三井物産株式会社

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金目山林(山形)

三井物産の森

自然共生サイト

「三井物産の森」が有する自然資本の多面的な価値を、「自然共生サイト」およびOECMという国内外の枠組みを通じて広く発信していきます。
こうした取り組みを通じ、持続可能な森林経営を通じて森林の機能を維持・増進し、日本の森林価値向上とネイチャーポジティブの実現に貢献します。

「自然共生サイト」とは

自然共生サイト

「自然共生サイト」とは、国立公園などの保護地域以外で、民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域を国が認定する制度です。認定区域のうち、既存の保護地域と重複しない区域は、OECM(Other Effective area-based Conservation Measures)※として国際データベースに登録され、更に日本の掲げる 「30by30目標」の達成にも貢献します。こちらは2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全する世界共通の目標です。自然共生サイトでは、生物多様性、生態系サービス、希少種、地域文化、既存保護地域との連続性など、9つの価値基準に照らして対象区域の価値が評価されます。「三井物産の森」では、全国の社有林が持つ特性をこれらの国際的な価値基準に基づいて整理し、森林が有する多様な価値を可視化しています。

※OECM:国立公園等の保護地域ではないものの、生物多様性の保全に資する地域を指します。

三井物産の自然共生サイト登録についての方針

三井物産にとって、自然共生サイト・OECMへの登録は単なる認定取得ではありません。木材生産や二酸化炭素の吸収・固定といった従来の森林機能に加え、生物多様性や生態系サービス、地域文化との関わりなど、森林が持つ多面的な自然資本の価値を、国際的に共有可能な枠組みの中で示す取り組みです。
当社は、全国に広がる「三井物産の森」において、国際的な森林認証であるFSC®認証(三井物産(FM)ライセンス番号:FSC® C057355)を取得し、持続可能な森林経営を推進しています。自然共生サイトへの登録を通じて、各山林の特性に応じた生物多様性や生態系サービス、地域文化など多面的な自然資本の価値を可視化し、広大な社有林を保有する企業としての責任を果たすとともに、日本の森林価値向上を牽引していきます。

「自然共生サイト」9つの価値基準での社有林価値整理

現在、「三井物産の森」のうち、宗谷山林および石井山林(いずれも北海道)、金目山林(山形県)、田代山林(福島県)、清滝山林(京都府)の5山林が自然共生サイトに認定されています。これらの山林は、それぞれ異なる自然環境や地域特性を有しており、生物多様性、生態系サービス、希少種、文化的価値、既存保護地域との連続性など、自然共生サイトの9つの価値基準を幅広く満たす取組として評価されています。当社は、各山林の特性を活かした適切な森林管理を継続し、森林が社会に提供する多様な価値を国内外に発信していきます。

※下記表は横にスクロールしてご覧ください。

山林名 所在地 面積 価値基準
(1)
既存保護地域
(2)
原生的な自然生態系
(3)
二次的な自然環境・生態系
(4)
生態系サービス
(5)
文化的重要性
(6)
希少種
(7)
地域限定・特異種が分布
(8)
動物の生活史的重要性
(9)
既存保護地域との連結・緩衝機能
宗谷 北海道 484.43ha イトウ生息域 イトウ生息域
石井 北海道 308.26ha 非皆伐・保残木施業 多様な生態系サービス
金目 山形 699.17ha ブナ原生林
田代 福島 999.13ha 尾瀬国立公園 高層湿原植物生育 国立公園連結地域
清滝 京都 188.25ha 在来種からなる生態系 京都伝統行事への貢献

「自然共生サイト」に登録された山林の個別情報

宗谷山林

登録時期 2025年後期
所在地・面積 北海道、484.43ha(宗谷山林1,960haのうち、環境的保護林部分)
サイト概要 北海道宗谷郡猿払村に位置し、猿骨川やエコペ川など複数の河川流域に広がる山林です。トドマツ、クロエゾマツなどの天然林・天然性林を主体とし、希少な魚類や鳥類の生息・採餌の場として重要な役割を担っています。
環境省みえる化マップ掲載情報 環境省サイトへの掲載準備中

価値(6)希少な動植物種が生息生育している場あるいは生息生育している可能性が高い場

サイト内を流れる猿骨川では、日本最大の淡水魚であるイトウや、留意種であるサクラマス(ヤマメ)が確認されています。同水系ではカワシンジュガイが確認されているほか、サイト上空を飛来するオジロワシ、オオワシも確認されています。

左:ヤマメ(サクラマス) 右:オオワシ

左:ヤマメ(サクラマス) 右:オオワシ

価値(8)越冬、休息、繁殖、採餌、移動(渡り)など、動物の生活史にとって重要な場

サイト内を流れる猿骨川では、日本最大の淡水魚であるイトウの遡上と産卵が確認されています。また、同水系ではオジロワシなどの鳥類の採餌痕跡が確認されており、イトウ等の魚類の繁殖や、オジロワシ等の鳥類の採餌にとって重要な場となっています。

左:オジロワシ 右:イトウ

左:オジロワシ 右:イトウ

石井山林

登録時期 2025年後期
所在地・面積 北海道十勝郡、308.26ha(山林全域)
サイト概要 北海道十勝郡に位置し、カラマツやトドマツの人工林内に天然更新したミズナラなどの広葉樹が生育する、多層的な針広混交林です。1926年(昭和元年)植栽のカラマツ大径木が現存するほか、クリンソウ、クマゲラ、エゾモモンガなどの希少な動植物も確認されています。
環境省みえる化マップ掲載情報 環境省サイトへの掲載準備中

価値(3)里地里山といった二次的な自然環境に特徴的な生態系が存する場

石井山林は、前所有者が優良な広葉樹を積極的に保残する管理を行ってきたことから、カラマツ人工林内に天然更新したミズナラ等の広葉樹が生育する針広混交林となっており、人工林内で天然更新が実現している箇所もあります。北海道の人工林のカラマツ林の中でも古い、1926年植栽のカラマツ大径木76本が現存しています。天然更新した樹齢の高い広葉樹も多く見られ、人工林の中でも特徴的な景観を形成しています。

左:先代カラマツ周辺 右:クリンソウ

左:先代カラマツ周辺 右:クリンソウ

価値(4)生態系サービスの提供の場であって、在来種を中心とした多様な動植物種からなる健全な生態系が存する場

石井山林は、ゾーニングに基づき適切に管理されており、人工林であっても多様な生物種が生育する環境を形成しています。LEAP分析の結果においても、土壌流出の抑制や蓄積炭素量などについて良好な数値が示されています。

左:エゾエンゴサク 右:エゾオオサクラソウ

左:エゾエンゴサク 右:エゾオオサクラソウ

金目山林

登録時期 2024年後期
所在地・面積 山形県、699.17ha(山林全域)
サイト概要 磐梯朝日国立公園の朝日連峰に近く、ブナを主体とした広葉樹林が広がる山林です。小国町で「白い森」と呼ばれる天然林の一端を担い、豊かな生態系を育んでいます。
環境省みえる化マップ掲載情報 https://policies.env.go.jp/nature/biodiversity/30by30alliance/documents/nintei/R6second11_MitsuisForestsKanameForest.pdf

価値(2)原生的な自然生態系が存する場

価値(4)生態系サービスの提供の場であって、在来種を中心とした多様な動物種からなる健全な生態系が存する場

ブナを主体とした広葉樹林が大半を占め、隣接する森林と一体となって「白い森」を構成しています。急峻な地形もあり、ほとんど人手が入っていない地域で、マタギの活動域となるなど、豊かな生態系が存在しています。希少種として国指定特別天然記念物であるニホンカモシカ、水系ではモリアオガエルの生息が確認されています。

左:砂防堰堤 右:ブナを主体とした広葉樹林

左:砂防堰堤 右:ブナを主体とした広葉樹林

確認された主な動植物

植物:リョウブ、ユズリハ、イワウチワ、ユキツバキ、ナナカマド、コブシ、コハウチワカエデ、クロモジ、キタゴヨウ、ガマズミ、オオカメノキ、ウワミズザクラ、アオハダ、アオダモ、ミヤコザサ、ムラサキヤシオツツジ、オニグルミ
動物:ニホンジカ、ニホンイノシシ、ツキノワグマ、ニホンカモシカ、モリアオガエル、アカハライモリ
昆虫:ルリタテハ(成体)
鳥類:シジュウカラ、ヒヨドリ、カケス

左:ユキツバキ 右:モリアオガエルの卵塊

左:ユキツバキ 右:モリアオガエルの卵塊

田代山林

登録時期 2025年後期
所在地・面積 福島県、999.133ha(山林全域)
サイト概要 福島県南会津郡南会津町に位置する田代山の一角を占める山林です。山頂部には台地状の高層湿原が広がり、チングルマ、イワカガミ、タテヤマリンドウ、ワタスゲなど、季節ごとに多様な高山植物が見られます。
環境省みえる化マップ掲載情報 環境省サイトへの掲載準備中

価値(1)公的機関によって、生物多様性保全上の重要性が既に認められている場

尾瀬国立公園は、1934年に日光国立公園の一部として指定されていましたが、2007年に尾瀬地域が分割され、田代山を含む周辺地域を編入して29番目の国立公園として指定されました。尾瀬地域は、尾瀬火山群の噴火により形成された山岳地形を基盤とし、山々に囲まれた本州最大の山地湿原、地形や気候の影響による湿原植生、拠水林、お花畑等が見られます。北部の会津駒ヶ岳周辺、東部・南部の鬼怒沼山、帝釈山、田代山周辺にも、ブナやオオシラビソを主体とする森林帯や山頂部の湿生草原が形成されており、全般的に共通性の高い植生が見られます。

左:山頂看板 右:山頂湿原池塘初夏

左:山頂看板 右:山頂湿原池塘初夏

価値(7)分布が限定されている、特異な環境に依存する等、その生態に特殊性のある種が生息生育している場又は生息生育の可能性が高い場

田代山林に含まれる田代山は、台地状の頂上部に湿原が広がり、ニッコウキスゲ、チングルマ、イワカガミ、ヒメシャクナゲ、ワタスゲ等の高山植物が見られます。湿原の標高は約1,920~1,970mで、起伏が少なく、北東方向に緩やかに傾斜した湿原となっています。

価値(9)既存の保護地域又は自然共生サイト設定区域に隣接する若しくはそれらを接続するなど、緩衝機能や連続性・連結性を高める機能を有する場

田代山林に含まれる田代湿原は尾瀬国立公園の一部であり、特別保護地域に指定されています。国立公園区域と連続する亜高山帯は第2種特別保護地区に指定されており、オオシラビソ、ネズコ、ハイマツ等の針葉樹が生育しています。

清滝山林

登録時期 2023年後期
所在地・面積 京都府、188.25ha(山林全域)
サイト概要 磨き丸太で有名な北山林業地の一角に位置し、スギ・ヒノキ・アカマツを中心とする山林です。天然生誘導林、一般天然性林、文化的保護林のそれぞれの特性に応じた森林管理を行っています。
環境省みえる化マップ掲載情報 https://policies.env.go.jp/nature/biodiversity/30by30alliance/documents/nintei/R5second46_MitsuiFudosanNoMori_KiyotakiForest.pdf

価値(3)里地里山といった二次的な自然環境に特徴的な生態系が存する場

アカマツ、スギ、ヒノキを中心とした人工林では、樹幹距離を広く確保し、雑木の自然発生を促すことで、針広混交林への誘導を図っています。広葉樹からなる一般天然生林では、伐採、除伐、蔓切等を行い、森林の公益的価値の向上に努めています。一部区域では、北山林業の特色である磨き丸太向けの造林地を維持しています。アオゲラ、オオルリ、イタチ、テン、リス等の在来動物が確認されています。

磨き丸太向け杉造林地

磨き丸太向け杉造林地

価値(5)伝統工芸や伝統行事といった地域の伝統文化のために活用されている自然資源の供給の場としての価値

京都モデルフォレスト協会と協定を締結し、約19haの文化的保護林を無償で貸与しています。アカマツやコバノミツバツツジを、伝統行事である「五山送り火」や「鞍馬の火祭」で使用する薪や松明として提供しています。コロナ禍以前は、間伐などの森林体験学習や、地域の皆様が森づくりを体験する場としても活用されていました。

「五山送り火」用松葉

「五山送り火」用松葉