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三井物産環境基金

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国立大学法人 和歌山大学 システム工学部 准教授 原 祐二

世界農業遺産みなべ・田辺の梅システムにおけるランドスケープ履歴と植物多様性の関係から視覚化する持続可能な土地利用管理モデルの提案

研究助成

案件概要

「梅」を中心にした持続可能な土地利用を分かりやすく視覚化、モデルを示す
和歌山県のみなべ・田辺地域では、尾根に薪炭林を残しつつ梅の木を植え、長きにわたり梅を生産し続けている。薪炭林は水源涵養や崩落防止の機能を果たし、梅と薪炭林はニホンミツバチの蜜源となり、ミツバチは梅の受粉を助けてきた。人間が持ち込んだ梅を中心に、生態系と産業が見事に共存している。この点が評価され、国連食糧農業機関から世界農業遺産に認定された。本事業は、当地の植生・地域生態系の成り立ちや構成要素を分かりやすく視覚化し、持続可能な土地利用のモデルとして世界に発信する。またステークホルダーと協議し、地域生態系モニタリングシステムのモデルを構築。これも国内外に発信していく。 [案件No. R16-0021]

対象領域
生態系・共生社会
助成年度
2016年度 研究助成
助成期間
3年(2017年4月~2020年3月)
助成金額
5,500,000円
対象地域
和歌山県 紀南 世界農業遺産「みなべ・田辺の梅システム」認定地域
尾根部の薪炭林と斜面の梅林から成る梅システム

団体概要

准教授 原 祐二
助成団体
国立大学法人 和歌山大学
システム工学部
代表者
准教授 原 祐二
プロフィール
専門分野: 景観生態学
所属学会: 地理学会、造園学会、都市計画学会、農村計画学会、土木学会
経歴(職歴・学位): 2001年東京大学理学部卒業後、同大学院緑地創成学研究室にてアジア都市郊外の緑地環境・生態系サービスに関する研究を開始、日本、タイ、フィリピンで現地調査を行う。2005年に博士課程を退学、東京大学特任助教となり循環型社会を基調とした地域生態系管理の在り方を継続的に調査研究する。研究成果をとりまとめ、2007年に博士(農学)取得。2009年に和歌山大学に異動、地方都市圏と中山間地での里地里山生態系研究も開始した。2014年からみなべ・田辺地域の世界農業遺産申請に有識者として関与、国連FAOへの申請書など国際対応支援を行った。認定後も当地の地域生態系研究調査のさらなる持続的発展を志向、今回の研究助成申請につなげたものである。
研究実績
  • Hara, Y. (2017): An introduction to the Minabe-Tanabe Ume System in Japan as newly recognized FAO GIAHS site: and overview of the application process as an exercise in stakeholder consensus building. FAO GIAHS African Regional Workshop (invited).
  • 原 祐二・三瓶由紀(2016):みなべ・田辺の梅システム -そのランドスケープの特徴と選定プロセスの実際-.農村計画学会誌 35(3),379-382.
  • 谷 政智・原 祐二・三瓶由紀(2016):堺市旧野田村地区における都市化による水路・農地利用の変容とカエル種生息分布への影響.環境情報科学論文集 30, 237-242.
  • 原 祐二・大杉 輔・横尾 憲祐・小田 祐也・福井 大・竹中 利明・有本 智(2015):和歌山県海南市孟子不動谷におけるニホンイシガメの行動範囲と生態環境・他種との関係.南紀生物 57(2), 97-106.
WEBサイト
http://future-landscape.com

これは助成決定時の情報です。最新の情報と異なる可能性がありますので、あらかじめご了承下さい。