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三井物産環境基金

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学校法人 金沢医科大学 医学部 准教授 西条 旨子

ベトナムにおけるダイオキシン暴露による健康リスク・モニタリング・システムの構築

研究助成

案件概要

ベトナムでは、戦争中の枯葉剤散布の影響により、その主成分であるダイオキシンの市民への暴露、そして戦後35年経過した現在でも、高濃度汚染地域の土壌、湖沼、そこに生息する魚類、卵等のダイオキシン濃度が高いことなどが報告されている。しかしながら、ベトナムにおける環境分析の実施は限定的なものであり、特に、農耕地土壌、生活用水、植物、ヒトにおける暴露の分布、挙動等を調査し、これらを一つの生態系として捉えた、暴露影響等を明らにした研究はなされていない。加えて、近年の経済発展による環境変化等から、継続的な監視体制の必要性も高まっている。こうした現状等を踏まえ、本研究では、現地に最先端分析技術を導入し、その技術者養成を行うことにより、ヒトも含む生態系への影響をモニタリングするためのシステム-ベトナム国内で現場に適合した現地計測型モニタリングシステム-を構築することを目的とする。特に健康リスクの高い地域については、小児の脳神経発達の影響と、妊婦への影響を調査し、暴露軽減による障害防止方法を提示するほか、バイオアッセイ法による簡易測定技術の開発も進め、広い地域で継続的なモニタリングを現場で実施できる、ネットワークを構築する。なお、現地の調査では、ベトナム資源環境省、科学技術顧問委員会、軍医科大学、汚染地域のダナン市テンケイ地区病院、保健センターの協力を得るほか、日本国内では愛媛大学農学部附属環境先端技術センター、富山大学医学部と連携する。

助成年度
2007年度 研究助成
助成期間
1年
2008年4月〜2009年3月
助成金額
7,000,000円
対象地域
ベトナム・ダナン市、ハノイ市
ベトナムの保健センターにおける乳児の身体計測の研修

団体概要

准教授 西条 旨子
代表者
准教授 西条 旨子
プロフィール
専門分野
環境汚染物質(ダイオキシン、カドミウム)の健康影響についての疫学研究、および動物を用いた毒性学的研究
所属学会
日本衛生学会、日本公衆衛生学会、日本疫学会
経歴(職歴・学位)
富山医科薬科大学卒業、医師免許取得。富山医科薬科大学大学院にて医学博士号取得。金沢医科大学医学部公衆衛生学助手、講師を経て、現在、准教授。
連絡先
〒920-0265 石川県河北郡内灘町大学1-1 金沢医科大学 健康増進予防医学
TEL:76-286-2211 内線3033 
http://www.kanazawa-med.ac.jp/
共同研究者
愛媛大学農学部/教授 本田克之、富山大学医学部/教授 松井三重、同 西条寿夫、ベトナム軍医科大学/副学長 Le B Quong、資源環境省 33委員会 Le Ke Son、ダナン市テンケイ地区病院/院長 Phan Thanh Phuong
研究実績
  • ①PCDDs / DFs and pregnancy outcome among Vietnamese women living in a herbicide sprayed area. Proceedings of Dioxin 2008, Birmingham, August 2008.
  • ②2,3,7,8-Tetrachloro-dibenzo-p-dioxin in maternal breast milk and newborn head circumference. J Expore Sci Environ Epidemiol 18:246-51, 2008
  • ③Effects of maternal exposure to 2,3,7,8-TCDD on fetal brain growth and motor and behavioral development in offspring rats. Toxicol Lett 173:41-7, 2007

これは助成決定時の情報です。最新の情報と異なる可能性がありますので、あらかじめご了承下さい。