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CDIOメッセージ

当社グローバル・グループの連携を強化し、
デジタルによる価値創造を実現します

代表取締役 専務執行役員
CDIO(チーフ・デジタル・インフォメーション・オフィサー)

福田(ふくだ) 哲也(てつや)

CDIOとしての抱負を聞かせてください

3代目CDIOとして、2020年に始まった当社のデジタル変革をさらに加速させ、次世代へとつなげていくことが私の使命です。近い将来、2020年が「デジタルによって企業が大きく変革した転換点」として語られるよう、実効性のある取組みを推進してまいります。

デジタルに関する取組状況を教えてください

実運用に至ったDX案件は累計60件を超え、前期比で10件以上増加しました。これは、当社のデジタル戦略が着実に成果を上げていることを示しています。次世代のビジネスモデルと言える案件も存在感を増してきています。例えば、AIで需給に応じ最適化された価格戦略を提供するダイナミックプラスは、2018年の創業以来成長を続け、2024年には年間流通総額が約300億円に達し、更なる飛躍を期待しています。また、国内外の全社員が生成AIを使える環境を整備し、生成AIを活用した事業型案件も生まれています。生成AIは従来、生産性向上等守りの領域での活用が中心でしたが、私は新たな価値の創造、攻めにAIを使ってこそ、真の競争力向上につながると考えており、今後もチャレンジし続けたいと思います。

ビジネスを支えるデジタル・グランドデザインに
ついて教えてください

当社は2023年にデジタルガバナンスと標準化の羅針盤として、デジタル・グランドデザインを策定しました。本格的にデジタルを活用し、さまざまなソリューションやツールが現場に浸透すればするほど、個別最適が進み、データやセキュリティ、ユーザーインターフェイス等がバラバラになりがちなため、全体最適の観点でのデジタル・グランドデザインが重要となります。現在、業務プロセスの標準化を含めデジタル・グランドデザインに基づき10数個の社内システムの次世代化を検討しており、全体として更なる価値創造や生産性向上を目指します。また、デジタル・グランドデザインにより、新規事業創出や事業投資の際にデータやセキュリティほか、一定以上の環境やガバナンスが整ったスタートラインから事業が開始できるため、当社グローバル・グループベースでの競争力の更なる向上が図れます。

DX人材戦略の進捗状況を教えてください

2020年に策定したDX人材戦略に基づき、2026年3月期までに1,000名のDX人材育成を目指しています。2025年3月期末時点では500名を超える人材が育成されており、計画どおりに進捗しています。先に触れた生成AIの活用による価値創造や生産性向上の事例のとおり、今後、当社が関わるすべてのビジネスにデジタルは不可欠であり、グローバル全社員がデジタルを標準装備する“総DX戦力化”に向け取り組んでいきます。

今後の取組みや期待について聞かせてください

当社はさまざまな事業を世界中で展開しており、関係会社数は約500社、連結従業員数も5万人を超えています。過去、私が担当したあるビジネスでは、サプライチェーン上の物流データを活用することで、その国の不動産市場の動向を予測でき、自身が担当していたビジネスの成果につなげることができたという原体験があります。この事例のように、当社が展開するグローバルな事業ネットワークをデジタルで連携強化することで、データ活用による新たな価値創出を加速させていきます。
中期経営計画の最終年度である当期は、計画を上回る成果の達成を目指すとともに、次期中期経営計画におけるデジタル戦略の方向性について、社内外のステークホルダーと議論を深めてまいります。デジタル技術の変化のスピードは加速度的に早くなっており、デジタルに上手く取り組んでいる企業の競争力が格段に高まっていると実感しています。DX総合戦略をさらに発展させ、当社グループが一丸となって更なる価値創造を実現したいと思います。