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リスクマネジメント

ESGリスクマネジメント

方針・基本的な考え方


三井物産のグローバルで幅広い事業活動はさまざまなリスク(事業の履行に伴う損失の危険)に直面しており、経済のグローバル化、情報化、及び企業の社会的責任に対する意識の高まり等により、企業のビジネスチャンスとリスクはますます多様化し増大しています。また、経営・事業を取り巻く環境変化のスピードが上がり、不確実性が高まる中、リスクに対する感度を上げて素早く対応するために、リスクマネジメント方針の定期的な見直しを行っています。

体制・システム


環境・社会面におけるリスク管理プロセス

環境・社会リスクへの対応(2024年4月現在)

環境・社会リスクへの対応(2024年4月現在)

当社では、社会情勢やビジネスモデルの変化に的確に対応し、定量及び定性の双方から総合的にリスクを管理するため、環境・社会・ガバナンス等に関連するリスク領域を各事業の推進審査項目に組み入れた実効的なリスク管理体制のもと、事業を推進しています。

中でも、世界各国・地域で事業を展開する当社にとって、気候変動に関わる各国・地域の政策は各事業の収益性、持続可能性に大きな影響を及ぼします。当社では、国際エネルギー機関(IEA)等の複数の気候変動シナリオを活用し影響が大きい事業のシナリオ分析を実施、また、社内カーボンプライシング制度を導入するなど、リスクと機会の両側面での影響を把握し、投融資案件やM&A等の意思決定に活かしています。

当社が事業に取り組むにあたっては、新規に開始する段階に加え、操業時、及び撤退時においても環境・社会に対する最大限の配慮に努める仕組みを整えています。気候関連リスクを含む環境・社会リスクについては、その対応方針や施策をサステナビリティ委員会で討議し、経営会議及び取締役会に報告・承認取り付けの上、実行しています。また、サステナビリティ委員会の決定により環境・社会テーマに関する外部有識者から構成されるサステナビリティアドバイザリーボードを設置しており、必要に応じて環境・社会リスクについて助言をもらっています。


ESGデューデリジェンスチェックリスト

当社では、事業領域や金額規模を限定せず、すべての新規投融資事業にESGデューデリジェンスチェックリストを活用し、各事業部において、気候変動を含め、汚染予防、生態系、水ストレス等の環境や人権、労働環境や労働安全衛生等に関するESG影響評価を行い、一定の定量・定性基準への該当有無に応じてESGリスクを監督する取締役会、経営会議、代表取締役による稟議決裁により、推進可否を決定しています。ESGデューデリジェンスチェックリストは、環境・社会への配慮に関する国際基準の一つである世界銀行グループIFCのPerformance Standardを基に、約150の項目で事業における環境・社会リスクを網羅的にスクリーニングする目的で作成・活用しているものです。また、操業中の事業の拡張や撤退時にも、事業開始時同様に必要に応じてESGデューデリジェンスチェックリストや外部コンサルタントを活用したESG影響評価を実施し、推進可否を決定しています。

既存事業においては、事業の環境・社会リスクを適切に把握・管理するため、当社単体では国際規格ISO14001に基づく管理を行っています。さらに、環境への影響が大きい子会社についても、ISO14001または環境・社会への配慮に関する国際ガイドラインに則った環境マネジメントシステムの構築により、子会社自身による環境マネジメントを促進しています。

環境関連事故、法令・条例違反に関わる事象が発生した場合は影響に鑑み速やかに報告する体制を整えています。この他、ステークホルダー対応の一環として、NPO・NGO、学際組織、政府機関との対話を通じて事業のリスクと機会を把握し、必要な対応を検討しています。

公共性が高く、プロセスの透明性が求められるODA(政府開発援助)商内については、ODA商内管理制度に基づき、必要に応じてODA案件審議会で審議の上、適切なリスク管理を行っています。特に贈賄や腐敗に関しては、その重要性に鑑み、包括的にリスク評価を実施しています。なお、国内外の官公庁等から直接あるいは間接的に補助金を受ける補助金受給案件については、受給金額や補助金の内容に応じて適切なリスク管理を行っています。


コンプライアンスとインテグリティ:腐敗防止に向けた取組み