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三井物産株式会社(本社:東京都千代田区、社長:安永竜夫、以下「三井物産」)は、アジア最大手の民間病院グループIHH Healthcare Berhad(以下「IHH社」)の株式16%相当を、同社筆頭株主であるマレーシアのKhazanah Nasional Berhad(以下「カザナ社」)の100%出資持株会社より取得することを決定し、11月28日に株式譲渡契約書を締結しました。取得対価は約84億マレーシアリンギット(約2,300億円)で、本追加取得の実行後、三井物産は既存持分と合わせIHH社株式32.9%相当(*)を保有する筆頭株主になります。
(*)IHH社と同社傘下Acibadem株主であるMehmet Ali Aydinlar、Hatice Seher Aydinlar及び、カザナ子会社(Pulau Memutik Ventures Sdn Bhd, Bagan Lalang Ventures Sdn Bhd)との株式交換に伴う新株発行後のIHH社株式数をもとに計算しており、本件追加取得は、当該株式交換完了と必要なインド当局許可取得後に完了する予定です。
IHH社は、シンガポール、マレーシア、トルコ、インド等9ヶ国で50病院、1万2千床超を運営するアジア最大級の民間病院グループです。同社は高度医療を主とする病院事業の他、臨床検査・画像診断・専門クリニックや医療教育機関も運営しており、アジア広域で幅広く医療・医療関連サービスを提供しています。また、今後も増えゆく医療ニーズを背景に、インド・中国を中心に更なる事業拡大を予定しています。
2011年のIHH社出資参画以降、三井物産として、IHHの地理的拡大、地場パートナーや先進国の医療関連サービス等の紹介に加え、取締役差入・出向者派遣による経営参画を通じ、事業基盤強化・拡大を支援してきました。これらの結果、IHH社のEBITDA及び、病床数は、2011年から2017年の6年間で、それぞれ約3倍強に成長しました。引き続き、当社の総合力を活用し、IHH社の更なる成長に向けた支援を一層強化していきます。
三井物産は2017年5月に公表した中期経営計画において「ヘルスケア」領域を成長分野のひとつに定め、IHH社を核としたアジア最大のヘルスケア・エコシステムの構築を目指しています。アジアでは、人口増加により世界の人口の過半を占める状態が続くことが想定されています。経済成長及び高齢化により、医療に対するニーズが大きく伸長することが予想されている一方で、病床数・医師数は圧倒的に不足し、医療の量的不足が顕著となっています。また、生活習慣の変化に伴い、慢性疾患が急増しており、医療の高度化、質的向上が急務となっています。
当社は、IHH社の事業基盤強化に加え、今後、高成長が期待される周辺事業の構築、及びデジタルトランスフォーメーションやイノベーション技術活用により、予防や疾病管理、遠隔医療や個別医療といった新たな事業を創出し、人々が健康で、豊かな生活を営める社会を創るため、「アクセス・質・効率性」の面からヘルスケアの更なる発展に貢献していきます。
なお、本追加取得による2019年3月期連結業績への影響は軽微と見込んでおります。
1. IHH社概要
会社名 | IHH Healthcare Berhad(IHH社) | |
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本店所在地 | マレーシア クアラルンプール | |
設立 | 2010年 | |
代表者 | Dr. Tan See Leng | |
事業概要 | アジア、中東欧・中東・北アフリカ(CEEMENA)地域での病院経営、運営受託、及び医科系教育機関経営等のヘルスケア関連事業 | |
売上高 | MYR 11.1bil(約3,000億円)/2017年実績 | |
総資産 | MYR 38.9bil(約1兆円)/2017年末 | |
従業員数 | 約35,000名 | |
株主・持株比率 | 持分追加取得前 | カザナ社約41.6%、三井物産約18.0%、その他株主約40.4% |
持分追加取得後 | 三井物産 32.9%、カザナ社 26.1%、その他株主 41.0% | |
ウェブサイト |
2. カザナ社概要
会社名 | Khazanah Nasional Berhad(「カザナ社」) |
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本店所在地 | マレーシア クアラルンプール |
設立 | 1994年 |
代表者 | Datuk Shahril Ridza Ridzuan |
事業概要 | 新規市場・新産業への戦略的投資を目的としたマレーシア財務省傘下の国策投資会社 |
保有資産 | MYR 157.2bil(約4.2兆円)/2017年末 |
従業員数 | 約500名 |
ウェブサイト |