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三井物産環境基金

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独立行政法人 国立環境研究所 生物資源研究室長 桑名 貴

東アジア・ユーラシア地域での希少鳥類細胞保存バンク創設

研究助成

案件概要

生物多様性の維持と持続的な利用を考える際に、生物種の多様性や、種内での遺伝的多様性の保全が大きな意味を持つ。絶滅危惧種は、一般的に生息基盤が脆弱であり、遺伝資源としてみても貴重なものが多い。遺伝的多様性や種の保全に加え、これらの細胞や遺伝子等を用いた研究等を行うことで、生物多様性維持に資することが可能であり、必要である。こうした背景、認識の下、本研究は、わが国で独自に開発した鳥類細胞培養、凍結保存技術の国際標準化等を進めつつ、アジア・極東ユーラシア地域に生息する鳥類細胞の、安定的な凍結保存等の推進等を図るものである。稀少野生鳥類種の細胞保存体制、および国際的細胞保存ネットワークを構築して、必要な技術の国際標準化と、保存試料の活用法の開発体制を確立する。その際、鳥インフルエンザ等の感染症の検疫体制も含め、保存に適する国際標準化を併せて整備する。なお、海外のコア研究機関としてはタイ、韓国、ロシア等との連携をはかる。

対象領域
気候変動生物多様性
助成年度
2007年度 研究助成 
助成期間
3年
2008年4月〜2011年3月
助成金額
50,083,342円
対象地域
ロシア(ハバロフスク)、韓国、タイ、日本(北海道、沖縄等)ほか
希少鳥類の細胞を-160℃で長期凍結保存

団体概要

生物資源研究室長 桑名 貴
代表者
生物資源研究室長 桑名 貴
プロフィール
専門分野
発生工学、生殖生物学
所属学会
日本繁殖生物学会、日本家禽学会、日本野生動物医学会
経歴(職歴・学位)
熊本大学医学部/講師、国立水俣病総合研究センター/病理室長を経て2003年より現職。医学博士。
連絡先
〒305-8506 茨城県つくば市小野川16-2
http://www.nies.go.jp/
共同研究者
なし
研究実績
鳥類細胞の長期培養系を世界で初めて開発すると共に、鳥類の生殖幹細胞を用いた、生殖巣キメラ個体から移植した、生殖幹細胞由来の子孫個体の作出にも成功している。国内の絶滅危惧動物(哺乳類、鳥類、魚類)の生細胞や遺伝資源の長期保存を2003年から行っている。
  • ①Long-term culture of avian embryonic cells in vitro., Internat. J. Develop. Biol., 40: 1061-1064, 1996.
  • ②Conservation of a threatened indigenous fowl (Kureko Dori) using the germline chimeras transplanted from primordial germ cells. Jour Poult Scie, 43(1), 60-66,2006. ほか

これは助成決定時の情報です。最新の情報と異なる可能性がありますので、あらかじめご了承下さい。