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CHROメッセージ

戦略的な人的投資を通して、
持続的な価値創造を実現します

代表取締役 副社長執行役員
CHRO(チーフ・ヒューマン・リソース・オフィサー)
CCO(チーフ・コンプライアンス・オフィサー)

竹増(たけます) 喜明(よしあき)

人的資本経営についてどのように考えていますか

人的資本経営とは、個々の人材が持つ知識、スキル、能力、意欲といったものを無形の資本と捉え、その価値を最大限に引き出すことによって企業の持続的な成長を図るものと考えています。当社は旧三井物産の創立以来、一貫して「人」を大切にする企業文化を育み、人的投資を幅広く捉えて不断の投資を実行してきました。また、人材の持つスキルや能力は、それが存分に発揮される制度と場があってこそ活きるものであり、高い挑戦意欲を維持し続けるためには社員エンゲージメントも重要な要素です。人的投資は、それが当社の持続的な企業価値の向上や他社との差別化にどのように具体的につながっているか、投資効果についてKPIを設定して検証の上、課題の改善につなげており、一連の取組みを今後とも分かりやすく開示していきます。

(注)法的には旧三井物産と現在の三井物産には継続性はなく、全く別個の企業体である。

人的投資の具体例と進捗について教えてください

当社では、多様な人材の採用活動、リスキリングを含むグローバル・グループでの研修制度の充実、人事制度の改定やシステムの刷新、組織開発、社員のウェルビーングやエンゲージメント向上等にさまざまな人的投資を続けています。昨年本格稼働したグローバルタレントマネジメントシステム(Bloom)はその一例ですが、それまで地域ごとに個別システムで管理していた全世界の人材情報を一元管理し、採用地や属性を問わない適材適所の人材配置をグローバルに徹底することを目的に導入しました。また、人的投資の効果を測る経営指標の一つとして2018年から毎年、Mitsui Engagement Survey(MES)という社員エンゲージメント評価を実施しており、社員一人ひとりの会社とのつながりの強さや成長実感、挑戦意欲、組織の戦略や方針に対する共感等を測定・分析しています。MESの結果は、社員が当事者となっての組織開発に活用していますが、特に「社員エンゲージメント」と「社員を活かす環境」の2つの評価指標と、組織の生産性や業績との間には確かな相関関係があると考えています。2025年3月期のMESでは、両指標のスコアが前期比でともに向上しました。これは、社員の自律的なキャリア形成を会社が後押しすべく実施した人事制度改定や、社員のニーズに即した柔軟な研修体系の整備、現場での組織開発のためのさまざまな取組み等が奏功したものと評価しています。

*単体社員に海外現地法人の社員を加えた約 9,000名が対象

三井物産のポートフォリオ経営を支える
人材戦略について聞かせてください

ポートフォリオ経営の実践は当社の経営戦略の要であり、事業への進出と撤退を通じた経営資源の再配分により事業ポートフォリオの弛まぬ良質化を図るためには、変化に柔軟に対応できる自立したプロフェッショナルの育成が不可欠です。足元の生成AIをはじめとする技術革新やビジネスモデルの変革の中にあって、変化対応力に優れた強い「個」を育成すべく、多様なスキルを再習得するためのリスキリング施策にも力を入れています。