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三井物産環境基金

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国立大学法人 愛媛大学 大学院農学研究科 准教授 久米 崇

農地塩類のカスケード型利用システム導入による高濃度塩分を資源物質に転換する順応的環境ガバナンスの実践的研究

研究助成

案件概要

農作を妨げる土壌の塩類を資源に活用。塩害に悩む他地域に、順応的な土地活用の例を示す。
森林の過伐採に起因する農地土壌の塩類化と、所得の不安定さという問題を抱えるタイ王国コンケン県の農村。ここに、「農地塩類のカスケード型利用システム」を提案・導入する。雨水は、地表、地下水、蒸発池と移動する中で、塩分濃度を上げていく。その各段階に応じて耐塩性作物生産や製塩などを行い、塩類を使いこなすシステムだ。土壌塩類化の改善と、生業の複業化による農家所得の安定、さらには塩類を新たな資源として活用する順応的な環境ガバナンスの明示の、3つの達成を目指す。 [案件No. R17-0039]

対象領域
地球環境
助成年度
2017年度 研究助成
助成期間
3年(2018年4月~2021年3月)
助成金額
13,651,000円
対象地域
タイ王国・コンケン県・バンパイ地区
カスケード型利用システム最下流における蒸発池の塩類集積

団体概要

准教授 久米 崇
助成団体
国立大学法人 愛媛大学
大学院農学研究科
代表者
准教授 久米 崇
プロフィール
専門分野: 環境土壌水文学
所属学会: 農業農村工学会
経歴(職歴・学位): 博士学位(京都大学)取得後、総合地球環境学研究所プロジェクト上級研究員、鳥取大学乾燥地研究センタープロジェクト研究員、総合地球環境学研究所特任准教授を経て現職。
研究実績
  • これまで主に乾燥地域の灌漑農地における土壌塩類化および農業用水管理に関する研究を実施。対象地域は、中国内蒙古自治区、トルコ共和国アダナ県、インド共和国タミルナドゥ州等。
  • 研究概要は、さまざまな灌漑農地における水分・塩分移動メカニズムの解明と、安定同位体解析を用いた環境トレーサービリティ手法による塩分起源の解析。それら一連の研究から、灌漑農地における水分・塩分管理は、塩分収支に加え塩類の起源を考慮することでより詳細に実施できることを明らかにした。
  • 本研究は、これらの成果を踏まえ、塩分の排出をコントロールし、塩分濃度のレベルに応じた農業利用を可能にするカスケード型利用システムを導入することで、塩分管理を一歩進め、農家の収入向上を図ろうとするもの。
WEBサイト
https://www.ehime-u.ac.jp/

これは助成決定時の情報です。最新の情報と異なる可能性がありますので、あらかじめご了承下さい。