CDIOメッセージ


生成AIでデジタル変革を加速、
更なるパフォーマンスの向上と
新規ビジネス創出に挑戦し続けます
代表取締役 専務執行役員
CDIO(チーフ・デジタル・インフォメーション・オフィサー)
松井 透
デジタルに関する取組みの進捗は
三井物産グループでは大きく2つのデジタルを活用した変革を進めています。1つ目は今の人員でより大きな仕事をするためのDXによるパフォーマンス向上、2つ目はデジタルやAIを活用したビジネスの創出です。2017年から本格的にDXに取り組み、DX案件の積み上がり、DX基盤の整備やDX人材育成の順調な進捗から、デジタルによる変革はホップ・ステップまで来ている実感あり、当期は生成AIの本格活用も含め、ジャンプの年にしたいと思います。
主なDX案件について教えてください
すでに実行開始済みのDX案件は50超あり、そこから三井物産デジタル・アセットマネジメントのALTERNAをご紹介します。ALTERNAは不動産やインフラ資産等をデジタル証券化して、小口の金額で個人が投資できるオンライン資産運用サービスです。2020年の法改正で認められた「セキュリティトークン*」の発行により、デジタルを活用した取引コストの低減と取引の小口化が実現し、従来は、機関投資家向け市場であった不動産やインフラ資産への個人投資が可能になりました。
これらDXを支えるDX基盤について教えてください
DX基盤のデジタルガバナンスと標準化の羅針盤として、デジタル・グランドデザインを策定しました。これまでの業務ニーズに応じたシステム構築による個別最適から脱却し、デジタル・グランドデザインをベースにシステム・プロセス・データの最適化を通じて、グループ全体のパフォーマンス向上と迅速かつ正確な意思決定の実現を目指します。
DXの取組みを推進する人材育成について教えてください
当社の幅広い事業に精通した多様な人材にデジタルスキルを標準装備し、「総DX戦力化」することを目指しています。また、2021年に開講したMitsui DX Academyで学んだデジタル知識を業務に活かし、DXによる業務変革の実践を促進するために社内認定制度も拡充しました。当期は特に、生成AIに関する学びと実践に注力します。
2023年は「生成AI元年」とも言われました。
当社の状況について教えてください
2023年3月に、社内生成AI「MBK Private AI」の利用を開始しました。生成AIは人間の可能性を大きく広げてくれるポテンシャルがあり、当社社員の更なる活躍に向け、活用の浸透とガバナンス等の環境整備を進めています。私自身、さまざまな打ち合わせの準備等で生成AIを自分の「良きパートナー」として使っていますが、実際にパフォーマンス向上を実感しており、経営からもその活用を後押ししていきます。
当期の取組みや期待についてお聞かせください
AIの活用を日常業務と事業の両面から進め、更なるパフォーマンス向上と新規ビジネス創出に挑戦します。AIの活用により、今まで考えられなかったスピードと発想で当社の新たな未来を築く、その第一歩にしたいと思います。「三井物産×AI=∞(無限大)の可能性」です。
* セキュリティトークン:ブロックチェーンなどの技術を用いて発行・管理されるデジタル化された金融商品(有価証券)