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中国の次世代エタノール製造業への出資参画ならびにSAF製造事業の推進

2019年11月12日


三井物産株式会社(本社:東京都千代田区、社長:安永竜夫、以下「三井物産」)は、中国の次世代エタノール製造会社である北京首钢朗泽新能源科技有限公司(以下「SGLT社」)への出資参画を決定しました。許認可の取得など各種手続きの完了を経た後にSGLT社が実施する第三者割当増資を引き受け、6000万人民元(約9億円)を出資する計画です。

SGLT社は、三井物産が2014年に出資参画した米LanzaTech, Inc.(以下「LT社」)が開発した排ガスを微生物発酵により燃料や化学品に転換する技術を活用し、製鉄所などからの排ガスを原料として次世代エタノールを商業規模で製造する世界初の事業会社です。三井物産は経営参画を通じSGLT社の事業基盤強化を支援するとともに、保有する広範なビジネスネットワークを活用し、中国でのさらなる事業拡大に貢献します。

三井物産はLT社が保有する触媒技術を用いたSustainable Aviation Fuel(SAF)を製造する事業開発も展開しています。SAFは、2030年以降の航空分野でのCO2排出量の削減の切り札として世界的に導入の機運が高まっており、2019年10月30日(日本時間)にはSAF製造事業開発のパートナーである全日本空輸株式会社(本社:東京都港区、社長:平子裕志、以下「ANA」)と共同企画した、SAFを搭載したANA新造機Boeing 777-300ERのデリバリーフライトを米国ワシントン州のエバレットから羽田間で成功させました。このデリバリーフライトに用いられたSAFは、SGLT社が製造した次世代エタノールから生成されたジェット燃料です。

三井物産はこれにとどまらずSAFを日本で初めて商業規模で製造することを目指し、幹事会社としてANAならびにJXTGエネルギー株式会社(本社:東京都千代田区、社長:大田勝幸)とともに国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託を受け、SAFのサプライチェーン構築を見据えた事業性評価を三社共同で推進していきます。

三井物産は「環境」と「健康」に関わる事業の基盤強化とその周辺事業の拡大・横展開を推進しています。LT社保有技術を活用し、アジアからグローバルに低炭素社会の構築を実現し、地球温暖化対策をはじめとする地球規模の課題解決に貢献していきます。

SGLT社概要

正式名称 北京首钢朗泽新能源科技有限公司
英語名:Beijing Shougang LanzaTech New Energy Technology
所在地 中華人民共和国 北京市
董事長 王貴陽(WANG Guiyang)
事業概要 製鉄所・製油所などからの排ガスを原料とした燃料・化学品用エタノール製造
中国・河北省で操業中のSGLT社プラント © Beijing Shougang LanzaTech New Energy Technology中国・河北省で操業中のSGLT社プラント © Beijing Shougang LanzaTech New Energy Technology
LT社製バイオジェット燃料を給油されるANA Boeing 777-300ER © ANA、BoeingLT社製バイオジェット燃料を給油されるANA Boeing 777-300ER © ANA、Boeing

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