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最終更新:2024.01.18

ZEB(ゼブ)とは?メリットや導入事例をわかりやすく解説

「ZEB」とは「Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング)」の略称であり、「ゼブ」と読まれます。

エネルギー消費量を軽減・効率化し、さらに創エネ(自家発電)と両立することでエネルギー収支をゼロにすることを目指す建物のことです。外部のエネルギーへの依存度が減るためコスト削減が期待できるだけではなく、地球温暖化対策やエネルギー需給の安定化にも貢献する建物として期待されています。

ZEB(ゼブ/Net Zero Energy Building)とは何か?

「ZEB」とは「Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング)」の略称であり、「ゼブ」と読まれます。
エネルギー消費量を軽減・効率化し、さらに創エネ(自家発電)と両立することでエネルギー収支をゼロにすることを目指す建物のことです。外部のエネルギーへの依存度が減るためコスト削減が期待できるだけではなく、地球温暖化対策やエネルギー需給の安定化にも貢献する建物として期待されています。

3種類のZEBを解説~Nearly ZEB、ZEB Readyとは?~

ZEBはゼロエネルギーの達成状況に応じて以下の3段階のランクに分けられています。

ZEB
年間の一次エネルギー消費量収支ゼロを実現している建物のことです。創エネによって、外部から必要なエネルギーが0%以下になることもあります。

ZEB READY

将来的なZEB化を目指し、断熱化などの省エネ化を実施した建物のことです。省エネ効果だけで、必要エネルギーを50%以下まで削減します。

Nearly ZEB

ZEBに限りなく近い建築物として分類されます。上述したZEB Readyの要件を満たし、さらに再生可能エネルギーによって一次エネルギー消費量のゼロ化を目指します。外部から必要なエネルギーは従来の25%以下まで削減されます。

建物をZEB化する5つのメリット

ZEB化による代表的な5つのメリットをご紹介します。

光熱費を削減する
使うエネルギーの創出を建物だけでほぼ完結できるため、外部のエネルギー供給への依存度を下げることができます。そのため、光熱費の削減が可能です。

従業員の快適性や生産性が向上する

通常、快適性や生産性はエネルギー消費とトレードオフの関係にあります。ZEBであれば建物内の快適性・生産性を維持しつつ、省エネを両立可能です。

BCP対応により、災害の際の事業や地域の継続性が向上する

災害等の非常時には外部からのエネルギー供給が遮断されることも考えられます。ZEBであれば、そうした非常時でも独立して稼働可能です。緊急時の避難先としても機能します。
不動産価値が向上する
近年は環境やエネルギーに配慮した建物への評価が高まっています。テナントへのアピール力が増すため、ZEBは不動産投資の間でも注目されています。

環境への配慮

完全、もしくは完全に近いエネルギー消費の自立を実現しているZEBは、環境配慮・省エネ活動の啓蒙につながります。

ZEB補助金がもらえる場合も

ZEB化に対する補助金制度として経産省による「ZEB実証事業」、環境省による「レジリエンス強化型ZEB実証事業」「ZEB実現に向けた先進的省エネルギー建築物実証事業」があります。
いずれの事業も毎年5月~6月に受付が行われます。また、ZEBの相談窓口となるZEBプランナーの関与が必須となる点も共通です。
令和5年度の受付は終了しています。以下では、令和5年度の公開情報に基づき、それぞれの事業についてお話しします。

経済産業省「ZEB実証事業」の補助金

ZEB実証事業は、導入した高性能建材・高性能設備機器の情報を提供することを条件に、その費用の一部を補助する事業です。令和5年度の仕様は以下のようになっています。

- 公募期間:(一次)5月上旬~6月上旬、(二次)7月下旬~8月下旬
- 補助対象:新築10,000㎡以上、既築2,000㎡以上の民間の建築物
- 補助率:補助対象経費の2/3以内
- 補助上限:5億円

環境省「レジリエンス強化型ZEB実証事業」の補助金

「レジリエンス強化型ZEB実証事業」は災害など緊急時の拠点となる公共施設や公園に再生可能エネルギー設備や蓄電池などを導入する際の補助制度です。

- 公募期間:5月下旬~6月下旬
- 補助対象:地方公共団体の建築物、10,000㎡未満・新築の地方公共団体以外所有の建築物、2,000㎡未満・既設の地方公共団体以外の所有の建築物
- 補助率:2/3以内
- 補助上限:5億円(2,000㎡以上の地方公共団体の建築物、2,000~10,000㎡の地方公共団体以外所有の建築物)、3億円(2,000㎡未満の建築物)
詳細は「一般社団法人静岡県環境資源協会」のページでご確認ください。

環境省「ZEB 実現に向けた先進的省エネルギー建築物実証事業」の補助金

「ZEB 実現に向けた先進的省エネルギー建築物実証事業」はZEB化を目指す業務用建築物のシステム・設備導入を補助する事業です。ZEBだけではなく、Nearly ZEB、ZEB Readyまで幅広くカバーします。
補助率は2/3、5億円が上限ですが、新築・既設、公共団体の所有・公共団体以外の所有、ZEB、Nearly ZEB、ZEB Readyによって細かく補助率・補助上限が異なります。
詳しくは「一般社団法人静岡県環境資源協会」のページでご確認ください。

全国に広がるZEBの導入事例を紹介

ZEBは新築で建てられるほか、既設の建物をZEB化することも可能です。新築のZEB、既設のZEB化の事例をご紹介します。

ZEB導入事例①新築編

山形県にある日本環境科学株式会社本社の新社屋はZEBで新築されました。地下水熱エネルギーを「冷暖房・給湯・融雪」の3つの熱需要に活用するトータル熱供給システムを導入されています。さらに、断熱等による外皮性能の向上、外付ブラインド、全熱交換型換気システム、太陽熱温水器等の導入により高い省エネを実現されています。

ZEB導入事例②改築編

新潟県柏崎市の柏崎海洋センターシーユースでは、高効率機器、高COP型ヒートポンプ、ペレットストーブなどを導入する改築を行いました。結果として、ZEB Readyに該当する50%以上75%未満の省エネ率を達成しました。また、廃熱を利用するシステムにより、今後はさらに一次エネルギー消費が削減される見込みです。
参考:JESC-ZEB棟 - ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ゼブ)ポータル
事例 - 柏崎海洋センター シーユース雷音 | 環境省「ZEB PORTAL
ZEB化することによって建造物の価値は大きく向上します。懸念されるコストについても、条件に該当すれば補助金によって削減することが可能です。新しい時代に対応する不動産の提供をお考えの方は、建物のZEB化をご検討ください。

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