三井物産株式会社(本社:東京都千代田区、社長:安永竜夫、以下「三井物産」)は、米国カリフォルニア州で水素ステーションの開発ならびに運営を手掛ける最大手のFirstElement Fuel, Inc.(本社:米国カリフォルニア州、以下「FEF社」)に総額2500万米ドルを出資しました。FEF社は2013年設立のスタートアップ企業で、三井物産は昨年から始めた協業による事業支援を一歩進め直接出資となります。なお、三井物産と共同でFEF社に対し、株式会社国際協力銀行(総裁:前田匡史、以下JBIC)も総額2300万米ドルの出資を行っています。
2020年4月末現在、カリフォルニア州は約8300台の水素を燃料とする燃料電池車(FCEV)が走る世界最大の市場となっており、FEF社の水素ステーションは20カ所と州全体の半数を占め、今後もFCEV普及にあわせた水素ステーション網の拡充を目指しています。三井物産は2019年3月に続く今回の出資により、同社が推進する水素ステーション網の拡充を支援すると共に、リードインベスターとして、FEF社と協働し、FCEVの課題であるコストの削減に多面的に取り組み、またFEF社がこれまで乗用車市場で培った機能・ノウハウを活用し、新たな領域や地域での事業開拓を目指します。
特に有望視されるのは、FCEVが航続距離などで優位性・強みを有していることから、今後の成長が期待できる商用車(バス・トラックなど)セクター向けに水素インフラ開発や水素供給サービスなどを提供する新たなビジネスモデルの構築です。併せて船舶・鉄道・鉱山車両などの新市場や他地域への将来的な展開も視野に入れた取り組みも進めていきます。また、FEF社が取り扱う水素のグリーン・低炭素化を支援するための燃料の調達や開発を行い、米国における水素バリューチェーン事業化に向けた橋頭保と位置付け、同国での水素戦略の深化に繋げて行きます。
三井物産は「環境と調和する社会をつくる」を経営の重要課題であるマテリアリティに掲げており、2020年5月に公表した中期経営計画2023においても「エネルギーソリューション」を戦略注力分野と位置付けて気候変動対応に資する取り組みを進めています。
FEF社概要
正式名称 | FirstElement Fuel, Inc. <ファーストエレメントフューエル> |
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所在地 | 米国 カリフォルニア州 アーバイン市 |
設立年 | 2013年 |
代表者 | Founder & CEO:Joel Ewanick <ジョエル・エワニック> Founder & CTO:Tim Brown <ティム・ブラウン> Founder & CDO:Shane Stephens <シェーン・ステファン> |
事業内容 | FCEV向け水素ステーションの開発・運営 |
ウェブサイト |
三井物産のマテリアリティ(重要課題)
三井物産は、「世界中の未来をつくる」を企業使命に、さまざまなステークホルダーの期待と信頼に応え、大切な地球と人びとの豊かで夢あふれる明日を実現すべく、サステナビリティ経営の重要課題としてマテリアリティを特定しています。本件は、5つのマテリアリティの中でも、特に「環境と調和する社会をつくる」の実現に資する取り組みです。
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安定供給の基盤をつくる
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豊かな暮らしをつくる
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環境と調和する社会をつくる
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新たな価値を生む人をつくる
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インテグリティのある組織をつくる

