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Jin-Ah Lim

Deputy General Manager,
Principal Strategic Investments
New York, USA

あらゆる産業領域で、ビジネスにイノベーションを生みだしていく三井物産。その「変革力」を専門的な知見で支えるプロフェッショナルの一人が、Jin-Ah Limだ。


厳しい市場環境でも最適な取引を提案・実行したい

厳しい市場環境でも最適な取引を提案・実行したい

私が三井物産グループの一員となったのは2008年3月のことです。三井物産は60を超える国や地域で、また、さまざまな市場や産業分野でビジネスを展開しています。いわばチャンスにあふれた場。その「場の力」、自分を成長させることができる可能性に魅力を感じ、ここで働くことを選びました。

今はコーポレートディベロップメント本部で、M&A・事業開発チームという部署の室長補佐を務めています。

私たちのチームの業務は大きく2つに分けられます。
一つは、三井物産の他の営業部が手がける新規投資を専門的立場からサポートすること。投資先の選定や、デューデリジェンス(投資先の価値・リスクなどの調査)、契約条件の設定、売主との購入契約の交渉など。すべてのプロセスを営業部と並走して支えます。

もう一つは、ポートフォリオ・マネジメント。つまり投資したあと、投資先企業の価値を高めるため、必要な支援を必要な時に提供することですね。他営業部や投資先企業が取り組む企業買収や合併、既存ポートフォリオの入れ換え・売却など、戦略的な決定をくだすためのあらゆるサポートを行います。

どちらの場合も、とても専門的な知識や経験が必要なことは言うまでもありません。私たちのチームはこれら2つの面から、三井物産が生みだすイノベーションや、新分野への参入、そして投資している企業資産の財務ポテンシャル最大化を支えています。

いま、私たちはかつてないほど厳しい競争環境にさらされています。資産評価も契約交渉も非常にハードなものになっていますし、デューデリジェンスの実行にせよ、さまざまな交渉にせよ、すべてにおいて今まで以上のスピードが求められる。一方で、新しい技術やスタートアップ企業が次々と現れ、目まぐるしく状況が変化する中、いかにその変化にいち早く対応できるかも常に問われていて。こうした厳しい環境下でも、成長していく企業を新たに開拓し、あらゆる選択肢の中から最適な取引を組み立て、遂行する力は、三井物産が成果を挙げる上で不可欠といえます。

そのために、私たちのような投資や金融の専門家チームが社内にいることは大きな意味があります。最新の情報を提供するだけでなく、必要に応じて社外の専門家やアドバイザーも起用しつつ、社内外の総合力を活かす要として三井物産の挑戦を日々支えています。

ヘルスケア人材派遣企業の買収をサポート

私の印象に残っている案件と言えば、なんといっても2014年のThe Delta Companies(以下Delta社)買収です。Delta社は、テキサス州を拠点とするヘルスケア人材派遣企業。米国には世界で最大規模かつ最先端をいく医療系サービス市場があり、Delta社の100%子会社化は事業として大きな可能性を秘めたものでした。

私たちは、社内のヘルスケア・サービス事業本部と共に、綿密な計画のもと買収を遂行しました。そもそもの第一歩、ヘルスケア・サービス事業本部が米国の医療人材派遣業界に参入を検討し始めた初期段階から、プロジェクトに参画。戦略立案から業界分析、三井物産にとって最適な投資先を選ぶ上で必要な市場勢力図の調査まで、一連の作業に共同で取り組みました。

その後、ターゲット企業へのアプローチ、デューデリジェンスの実行、株式購入契約の交渉サポートといった場面でも、私たちは担当チームと密に連携。投資の初期準備段階から完了まで、プロジェクトをスムーズに進めることができました。

ヘルスケア領域だけではありません。私たちはさまざまなかたちで、三井物産の新分野への進出をサポートしています。たとえば、ICTとモビリティのチームがインダストリアルIoTや自動運転向け無線接続サービス市場参入の足がかりとして投資した、Rajant社のケース。ファッション・リテールのチームが次世代型リテール市場へ参入するために投資した、Indochino社のケースなど。他の営業本部が新規市場や将来有望な成長分野へ投資をする際に協働した事例はたくさんあります。

こうした投資やパートナーとの事業開発を通し、私たちは三井物産がさらなるビジネスイノベーションやデジタルトランスフォーメーションを実現するのを一丸となってサポートしています。

世界中から選ばれてプログラムに参加

世界中から選ばれてプログラムに参加

私個人についても、最近、自分のキャリアを考える上でとても大きな転機がありました。社内ではじまった「チェンジ・リーダー・プログラム」への参加です。これは、私のような海外現地採用社員を対象とした長期キャリア開発プログラムです。そのキックオフ・セッションが昨年、つまり2018年11月末に東京で開催され、私も出席しました。

プログラムのはじめは、三井物産の長期業態ビジョンを通じた、会社の事業戦略や進むべき方向性の掘り下げ。次に、意思決定のプロセスや、組織についてのセッション。そして、本店で経営幹部と直接会いオープンに議論する機会がありました。私たち現地採用社員は、ふだんそれぞれの拠点での業務についているため、経営陣と実際に会って話す機会はめったにありません。今回、経営陣と会社の方向性や変えていくべき点などについて直接意見交換できたのは、非常に有意義でした。

さらに、このプログラムには世界中から多様なバックグラウンドを持つ社員が参加しており、彼らとのコミュニケーションはとても刺激になりました。今後もプログラムは続きますが、米州、欧州、アジアなど世界各地から、金融や営業、法律といったさまざまな知見を持つ社員の参加が決まっています。

このプログラムで得た気づきや自信を、目下、毎日の業務に応用し、今よりもさらに上を目指そうと取り組んでいます。

「変革力」のエンジンへ

三井物産のようなグローバル企業で働くことをどう感じているか、ですか?私は世界中の同僚たちにいつも刺激を受けています。私たちのビジネスは、60を超える国や地域に広がっており、さまざまな文化をもった人たちと働く機会が広がっていますから。三井物産は今まで以上にダイバーシティを尊重するグローバル企業となってきていると感じています。

三井物産は、「人の三井」と称されてきました。この会社で10年間働いて気づいた一番のことは、社員が会社に対して強いコミットメントと、ゴールに向かい一丸となって努力する姿勢を持っているということです。三井物産はチームを大切にする組織であり、社員は長きにわたって会社にコミットしています。それが、ここでの10年の経験の中で見てきた特筆すべき資質です。

私には、仕事をする上で支えとしている3つの哲学があります。1つ目はインテグリティ。つまり、私自身に対しても他者に対しても正直であること。2つ目は常に成長を意識すること。これは育児の経験から学んだことです。どんな時も新しいことを追求し、自分を成長させる心がけを大切にしています。そして、3つ目はチームワークを尊重すること。何事においても、すべて一人でやり遂げることはできませんから。

私個人の中期目標ですか。そうですね、これまで私の部署の業務は、他の営業部門のサポートが中心であり、その内容は限られた範囲にとどまる面がありました。しかし、「チェンジ・リーダー・プログラム」に参加したことで、私たちのチームがよりビジネスの現場に深く関わり、投資戦略策定からその投資案件を成功へ導くまで、全体のプロセスにもっと参画したいと考えるようになりました。

いま私が目指しているもの。それは、私たちのチームが三井物産の「変革力」のエンジンとなること。この一言に尽きますね。

2019年3月掲載