本研究は、海洋汚染の未然防止と沿岸海域における水質環境の保全を図るため、海水中の重金属等の汚染物質を濃縮してメタロチオネインを誘導する特性を有する2枚貝であるイガイを用いて、従来の理化学的な水質基準項目によらない、海域の水質環境を評価する新たなバイオモニタリング法の確立を目指す。従来のメタロチオネイン（ＭＴ）の分析方法は、操作に熟練を要し、作業効率が悪いことから、①ＭＴ簡易測定法の検討を行う。また、ＭＴの誘導は重金属以外の要因でも起こることから、②ＭＴ誘導に及ぼす他のストレス因子及び環境因子の影響の検討を行う。さらに、イガイを入れたモニタリング装置を用いて、現場海域において、③野外モニタリング技術の検討を行う。