナビリティ委員会委員長
大間知 慎一郎


持続可能なサプライチェーン取組方針

個別調達方針

全ての原材料・商品調達にあたっては、三井物産グループ行動指針、環境方針、人権方針及び持続可能なサプライチェーン取組方針に従っています。原材料・商品ごとの適切な調達を通じ、企業としての社会的責任を果たし、社会と会社の持続的な発展を目指します。特に森林破壊や環境負荷、人権リスクの高い分野の一部原材料・商品については、NGO等ステークホルダーとも協議し、各方針に加えて個別に調達方針を策定し、持続可能な原材料・商品の調達に努めています。尚、本方針は定期的に見直し、必要に応じて改定していきます。

目標


各目標については、定期的に見直しを行い、必要に応じて修正します。

サプライチェーンマネジメント

目標

  1. 新規調達先への持続可能なサプライチェーン取組方針の周知100%

取り組み実績

持続可能なサプライチェーン取組方針周知率
  2021年3月期
新規サプライヤーへの方針送付率 100%

天然ゴム

目標

  1. 全てのサプライヤーへの天然ゴム調達方針の周知を徹底する。
  2. 2030年までに、原産地までのトレーサビリティ100%を目指す。

取り組み実績

原産地までのトレーサビリティ比率

※下記表は横にスクロールしてご覧ください。

  2019年3月期 2020年3月期 2021年3月期
天然ゴム 100% 100% 100%

パーム油

目標

  1. 全てのサプライヤーへのパーム油調達方針の周知を徹底する。
  2. 2022年までにミルレベルまでのトレーサビリティ100%を目指す。
  3. 2030年までにRSPOを始めとする持続可能認証品取り扱い比率100%を目指す。

取り組み実績

ミルレベルまでのトレーサビリティ比率及びRSPOを始めとする持続可能認証品比率

※下記表は横にスクロールしてご覧ください。

  2019年3月期 2020年3月期 2021年3月期
持続可能認証油取り扱い比率※ 3.6% 5.0% 6.9%
ミルレベルまでのトレーサビリティ比率 - 99.8% 99.1%

※RSPOを始めとする持続可能認証品

木材

目標

  1. 全てのサプライヤーへの木材調達方針の周知を徹底する。
  2. 2030年までに、国際的に認められた認証材またはそれに準じる材の取り扱い100%を目指す。

取り組み実績

認証比率

※下記表は横にスクロールしてご覧ください。

  2019年3月期 2020年3月期 2021年3月期
製材※ 100% 100% 100%
製紙用ウッドチップ※ 100% 100% 100%

※FSC、PEFCなどを含める国際的に認められた森林認証を受けたサプライヤーが取り扱う、または認証機関より管理材として認められた製材及び製紙用ウッドチップ

紙製品

目標

  1. 全てのサプライヤーへの紙製品調達方針の周知を徹底する。
  2. 2030年までに、全ての取扱いパルプおよび原紙について、違法性の無い原料で製造された製品であることのトレーサビリティ100%を目指す。

取り組み実績

紙製品のトレーサビティ比率

※下記表は横にスクロールしてご覧ください。

  2019年3月期 2020年3月期 2021年3月期
認証材もしくは合法性が確認できる木材由来のパルプ※ 91% 91% 91%

※FSCを始めるとする国際的に認められた森林認証もしくは当社個別調達方針(紙製品)の行動指針に準ずる管理が確認できる木材由来のパルプ

体制・システム


サステナビリティ経営推進

サステナビリティ委員会は、経営会議の下部組織として、サプライチェーンマネジメントに関わる経営の基本方針、事業活動やコーポレートの方針・戦略に関し、企画・立案・提言を行っています。
サステナビリティ委員会の活動については、取締役会による監督が適切に図られる体制となっており、サステナビリティ委員会における審議事項は、定期的に経営会議および取締役会に付議・報告されます。

管掌役員 大間知 慎一郎(代表取締役副社長執行役員、CSO(チーフ・ストラテジー・オフィサー)、サステナビリティ委員会 委員長)
審議機関 サステナビリティ委員会
位置付け
  • 意思決定機関である経営会議の下部委員会
  • 委員会で審議されたサプライチェーンマネジメントに関わる重要事項は、経営会議、取締役会等に付議・報告されます
事務局 サステナビリティ経営推進部

当社内のサステナビリティ経営の推進体制図やサステナビリティ委員会の活動に関する詳細はリンク先をご参照ください。


サステナビリティへの考え方・推進体制:体制・システム

サステナビリティへの考え方・推進体制:サステナビリティ委員会

サプライチェーン上のリスク管理

当社は、持続可能なサプライチェーン取組方針を策定し、以下のような「特定」「周知」「調査」「開示・改善」の取り組みを行うことで、問題発生の未然防止に努め、サプライチェーンにおける課題の把握と解決を目指しています。
サプライチェーンマネジメントの進捗状況、結果および管理の在り方については、毎年のサステナビリティ委員会への報告に加え、定期的に経営会議および取締役会に報告しています。また、ステークホルダーからの指摘等も共有し、課題があれば、各方針の見直し等を図ることとしています。

持続可能なサプライチェーン取組方針の策定・開示

高リスク事業分野の特定

外部専門家を起用し、当社および海外現地法人の取扱商品、連結子会社の主要事業を対象にサプライチェーン上の人権について、国際的指標・ツール等を活用して商材と国によって人権リスクがある分野のスクリーニングを実施し、次に、企業の社会的責任と関連する国際規範や規格の社会面および人権・労働関連の項目を網羅的に含む形で人権リスク項目を特定することで人権高リスク分野を絞り込み、当社および子会社の事業において高リスク分野に該当する否かの人権リスク評価を実施。人権リスク評価の結果、当社のサプライチェーン上において主に食料・衣服・建材・鉱物の商品で、東南アジア、アフリカ、南米等の新興国を中心とした原産地が一般的に強制労働や児童労働等の人権問題が生じる可能性が高い高リスク分野と特定しました。

新規サプライヤーへの対応

新規サプライヤーとの取引開始にあたっては、全サプライヤーに持続可能なサプライチェーン取組方針を送付し、当社方針への理解と実践を要請しています。また、当社独自のESGデューデリジェンスチェックリストに基づきさまざまな社会課題(気候変動等の環境課題を含む)に対する事前のリスク評価を実施しています。

既存サプライヤーへの対応

既存事業およびその該当サプライヤーに対しては、当社事業における高リスク分野を特定しており、当該高リスク分野のサプライヤーに対して定期的にアンケート調査を実施し、当社事業に関連するサプライチェーン上の気候変動、生物多様性、環境管理、人権、労働安全衛生等の環境・社会課題の実態把握に努めています。

サプライヤーへの是正・救済対応

持続可能なサプライチェーン取組方針の理解と実践の要請にもかかわらず、サプライヤーアンケートや現地訪問調査等を通じて、対応が不十分であることが判明したサプライヤーあるいはサプライチェーン上の環境課題および人権侵害が明らかになったサプライヤーに対しては、適切な手続きを通じて、その是正・救済に取り組みます。

化学物質の危険有害性の管理

化学品セグメントでは、取り扱う化学物質の危険有害性について、国内においては化審法・安衛法・毒劇法・消防法といった関係法令に基づいて審査し、海外においては現地の関係法令に基づいて審査し、その審査結果をサプライチェーン上で適切に通達するため、SDS(安全データシート)を交付し、危険有害性情報を商品にラベル表示することを徹底しています。特に輸入者が輸入化学品の危険有害性情報の開示に対して負う責任は、国内製造者が自社の製造物の危険有害性情報の開示に対して追う責任とまったく同じであるという考え方を社員に徹底させるため、各種の社内研修を頻繁に開催しています。

食の安全への取り組み

食料本部および流通事業本部では「食の安全管理データベース」を構築し、輸入食品の成約前に仕入れ先の動向、HACCP導入状況、器具・容器包装ポジティブリスト対応、残留農薬、表示等、食品関連法令への遵守を確認し、適正な輸入手続き、情報伝達に努め、安全・安心な食品の流通に取り組んでいます。また、毎月食品衛生管理委員会を開催し、各種法改正やトピックスの共有を図ると同時に、食の安全セミナーをはじめとした各種研修も毎月開催しており、社員の知見の向上に努めています。

ステークホルダーとの協働


イニシアティブへの参画

イニシアティブへの参画を通じたサプライチェーンマネジメントへの取り組みを推進、拡大させています。各イニシアティブへの参画においては当社のサプライチェーンマネジメントに対する基本方針、取り組みと合致しているか確認の上、参画を決定しています。

CEFLEX(CIRCULAR ECONOMY FOR FLEXIBLE PACKAGING)

CEFLEXは、軟包装材のバリューチェーン全体を代表する企業や団体など、プラスチック包装材料のバリューチェーンに関わる200社以上から構成される欧州の共同コンソーシアムで、プラスチック製軟包装材を回収・分別・再資源化するインフラシステムの構築を検討しています。当社は2018年から参画し、様々なワーキンググループで積極的な役割を果たしています。今後もCEFLEXへの参画を通じて、サーキュラーエコノミー(循環経済)の実現に貢献していきます。

ASI(ALUMINIUM STEWARDSHIP INITIATIVE)

ASIは、持続可能な社会へのアルミニウムの貢献の最大化をビジョンに掲げ、2012年に発足、アルミニウム生産者や需要家、国際アルミニウム協会等、さまざまなステークホルダー約170社・団体が参加(2021年5月現在)しています。国際基準の策定および認証システム確立を通じ、アルミニウムサプライチェーンにおける、サステナビリティ向上とESGへの貢献に取り組んでいます。当社は2020年1月に参画し、メンバーの一員としてこうした取り組みをサポートしています。

FSC®(Forest Stewardship Council®、森林管理協議会)

環境NGO、民間企業や先住民団体等による会員制の非営利組織FSC®(Forest Stewardship Council®、森林管理協議会)は、環境保全の点からみて適切で、人権尊重等、社会的な利益にかない、経済的にも継続可能な森林管理を世界に広めるための国際的な非営利組織です。
当社は、全国74か所、約44,000ヘクタールすべての社有林「三井物産の森」で、森林管理を対象とするFM認証(Forest Management )を取得し、切り出した木材の加工・流通を対象とするCoC認証(Chain of Custody)を子会社である三井物産フォレスト株式会社が取得しています。
FSC®-C031328)。日本国内最大の国産のFSC®認証材の供給者である当社は、国内におけるFSC®の普及・推進、日本版の原則基準の検討・作成にも協力しています。なお、当社では、植林事業においてもFSC®認証を取得し、責任ある森林資源管理を推進しています。

RSPO(Roundtable on Sustainable Palm Oil、持続可能なパーム油のための円卓会議)

RSPOは、熱帯林や生物多様性の保全等「持続可能なパーム油」の生産と利用促進を目的とした非営利組織です。パーム油の生産にあたっては、アプラヤシ農園開発による熱帯林破壊や、人権労働問題もが指摘されています。当社は、パーム油を取り扱う事業者として、「産業を通じた持続可能性を実現させる」という理念に共感し、2008年にRSPOに参画して以来、正会員として事業を通じ、熱帯林や生物多様性の保全、先住民や地域住民の権利の尊重等に配慮した持続可能な調達に取り組んでいます。2021年の東京オリンピック・パラリンピックでは、持続可能性に配慮した調達コードが策定され、調達コードの一部としてパーム油の個別基準も策定されたことから、油脂関連業界団体のメンバーとして、当社もRSPOおよびMSPO(Malaysia Sustainable Palm Oil)・ISPO(Indonesia Sustainable Palm Oil)の取り組み状況について逐次確認し、普及・推進を行いました。

EcoVadis

EcoVadisは、企業の環境・社会といったサステナビリティ・パフォーマンスを独自のプラットフォームを使って評価する評価機関です。三井物産グループは一部の事業でEcoVadisのプラットフォームに登録し、サステナビリティ・パフォーマンスに関して評価を受けています。

Sedex (Supplier Ethical Data Exchange)

Sedexは、2001年にイギリスの小売業者や監査会社を中心に設立したNPO会員組織で、世界を代表する倫理的取引サービスプロバイダの一つです。登録企業に対して、エシカルなグローバルサプライチェーンデータを管理・共有する世界最大の情報プラットフォームを提供し、SMETA監査と呼ばれる労働権、健康・安全衛生、環境、ビジネス倫理を含む責任あるサプライチェーン活動を評価する世界的に認められた方法を提供しています。三井物産グループは一部の事業でSedexのサービスを利用しています。

取り組み


アニマルウェルフェアに関する取り組み

当社は、家畜を快適な環境下で飼養することにより、家畜のストレスや疾病を減らすことが生産性の向上や安全な畜産物の生産にもつながると考えており、国際獣疫事務局(OIE)勧告を尊重し、現地法に則って、アニマルウェルフェアに配慮した事業に取り組むよう努めています。
当社連結子会社のプライフーズでは、ブロイラーを快適な環境下で飼養し、ストレスや疾病を減らすことで、安全・安心な鶏肉の生産につながるという考えに基づき、農水省で公表されている「アニマルウェルフェアの考え方に対応したブロイラーの飼養管理指針」に則った飼育を行っています。具体的には、ブロイラーの成長段階において最も負荷がかからない快適な環境を整え、栄養管理、飼育環境、健康管理に細心の注意を払っています。
プライフーズの主力生産地である14農場においては、国内認証規格であるJGAPの団体認証※1を取得した他、処理場と20農場を合わせて国際認証規格であるSQF-TSAマルチサイト認証※2を世界で初めて取得するなど、プライフーズのアニマルウェルフェア対応を含む生産・製造管理体制は、第三者審査を受け評価されています。

※1:JGAP(Japan Good Agricultural Practice)とは、農林水産省が、農場運営、食品安全、家畜衛生、環境保全、労働安全、人権・福祉、アニマルウェルフェアの観点から適切な農場管理の在り方について定めた国内認証。プライフーズは2020年3月に、青森県の14農場で同認証を取得。
※2:SQF-TSA(SQF: Safe Quality Food、TSA:Tokyo Sustainability Addendum)とは、食品の安全性と品質を保証する国際認証であるSQFに関して、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が定めたアニマルウェルフェアへの対応を含む食品の安全衛生基準を満たすべく、同認証を補完することを目的に開発された国際認証。プライフーズは2010年10月に、青森県の20農場および処理工場を対象にSQF認証を取得し、2019年11月にSQF-TSA認証を世界で初めて取得。

水産に関する取り組み

当社は、過剰漁獲、違法操業そして破壊的な漁業が行われることで海洋の生物多様性の喪失や地域社会にも深刻な影響を与えるリスクがあること、また養殖においても取排水や給餌・糞尿の管理が不十分な場合には環境に負の影響を及ぼすリスクがあることを認識しています。
かかる状況下、当社は、水産資源の保護や持続性が担保された水産物の安定供給といったサステナビリティの観点から水産養殖を当社注力域と位置付けて参りました。水産物を取り扱う事業者として、水産資源保全と海洋環境保全、並びに地域社会との共生に配慮した責任ある水産物の養殖や調達に取り組んでいます。

Minh Phuでの取り組み

Minh Phuの養殖事業を担う100%子会社であるMinh Phu - Loc An Aquaculture Co., Ltd.の養殖場 Minh Phuの養殖事業を担う100%子会社であるMinh Phu - Loc An Aquaculture Co., Ltd.の養殖場

当社は、2013年にベトナムのエビ養殖加工会社であるMinh Phu Hau Giang Joint Stock Companyに出資・参画、さらに2019年6月にはその親会社であり世界最大の海老生産加工事業会社であるMinh Phu Seafood Joint Stock Companyに35.1% の出資を行い、養殖エビ事業に本格参入しました。Minh Phu Seafood Joint Stock Companyは当社出資以前より、自社でエビの養殖を行っていましたが、規模は限定的で、養殖方式も広大な田んぼのような土地に水を張り、そこに稚エビを放流し、その後の養殖管理は従業員の目視と勘に頼る伝統的な手法で行っていました。当社出資・参画後には、新養殖方式による自社養殖場を本格稼働させました。この新養殖方式は、小型の円形プールのような養殖池とすることで、養殖環境の管理を容易にしており、細かな水質モニタリングや換水を可能にしています。今後はDX化により、一連の管理の自動化や効率化を進めながら給餌や水質の最適化を進め、よりサステナブルな養殖環境の整備や環境汚染の最小化に一層力を入れていきます。

Minh Phuにおける認証商品取り扱い数量
  2019年1-12月 2020年1-12月
水産物取扱数量(MT) 57,483 54,357
内ASC認証商品比率 4.9% 2.7%
内BAP認証商品比率 16.8% 15.5%
内Global GAP認証商品比率 0.1% 1.1%

東邦物産での取り組み

水産物のトレードについては当社子会社の東邦物産株式会社で主に行っていますが、水産物の製品の商業的な取引においては、トレーサビリティのためのCoC認証規格を満たしていることが必要となります。CoC認証とは、製品の製造・加工・流通の全ての過程において、認証水産物が適切に管理され、非認証原料の混入やラベルの偽装がないことを認証するものです。東邦物産ではMSCおよびASCの両方のCoC認証を取得し、持続可能な水産物の調達に努めています。また、米国で認知度の高いBAP認証においては、同認証の運営母体である米国NGO 、Global Seafood Alliance(2021年4月にGlobal Aquaculture Allianceから改名)とEndorser Agreementを締結し、BAP認証製品の普及にも努めています。

東邦物産における認証商品取り扱い数量

※下記表は横にスクロールしてご覧ください。

  2019年3月期 2020年3月期 2021年3月期
水産物取扱数量(MT) 20,670 13,827 14,418
内MSC認証商品比率 1.5% 0 0
内ASC認証商品比率 0.5% 0.8% 2.6%
内BAP認証商品比率 0 0.9% 3.9%

Salmones Multiexportでの取り組み

当社は2015年、チリのアトランティックサーモンの養殖・加工・販売事業会社であるSalmones Multiexport S.A(以下、Salmex)に出資・参画しています。Salmexにおいては主力製品であるアトランティックサーモンを中心に養殖から販売までを一貫して行っており、ヘルシーなタンパク源の需要が高まる中、米国を中心に、ブラジル、日本、中国ほかアジア各国にサーモンを輸出しています。Salmex はOHSAS18001、ISO14001、ISO9001をはじめBAP、Global GAP 等、環境、品質、労働安全、トレーサビリティに関する各種認証を取得しています。チリにおけるサーモン養殖は、1990年台初頭以降本格化し、世界でも1、2位を争う輸出大国になっています。その間、魚病・防疫体制を確立する一方、政府・業界が一体となり薬剤使用の削減に取り組んできた結果、大きな成果を上げており、Salmex個社としてもさらなる削減へ取り組んでいます。また、飼料における天然魚由来原料(魚粉)の使用も大豆かす等の原料代替により大幅に減少してきており、近年では飼料に占める魚粉の配合比は10%を切る水準にあります。 良質かつ安全・安心なタンパク源の需要が世界的により一層高まる中、地域社会、周辺住民、および生態系に配慮した持続可能な水産業の発展を目指し、当社とサプライヤーが継続して協力していきます。

*:養殖場および工場運営・管理が対象となる認証。

Salmexにおける認証商品取り扱い数量

※下記表は横にスクロールしてご覧ください。

  2018年12月期 2019年12月期 2020年12月期
水産物取扱数量(MT) 81,839 95,475 99,240
内ASC認証商品比率 0 7.8% 11.1%
内BAP認証商品比率 100% 100% 100%

サプライヤーとのエンゲージメント

方針の周知および意識啓発

売買取引に当たっては、当社事業本部、海外拠点および連結子会社(間接保有除く)の全サプライヤーに対して持続可能なサプライチェーン取組方針(日本語・英語・中国語・フランス語・スペイン語・ポルトガル語・タイ語)を送付し、本方針への理解と実践を要請し、当社方針を周知することでサプライヤーの意識啓発に努めています。サプライヤーへの周知状況については、毎年送付状況を確認する社内調査を実施し、管理しています。

サプライヤーへの研修

当社および連結子会社のサプライヤーおよび当社および子会社の調達に関わる従業員に対して当社サプライチェーンマネジメントの方針と取り組みへの意識浸透を図るため、環境保全団体である国際NGOのWWFジャパン(世界自然保護基金ジャパン)を外部講師として招き、天然ゴム、パーム油、木材、紙製品の事業に関わる環境問題や人権問題につき、オンライン研修を実施しました。研修には、サプライヤーと当社従業員合わせて合計130人が参加し、生物多様性の保全、森林破壊ゼロといった環境負荷低減の取り組みや、先住民や地域住民の慣習的な権利などの保護や労働環境の改善といった人権デュー・デリジェンス推進への理解と実践を求めました。今後もサプライヤーや調達に関わる当社従業員に対し定期的に研修を実施していく予定です。

実態調査(サプライヤーアンケートおよび現地訪問調査)

サプライヤーとの双方向のコミュニケーションを重視し、必要に応じて共同して改善策を検討していくことで信頼関係の構築とサプライチェーンマネジメントの一層の強化に努めています。そのために、当社および当社連結子会社のサプライヤーに対して、2012年3月期から定期的なサプライヤーアンケートを実施し、気候変動、生物多様性、環境管理、人権、労働安全衛生等の社会課題に関する事業の実態把握およびその是正に取り組んでいます。2020年3月期からは、対象を人権デュー・デリジェンスに基づく高リスク事業分野の商品を取り扱うサプライヤーとし、アンケート調査を実施しています。
サプライヤーアンケートに加え、2015年3月期からサプライヤー現地訪問調査を開始しました。持続可能なサプライチェーン取組方針の遵守事項に沿ったチェックリストに基づく調査に加え、第三者の専門家を起用し、サプライヤーの責任者との対話や製造現場および関連施設の視察を実施し、必要に応じた助言・指導を行っています。

各調査内容のサプライヤーへのフィードバック・改善要請

実態調査において重大な環境問題および人権侵害は発見されませんでしたが、ビジネスと人権に関する指導原則、国際規範および現地法令等への理解が不十分なケースや、労働安全衛生や人権に対する考え方等を明記した方針を持っていないサプライヤーが見られました。当該サプライヤーに対して改めて、当社の持続可能なサプライチェーン取組方針の内容を説明することで国際規範等への理解を向上させるとともに、方針策定の提案等を実施しました。

サプライヤーアンケートの実施数

※下記表は横にスクロールしてご覧ください。

2019年3月期 2020年3月期 2021年3月期
サプライヤーアンケート実施数 74社 11社 293社
サプライヤーアンケートの主な設問
人権・労働 強制労働・児童労働・差別・ハラスメントの禁止、適切な賃金の支払い等
労働安全衛生 火災時の安全確保、個人用保護具の使用、化学物質や殺虫剤を含む危険物質の取り扱い等
ビジネス倫理 コンプライアンス、公正な競争、知的財産、個人情報保護、腐敗防止等
環境管理 汚染、温室効果ガスの排出、生物多様性等
紛争鉱物 取り扱い、方針有無
サプライチェーンCSR CSR調達方針の有無

サプライヤー現地訪問調査

  調査対象先
2021年3月期

木質燃料調達先

2021年3月期には、当社出資先である苫小牧バイオマス発電株式会社(以下、TBP)および北海道バイオマスエネルギー株式会社(以下、HBE)の主要木質燃料サプライヤーである三井物産フォレスト株式会社および、物林株式会社を外部専門家と共に現地訪問し、3日間にわたって調査しました。3日間にわたる調査では、当社のESG DDチェックリストに基づき、サプライヤー2社の工場、山林等の現場視察および管理責任者や従業員との対話、関連書類の確認を行い、特に「原料調達」「労働安全衛生」「環境管理」の項目を中心に実態調査を行いました。今回の現地訪問調査の結果、いずれの項目についても適正に対処がなされており、持続可能なサプライチェーン取組方針において定められる事項を充足していることが確認できました。

2020年3月期

アパレル製品調達先

2020年3月期には、当社子会社で、各種繊維原料、資材、織編み物の貿易およびアパレル服飾雑貨の生産調達事業を担う三井物産アイ・ファッション株式会社(以下、MIF)のサプライヤーである在ベトナムのMAY10 Joint Stock Company(MAY10社)スーツ工場、およびVietThinh Garment Joint Stock Co.(Viet Thinh社)の縫製工場を外部専門家と共に訪問し、実態調査を実施。2日間にわたる調査では、現場視察および管理責任者や従業員との対話、関連書類の確認を行い、特に「人権・労働安全衛生」「法令遵守」「環境管理」「地域コミュニティー」の項目を中心に調査しました。調査の結果、いずれの項目についても適正に対処がなされており、2工場共にサプライチェーン取組方針において定められる事項は充足していることが確認できました。


2020年3月期サプライヤー実態調査 (PDF 897KB)

2019年3月期

水産物調達先、飼料会社(サーモン)

2019年3月期、当社の出資先および調達先であるチリのサーモン養殖・加工・販売会社、Salmones Multiexport S.A.の淡水/海水養殖場、加工工場、および飼料会社一社を訪問し、実態調査を実施。陸上の淡水養殖設備、海上の生け簀双方を訪問し、中央制御室、給餌設備、養殖用水循環設備を視察、また加工工場では、加工・出荷ラインのほか、身色識別センサー、燻製設備、什器洗浄エリア等を視察し、管理責任者や従業員との対話を通じて、「環境管理」「人権・労働」「法令遵守」「品質管理とトレーサビリティ」の側面について調査を行いました。飼料工場では、工場内加工設備のほか、保管倉庫、中央制御室、品質管理室を視察し、管理責任者や従業員へのインタビューを通じて環境面、労働・安全、さらにはトレーサビリティの視点における取り組みがしっかりと行われていることを確認しました。
調査の結果、いずれの項目についても適正に対処がなされており、「サプライチェーンCSR取組方針」において定められる事項は充足していることが確認できました。


2019年3月期サプライヤー実態調査(PDF 818KB)

2018年3月期

油脂化学製品調達先(オレオケミカル)

2018年3月、当社の調達先であるマレーシアの油脂化学(オレオケミカル)製造会社の工場および調達農園を訪問し、実態調査を実施。製造会社の工場では製造工程、品質管理ラボ、制御室、貯蔵庫、パッキング工程、排水処理場、従業員食堂を視察し、管理責任者や従業員へのインタビューを通じて、「環境管理」「人権・労働」「法令遵守」「品質管理とトレーサビリティ」の側面について調査を行い、パーム農園では、プランテーション、搾油工場、バイオマス発電プラントを視察し、管理責任者や従業員との対話を通じて環境面や労働・安全面における取り組みを確認しました。調査の結果、いずれの項目についても適正に対処がなされており、「サプライチェーンCSR取組方針」において定められる事項は充足していることが確認できました。


2018年3月期サプライヤー実態調査 (PDF 1.03MB)

2017年3月期

食品原料調達先(りんご果汁)

2016年9月、当社の調達先である中国・山東省の果汁加工会社・工場、および調達農園を訪問し、実態調査を実施。農園、果実搬入プール、搾汁工場、化学薬品保管庫、品質検査室、充填工場、低温倉庫、汚水処理施設、管理棟、食堂および寮の各現場の視察と、工場管理責任者や農家との対話を通じて、「環境管理」「労働慣行」「法令順守」「品質管理とトレーサビリティ」の側面について確認を行いました。調査の結果、いずれの項目についても適正に対処がなされており、「サプライチェーンCSR取組方針」を満たさない事項は認められませんでした。


2017年3月期サプライヤー実態調査 (PDF 1.5MB)

2016年3月期

製紙資源調達先(ウッドチップ)

2016年3月に、当社製紙資源の調達先であるオーストラリア、ヴィクトリア州の西側、Green Triangle地域の植林地および加工・輸出事業会社、原木サプライヤー、森林管理請負会社(計6か所)に対して実態調査を実施。植林地、加工工場(ウッドチップ゚粉砕)、ストックヤード(入出庫)の現場での確認と原木サプライヤーや森林管理請負会社との対話を通じて、各調達先における「法令遵守」「環境」「労働慣行」などの側面について確認を行いました。調査の結果、いずれも適正に対処されており、「サプライチェーンCSR取組方針」を満たさない事項は見当たりませんでした。


2016年3月期サプライヤー実態調査 (PDF 1.48MB)

子会社・関連会社への取り組み

当社では、持続可能なサプライチェーン取組方針等に関し、子会社でもしっかり理解され、子会社のサプライヤーに対しても取り組みが実践されているかを確認するために、2021年3月期から子会社のサプライチェーンマネジメントにつき内部調査を実施しています。内部調査では当社方針への理解状況やサプライヤーへの確認事項等につき調査し、フィードバックと共に方針への理解を向上させるために方針内容等につき説明を行っています。

2021年3月期には、東邦物産株式会社、北海道バイオマスエネルギー株式会社、苫小牧バイオマス発電株式会社(関連会社)の3社を選定し訪問しました。管理者および従業員との対話を通じ、改めて当社サスプライチェーンマネジメントを説明し理解と実践を求めると共に、当社持続可能なサプライチェーン取組方針の理解度、同方針のサプライヤーへの送付状況、新規取引開始時のサプライヤー選定基準およびその管理体制、各社の内規および方針等を確認しました。また東邦物産の主要サプライヤー8社に対しては、コロナの影響により現地訪問調査の代わりに、書面を通じたヒアリングを実施しました。

直近の調査で判明した問題および改善指導内容

これまでの調査で、持続可能なサプライチェーン取組方針に基づき、関係会社でサプライチェーンマネジメントがされていることが確認できました。但し、一部サプライヤーに対して方針未送付であることが判明したので、同サプライヤーに対しては事後で持続可能なサプライチェーン取組方針を送付し、同方針への理解と実践を求める対応を行いました。

社員への取り組み

意識啓発・研修

サプライチェーンにおける人権・労働等の問題への感度を高め、問題の発生を未然に防ぐため、人権・労働問題の重要性、当社方針内容につき、社員の意識啓発・研修を継続的に実施しています。

研修実績

※下記表は横にスクロールしてご覧ください。

  2018年3月期 2019年3月期 2020年3月期 2021年3月期
研修受講者数 35名 120名 266名  392名

人権:人権研修

コンプライアンスとインテグリティ:コンプライアンス教育・研修