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Environment

サーキュラーエコノミー

方針・基本的な考え方


限りある資源の有効活用や環境負荷低減の観点からサーキュラーエコノミー(循環経済)を目指す動きが欧州を中心に加速化しています。三井物産は、さまざまな製品の原料、地下資源の開発・加工・販売に加え、地上資源のリサイクルを推進しています。サーキュラーエコノミーへの移行においては、廃棄物規制強化や原材料需要減少等のリスクと、サーキュラーエコノミーへの対応を進める取引先のニーズを捉えた新たなビジネス機会の両面で当社事業に影響があると認識しています。

当社のマテリアリティである「環境と調和する社会をつくる」に基づき、環境方針においては、資源・エネルギーの利用効率改善、廃棄物の削減に取り組むこと、また、サーキュラーエコノミー事業を通じて、経済成長と環境負荷低減の両立に努めることを掲げています。
中期経営計画2023においては、サーキュラーエコノミーをサステナビリティ経営における重要課題の一つとして特定し、資源やエネルギーの投入量と廃棄物発生量を抑えつつ、資源循環の中で付加価値を生み出して経済成長と環境負荷低減の両立を目指すサーキュラーエコノミー事業の取り組みを推進しています。

当社は、川上から川下に至るまでの全てのバリューチェーンにおいて幅広い製品・サービスを取り扱い、各ステークホルダーに対する課題解決に取り組んできました。当社事業を通じて培った知見やグローバルネットワークを活用し、バリューチェーン上の全ての段階において、代替製品や当社が納入する製品から生じる副産物や残渣の有効活用方法の提案並びにマテリアルデザインによる価値創造等を行い、サーキュラーエコノミーへの移行で生じる新たなビジネスチャンスの取り込みや既存事業の拡大を推進し、当社収益基盤の強化と企業価値向上につなげていきます。

さらに、オフィス活動においても廃水の処理やリサイクルなど適切な管理を行い、水の消費削減に努めます。


環境方針

ビジネスモデル

当社は、「トレーディング」と「事業経営・事業開発」の両輪での成長を軸とするビジネスに取り組んでいます。川上から川下までの幅広い事業を通じて培った顧客やパートナーとのネットワークを活かし、メーカーの新しいデザインに適した資源・原料を提案し、また使い終わった資源を回収し、当該資源を別の事業分野で再利用を行う等、総合商社ならではの総合力を発揮し、情報収集・分析を行い、サーキュラーエコノミー移行の機会を捉えて新たなビジネスモデルや新事業の創出を行います。

主なリスクと機会およびそれに対する戦略

当社は、川上から川下まで幅広い事業をさまざまな国・地域で展開していますが、サーキュラーエコノミーへの移行における当社事業のリスクを以下の通り分析、特定しています。

法令・政策変更リスク
  • 製造・販売・使用・消費・廃棄に関する規制・税制変更
  • 廃棄物管理コスト上昇
  • 製品の製造/焼却に対するGHG排出規制
技術リスク
  • 線形型ビジネスモデルの生産設備等の座礁資産化
市場リスク
  • 資源枯渇に伴う資源価格の高騰・ボラティリティ拡大
  • 資源入手困難に伴うサプライチェーン分断
  • 環境配慮素材・製品への需要拡大による顧客喪失
  • 再生材需要に対する供給能力不足等による顧客喪失
  • 既存製品の陳腐化・顧客との関係希薄化
レピュテーションリスク
  • 資源循環への対応遅れによる当社ブランドイメージの低下
  • ESG投資家の関心低下

また、各セグメントにおいて、内外経営環境を見極め、事業を取り巻くリスクと機会を特定し、それぞれに対し個別戦略を立てて取り組んでいます。

※下記表は横にスクロールしてご覧ください。

セグメント リスク 機会 戦略
金属資源
  • 地下資源需要の伸び鈍化
  • 金属リサイクルニーズの拡大
  • 電動化・EV普及に伴う、電池原料の需要増
  • 保有事業の競争力強化
  • 金属リサイクル事業の拡大
  • 二次電池原料のバリューチェーン構築
エネルギー
  • 化学品原料としての化石燃料の需要減少・価格下落
  • バイオ燃料等、次世代エネルギーの需要増
  • 次世代燃料事業(バイオ燃料、水素、燃料アンモニア等)の推進
機械・インフラ
  • 石炭火力事業を取巻く社会環境の変化
  • 新技術・新市場創出に伴う既存ビジネスの需給変化
  • 自動車・鉄道・航空機・産業機械販売減少
  • 再生可能エネルギー発電事業
  • シェアリングビジネスの普及・一般化
  • 継続課題である川上分野・働くクルマへの取り組み、次世代モビリティへの取り組み、実証実験を通じた新規分野、ソリューション事業開拓に注力
化学品
  • 化石燃料由来化学品の需要減少、それに伴う産業構造の変化
  • 需要増大に伴う再生材の原料需給ひっ迫(廃PET等)
  • カーボンマネジメント、気候変動対応への要求拡大
  • Oil to Chemicalsの更なる進展
  • プラスチックリサイクル事業機会の拡大(再生PET等)
  • 環境配慮型素材に対する商内創出機会の拡大
  • プラスチックリサイクルなどの循環型経済への貢献
  • 低炭素社会の実現に向けた取り組みの拡大
鉄鋼製品
  • 国内生産減少を背景とした業界再編と流通構造の変化
  • 地政学リスクの高まりによる商品需給への影響
  • 脱炭素化・サーキュラーエコノミーの加速化によるサプライチェーンの構造変化とインフラ長寿化需要の高まり
  • モビリティ分野での素材軽量化・高強度化ニーズの拡大
  • DXの進展による流通形態の効率化
  • 脱炭素・循環型社会をテーマに、電炉事業・インフラ長寿命化への取り組み
  • 電炉事業における国内外の事業基盤の拡充、グリーン化の推進
  • ショーボンドホールディングス株式会社との合弁会社を通じた海外インフラメンテナンス事業の推進
生活産業
  • 環境配慮素材・再生材需要急増時の対応
  • 廃棄物コスト上昇
  • 商品廃棄に対する消費者意識の高まり
  • 高精度需要予測に基づく地域・店舗別の製造・流通量最適化による廃棄ロス低減
  • 低環境負荷商材のニーズ拡大
  • 容器包装/製品の再生材需要の拡大
  • ボリューム重視からアウトカム重視へ消費者思考の変化(X as a Serviceの拡大)
  • AIやロボティクスなどのデジタル機能を活用し、需要予測、物流機能を高度化・先鋭化し、流通インフラ基盤を強化
  • サプライヤー、メーカー、顧客と連携し、環境負荷の小さい素材、包材調達、開発数の増加に向けた取り組み
  • 副産物の有効活用に関する検証、既存・新規顧客への副産物活用に関する提案を積極的に実施。バリューチェーンで発生する廃棄物の減少と副産物の再利用、活用販路を実現・環境負荷の小さい素材、包材の調達力、開発力の強化
次世代・機能推進 特有リスクなし
  • シェアリング/サービス提供型ビジネスの事業機会拡大
  • エネルギー効率化に資するICTソリューション事業
  • 新たなテクノロジー、ビジネスモデルを活かした新事業創出

目標


オフィスでの資源節減目標

  1. 本店、当社自社ビル(大阪、名古屋)における廃棄物のリサイクル率を2030年までに90%以上にする。
  2. 本店および国内支社・支店における紙資源使用量を2030年までに原単位で2020年3月期対比50%減以下にする。

※下記表は横にスクロールしてご覧ください。

目標に対する進捗 対象範囲 単位 2019年3月期 2020年3月期 2021年3月期 目標達成状況
廃棄物のリサイクル率 本店、当社自社ビル(大阪、名古屋) % 81.9 82.2 85.6 目標達成まで後4.4%
紙使用量原単位 本店、国内支社・支店の従業員一人当たりの年間紙使用量 千枚/人 9.51 7.18 2.97 コロナによるテレワークの影響で2021年3月期は目標達成

環境パフォーマンスデータ:廃棄物・資源使用量(廃棄物排出量 リサイクル率)

事業でのセグメント目標

各セグメントでサーキュラーエコノミーへの移行に伴うリスクと機会の分析を進め、サーキュラーエコノミー型の新たな事業創出を目指す。

セグメント 目標 進捗
金属資源
  • 地下資源事業の強化に加え、サステナビリティ・循環型社会を見据えた地上資源(リサイクル)事業を組み合わせ、事業の経済性と持続の両立を図る
  • 事業環境の変化へ対応、新規ビジネス開拓:リサイクル事業、二次電池原料バリューチェーン構築、低炭素素材の供給などの取り組みに進展
エネルギー
  • エネルギーソリューション分野の取り組みを拡大・加速。次世代事業創出の牽引役として全社戦略の策定・実行、業容の融合による総合力の発揮を行う
  • エネルギーソリューション本部が発足、分散RE電源・バイオ燃料・水素アンモニア・モビリティ電動化等の次世代型エネルギー事業取り組みを加速
機械・インフラ
  • グループ経営実践、EV/FCV強化、MaaS分野の成長取り込み、アジアの成長を捉えるプラットフォーム拡大
  • グローバルネットワーク・パートナーを通じた販売・リース体制の拡充
  • 中古機を再利用することで、モノの長寿命化を図る
  • プラットフォーム型インフラ事業、次世代モビリティ、宇宙・環境・DX事業等の新規取り組み進展
  • 経済成長に伴い乗用車・輸送機器の需要が拡大しているチリ、ペルー、ロシア、フィリピンなどでの販売に加え、ブラジルでのリース事業を開始
  • 旅客機の貨物機への用途変換を推進し再利用化
化学品
  • 環境に優しい素材・製品の開発およびリサイクルやその他循環型ビジネスの創出・強化
  • サーキュラーエコノミーの実現に向けたリサイクル事業の推進
  • 海洋プラスチックごみ問題解決を推進するアライアンスCLOMAへの参画
  • プラスチック・バイオケミカル・紙分野でのパートナー企業との低環境負荷素材・製品の開発および事業化を検討中
鉄鋼製品
  • 脱炭素化社会、サーキュラーエコノミー、次世代モビリティ等の環境変化を捉え、DXを活用しながらモビリティ・インフラ・エネルギー・流通の4領域でビジネスの発掘・拡大に取り組む
  • サーキュラーエコノミー実現に向け、IMR(点検・維持管理・補修)事業を強化。ショーボンドホールディングスとの合弁事業であるSHO-BOND&MITインフラメンテナンス(SB&M)を通じて、タイの財閥系素材最大手サイアム・セメント・グループ(SCG)とCPAC SB&Mライフタイムソリューション(CPAC SB&M)をタイで設立
  • 株式会社北拓とホライズン・オーシャン・マネジメント株式会社を設立し、日本で洋上風力発電設備の点検・メンテナンス事業を開始
生活産業
  • デジタル機能を活用して、消費者が求める商品やサービスを創造し、最適な物流網で届け、豊かで健康な暮らしづくりを事業を通じて実現する
  • 当社取り扱いの食料バリューチェーンで発生する副産物の高付加価値化、需要開拓による販路拡大循環システムの構築を推進
  • 当社の事業バリューチェーンで扱う素材、包材につき、環境負荷の小さい素材、包材の開発、調達、取り扱いを拡大し、当社事業における環境負荷の低減を進める
  • 流通事業でのデジタル機能を活用した消費者接点の拡大、消費者情報を活用したモノづくり機能強化とEC市場の成長取り込み、国内食品中間流通機能子会社集約による機能強化・効率化、ファッション・繊維事業の中核事業会社の統合検討
  • 薄肉軽量化、簡素化(トップシール等)した食品容器包装資材を顧客向けに提供(使用量の削減)
  • バイオマスフィルム、バイオマスインキ、紙パックアルミレス、間伐材、リサイクルフィルム、森林認証紙を製品に利用
  • 大豆・菜種・小麦・ゴマ・コーン等の副産物を畜産・水産飼料に有効活用
  • サトウキビ搾りかすを発電燃料として再利用
  • 排水処理によって生じる余剰汚泥を乾燥させ、ボイラー燃料として使用
  • カットイチゴのヘタについた果肉を絞りジュース作成
  • 茶葉残渣を堆肥原料に利用
次世代・機能推進
  • 国内中核関係会社の更なる収益基盤の強化、新たなテクノロジー、ビジネスモデルを活かした新事業創出、他事業本部や外部パートナーとの共創
  • 子会社の三井情報(MKI)において、省エネ対策と快適性保持の両立を支援するクラウド型省エネルギーマネジメントサービス「GeM2」や、太陽光発電設備の安定稼働を支援するクラウド型遠隔監視サービスを提供
  • 関係会社エアアズアサービス(AaaS)において、業務用空調・換気設備の遠隔でのモニタリングおよび制御を行い、空調利用環境の最適化と省エネ効果を最大化するサービスを提供

体制・システム


サステナビリティ経営推進

サステナビリティ委員会は、経営会議の下部組織として、サーキュラーエコノミーに関わる経営の基本方針、事業活動やコーポレートの方針・戦略に関し、企画・立案・提言を行っています。
サステナビリティ委員会の活動については、取締役会による監督が適切に図られる体制となっており、サステナビリティ委員会における審議事項は、定期的に経営会議および取締役会に付議・報告されます。

管掌役員 佐藤 理(常務執行役員、CSO(チーフ・ストラテジー・オフィサー)、サステナビリティ委員会 委員長)
審議機関 サステナビリティ委員会
位置付け
  • 意思決定機関である経営会議の下部委員会
  • 委員会で審議されたサーキュラーエコノミーに関わる重要事項は、経営会議、取締役会等に付議・報告されます
事務局 サステナビリティ経営推進部

当社サステナビリティ経営の推進体制図やサステナビリティ委員会の活動に関する詳細はリンク先をご参照ください。


サステナビリティへの考え方・推進体制:体制・システム

サステナビリティへの考え方・推進体制:サステナビリティ委員会

事業本部タスクフォース

複数の事業本部でサーキュラーエコノミータスクフォースが部横断で組成されており、各事業本部における外部環境分析やビジネス機会検討を行っています。タスクフォースでの分析結果や検討内容は適宜事業本部長、経営会議メンバーに報告しています。

ベーシックマテリアルズ本部 2018年10月にサーキュラーエコノミータスクフォースを立ち上げ、本部内のサーキュラーエコノミーに関する情報交換のプラットフォームとすると共に、定期的にサーキュラーエコノミー関連情報レポートを社内に発信。2020年4月に本部長直轄のサーキュラーエコノミー推進チーム(CET)を組織化・設置(専任: 1名、兼務: 4名)し、具体的サーキュラーエコノミー案件化に取り組み開始。取り組みの拡大に合わせ、現状、専任1名、兼任9名(内主務2名)まで拡大。
パフォーマンスマテリアルズ本部 2021年6月に本部長直轄のサーキュラーエコノミー推進チームを設置(専任:2名、兼務:6名)。本部内のサーキュラーエコノミー型の新規ビジネス創出および横断取り組みの支援、関連情報の発信等を行っています。
鉄鋼製品本部 2021年3月に本部長直轄のグリーンスチールイニシアティブ推進チームを設置(専任:2名、兼任:2名)。各部・海外拠点に設置したコーディネーター(11名)と共に、グリーン調達、水素・CCUS、電化、サーキュラーエコノミー関連等の新規ビジネスの創出、および本部横断取り組みの支援、関連情報の発信等を行っています。

ステークホルダーとの協働


イニシアティブへの参画

イニシアティブへの参画を通じたサーキュラーエコノミーへの取り組みを推進、拡大させています。各イニシアティブへの参画においては当社のサーキュラーエコノミーに対する基本方針、取り組みと合致しているか確認の上、参画を決定しています。

クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)

CLOMAは、地球規模の新たな課題である海洋プラスチックごみ問題の解決に向け、プラスチック製品の持続可能な使用や代替素材の開発・導入を推進し、イノベーションを加速するため2019年1月に設立され、当社は幹事会社26社の一社になっています。CLOMAには、当社および子会社の三井物産プラスチック株式会社、三井物産ケミカル株式会社、三井物産パッケージング株式会社、ベンダーサービス株式会社を含めた419社・団体(2021年5月現在)が参画しています。
当社は、用途に応じた最適な代替素材の選択を容易にするために技術情報の共有を行う普及促進部会、最新の開発成果に関する技術交流・技術セミナーの開催を行う技術部会、国際機関・研究機関等との連携による情報収集・発展途上国等への情報発信・技術コンサルティングを行う国際連携部会に参加し、国際連携部会傘下に組成されたインドネシア協力WORKING GROUPでは座長を務め、特定国にフォーカスした貢献も企図しています。今後も海洋プラスチックごみ問題の解決に向け引き続き必要なアクションを取っていきます。

CEFLEX(Circular economy for flexible packaging)

CEFLEXは、軟包装材のバリューチェーン全体を代表する企業や団体など、プラスチック包装材料のバリューチェーンに関わる200社以上から構成される欧州の共同コンソーシアムで、プラスチック製軟包装材を回収・分別・再資源化するインフラシステムの構築を検討しています。当社は2018年から参画し、様々なワーキンググループで積極的な役割を果たしています。今後もCEFLEXへの参画を通じて、サーキュラーエコノミー(循環経済)の実現に貢献していきます。

循環経済パートナーシップ

循環経済への流れが世界的に加速化する中で、日本国内の企業を含めた幅広い関係者の循環経済への更なる理解醸成と取り組みの促進を目指して、官民連携を強化することを目的として環境省、経済産業省および一般社団法人日本経済団体連合会によって創設されました。当社は本パートナーシップを通じて循環経済分野での日本企業の競争力向上に貢献していきます。

環境基金を通じたNGO・NPOとの協働

都市河川荒川から探る海洋ごみ削減方策検討プロジェクト

2016年1月、世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)にて、各国が相当に積極的なリサイクル政策を導入しない限り、2050年までに海を漂うプラスチックごみの量は魚の量を上回ることが発表されました。現在、海洋に投棄されるプラスチックごみの量は、年間1,200万トン。ごみ収集車1台が10~30秒に1回、ごみを海洋に投棄している計算になります。2030年には2倍、2050年代には4倍になることが予測されています。海洋ごみの6割以上は街ごみ由来で河川を伝って海に流入すると言われています。
日本国内から発生する海洋ごみは2~6万トンと推算されていますが、これらは海外のデータを基に算出されており、国内における単位人口当たりに発生する街(河川)ごみの量を調査した事例はほとんどみられません。
当社は特定非営利活動法人荒川クリーンエイド・フォーラムへの助成を通じ、荒川支川(閉鎖性)の1つを対象に沿川の街から河川に流入するごみを調査し、単位人口当たりに発生するごみの量を把握するとともに、荒川にて、これまでほとんど調べられてこなかった河川敷生活者に起因する河川ごみの量についても調べ、海洋ごみの根源を断つことを目指した活動を行っています。

中古石鹸の循環を基盤とした共生社会の創出

特定非営利活動法人ハッピーステップスは、新興国では石鹸で体を洗うことができないことが原因で皮膚病患者が多いという創設者の新井玲子氏の実経験から石鹸の価値に気づいたことがきっかけで設立されたNPO団体で、そのコアメンバーが全員女性で、世の中に溢れる石鹸、中古の自転車、ビニール傘等「もったいない」ものの価値に再度スポットライトをあてて、それらの再利用を図り、雇用を生み出す活動を行っています。
当社は、その理念に賛同し、ハッピーステップスへの助成を通じ従来産業廃棄物として埋め立てていた石鹸ゴミの廃棄量の削減に取り組んでいます。具体的には、ホテル客室から出される年間280トンの中古石鹸、およびメーカーの製造過程で出るくず石鹸を福祉作業所にて再加工のうえ、児童福祉施設や途上国の貧困層等に寄付することで再利用化を図っています。そのために、ホテルやメーカーなどと連携し循環の仕組みを構築することで、環境保全に寄与するとともに、社会全体の意識の改善を目指しています。

環境基金を通じた地域団体との協働

バングラデシュ・クルナ市のウェスト・ピッカー(廃棄物回収人)を対象とした地域社会内廃棄物管理改善プロジェクト

公益社団法人日本環境教育(JEEF)は、体験と対話を重視した環境教育で、持続可能な社会づくりを担う人材を育成するNGOです。
当社は、JEEFへの助成を通じバングラデッシュのクルナ市でフォーラムウェスト・ピッカー(廃棄物回収人)による廃棄物管理の社会配慮面を考慮し、ウェスト・ピッカーの社会的認知度の向上、彼らを含めた地域社会内廃棄物管理への地域住民の積極的な参加、地域内における廃棄物管理に関わる環境教育の推進、ウェスト・ピッカーの有価廃棄物実証事業を通して、クルナ市において行政、ウェスト・ピッカーや住民の協働により、地域社会内の廃棄物管理を改善するためのモデルケース構築を目指しています。

取り組み


各セグメントにおける取り組み

金属資源

循環型社会に対応すべくリサイクル事業を一早く推進しています。子会社の三井物産メタルズでは、アルミ・銅・チタン等の各種非鉄スクラップや電化製品に含まれる廃基板等のリサイクルビジネスを推進し、また、当社出資先であり世界有数の総合リサイクラーのSimsでは、金属リサイクルのみならずニューヨーク市の市中ごみの処理や、ごみ埋立地から発生するメタンガスを活用した発電事業等に取り組んでいます。当社関連会社の共英リサイクルでは、自動車粉砕ダスト等をガス化溶融炉に投入し、発生ガスを隣接する共英製鋼山口事業所に燃料として供給すると共に、同時生成される溶熱スラグを製錬メーカー等に販売しています。

エネルギー

株式会社イワクラ、住友林業株式会社、北海道ガス株式会社と当社で共同出資により設立した苫小牧バイオマス発電株式会社では、主に北海道内森林の未利用間伐木材等を利用した「木質チップ」を発電用燃料として使用し、道内に24時間送電しています。未利用間伐材とは森林を健全に成長させるために定期的に行われる間伐によって生じる間伐材のことであり、これまで林業では利用用途が少なく、森林に廃棄されることもあった木材です。当該木材を有効活用するサーキュラー型発電事業を行うことで、森林のCO2吸収力強化だけでなく、北海道内の林業活性化・森林健全化による生活環境保全機能向上など、地域貢献を行っています。

機械・インフラ

当社は、先進国同様に中南米でも「所有」から「使用」への流れが加速することが想定される中、チリの自動車オペレーティングリース・レンタカー業界最大手であるAutorentas del Pacifico SpAを傘下に持つInversiones Mitta SpA(以下「Mitta社」)に出資参画致しました。Mitta社のチリ鉱山・エネルギー業界向けに高いシェアを持つ自動車オペレーティングリース事業(BtoB)と、歴史ある地場レンタカー事業(BtoC)の基盤を活かして、リース、レンタル、シェアリングのサービス事業を推進し、消費者サイドへのバリューチェーン拡大に努めます。

化学品

ベーシックマテリアルズ本部では、ヴェオリア・ジャパン株式会社(以下「ヴェオリア」)、株式会社セブン&アイ・ホールディングス(以下「セブン&アイ」)と、西日本に新設するPETボトルリサイクル工場(リサイクルPET樹脂製造能力:年間約2.5万トン)の合弁事業に係る株主間契約を締結しました。3社での最終投資意思決定の後、合弁会社を設立して工場稼働を目指します。本事業を皮切りに国内外で廃プラスチック問題などの解決を通じた同様の案件を検討・推進していくことで、サーキュラーエコノミーの確立に貢献していきます。

鉄鋼製品

当社とショーボンドホールディングス株式会社(以下、ショーボンド)が出資・設立したSHO-BOND & MIT インフラメンテナンス株式会社(以下、SB&M)は、東南アジアにおいてインフラ構造物のメンテナンス事業を展開するため、Siam Cement Group(以下、SCG)傘下で建材事業の中核企業であるThe Concrete Products and Aggregate Co., Ltd(以下、CPAC)と共に、合弁会社CPAC SB&M Lifetimes Solution Co., Ltd.を設立しました(出資比率: CPAC 51%、SB&M 49%)。今後SB&Mは、ショーボンドが培ったインフラ構造物のメンテナンスによる予防保全や長寿命化に関する知見・技術力に加え、タイ有数のコングロマリットSCGの事業基盤や当社のグローバルネットワーク等を活かして、タイをハブとした東南アジアでのインフラ構造物メンテナンスニーズに対応していきます。

鉄鋼製品

生活産業

食料本部では、農産物バリューチェーン、動物タンパクバリューチェーンの構築を通じ、農産加工品、畜水産加工品の生産時に出る副産物を有効活用する循環システムを形成しています。具体的には、大豆・菜種・小麦・ゴマ・コーン等の副産物を畜産・水産飼料に有効活用したり、カットイチゴのヘタについた果肉を使用し絞りジュースを精製、茶葉残渣を堆肥原料に利用しているほか、サトウキビ搾りかすを発電燃料として再利用したり、排水処理によって生じる余剰汚泥を乾燥させ、ボイラー燃料として使用する等、副産物の活用販路拡大を推進しています。

副産物有効活用の循環システム 副産物有効活用の循環システム

次世代・機能推進

当社子会社の三井情報(MKI) では映画館や総合スーパー、スポーツジムなど多店舗展開されているお客様向けに、省エネ対策と快適性保持の両立を支援するクラウド型省エネルギーマネジメントサービス「GeM2」を提供しています。建物のエリア毎に温度・湿度情報を収集、データセンターに送信し、その情報をもとに空調(ガス・電気)・換気扇を最適にコントロールし、従来のデマンドコントローラのような発停管理だけでなく、温度やモードのきめ細かな制御により、快適さを維持しながら、大幅な省エネを実現します。このほか、クラウドから遠隔監視する太陽光発電監視サービスを提供しています。太陽光発電設備は、メンテナンスフリーと言われているものの、実際はパネル損傷・汚れ、また機器故障の発生、経年劣化などがあり、様々なメンテナンスポイントがあり、それらの異常にいち早く気づくシステムの検討が必要とされており、こうしたニーズに応える取り組みを行っています。
当社は、ダイキンエアテクノ株式会社と設立したエアアズアサービス株式会社(以下:AaaS)を通じ、利用者に快適な空調空間を月額固定料金で提供するサブスクリプション型のサービスを展開しています。
このサービスは、施設のオーナーに代わって空調設備を設置・保有し、空調機1台ごとの運転状況を24時間365日遠隔監視できるIoTシステムや、取得した運転データの分析技術を活用し、施設ごとに最適な運用管理を提供するものです。機器の運転状況を可視化して無駄をなくすことでエネルギー使用量とコストを削減でき、サービス導入前と比較して概ね20%の電力消費量削減を実現しています。また、稼働時間や負荷を把握し適切な予防保全を行うことで、機器の長寿命化にもつながります。今後もAaaSを通じ、ビルや工場等のエネルギー効率の改善をサポートしていきます。
尚、AaaSは一般財団法人 省エネルギーセンター主催の2020 年度省エネ大賞にて、製品・ビジネスモデル部門省エネルギーセンター会長賞」を受賞致しました。

次世代・機能推進
次世代・機能推進
次世代・機能推進

社会からの評価