三井物産株式会社(本社:東京都千代田区、社長:堀 健一、以下「三井物産」)は、バングラデシュにて、現地農家との取組で豊富な実績を有するNGOのBangladesh Bondhu Foundation(以下「ボンドゥ」)と連携し、節水型稲作技術であるAlternate Wetting and Drying(間断灌漑、以下「AWD」)を通じたメタン排出削減事業を開始しました。本事業は、二国間クレジット制度(以下「JCM」)*の適用を目指しています。
AWDとは、水稲の栽培期間中、排水して土壌を十分に乾燥させた後に再度湛水するという潅水制御を複数回にわたって繰り返す水管理手法です。水田の土壌中にはメタン生成菌が含まれており、嫌気条件(酸素が存在しないか非常に少ない環境)の下では稲わら等を餌に、温室効果ガスの一つであるメタンを発生させます。AWDの手法を取り入れることで、土壌中により多くの酸素が供給されるため、土壌内のメタン生成菌の活動が抑制され、メタン排出量が低減されます。一般的な常時潅水に比べ、メタン排出量を30%程度削減することが期待されます。
AWDには節水の効果もあります。バングラデシュは、世界第三位のコメの生産国ですが、特に乾季には灌漑用水の多くを地下水に依存しており、AWDの導入は持続可能な稲作の普及にもつながります。また、AWDによりコメの収穫量が増加することも多くの研究で報告されています。
本事業は、日本とパートナー国が協力して温室効果ガスの削減に取り組み、その成果を両国間で分配するJCMの適用を目指しています。JCMクレジットは、2026年4月より本格開始となるGX-ETS(日本版排出量取引制度)にて適格と認められており、需要の増加が見込まれます。
三井物産は、本事業を通じて、バングラデシュにおける持続可能な稲作の普及を目指すとともに、JCMを活用し、バングラデシュと日本、両国のGHG削減目標の達成へ貢献していきます。
*Joint Crediting Mechanismの略。日本とパートナー国が協力して温室効果ガスの削減・吸収に取り組み、定量化した削減・吸収量をJCMクレジットとして両国間で分配する制度。日本政府は、JCMの活用により、2030年度までの累積で1億t-CO2程度、2040年度までの累積で2億t-CO2程度の国際的な削減・吸収量を確保することを目標に掲げている。
会社概要
| 会社名 | Bangladesh Bondhu Foundation |
|---|---|
| 所在地 | バングラデシュ ダッカ |
| 設立年 | 2015年2月 |
| 代表者 | Dr. Engr. Md. Khalequzzaman(ムハンマド カレックザマン、創業者・プログラムマネージャー) |
| 従業員数 | 1688名 |
| 事業概要 | バングラデシュ国内で地域コミュニティ向けに環境配慮型インフラ・農法の普及を支援 AWDの実績も豊富に有する |
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三井物産のマテリアリティ(重要課題)
三井物産は、「世界中の未来をつくる」を企業使命に、さまざまなステークホルダーの期待と信頼に応え、大切な地球と人びとの豊かで夢あふれる明日を実現すべく、サステナビリティ経営の重要課題としてマテリアリティを特定しています。本件は、6つのマテリアリティの中でも、特に「環境と共生する世界をつくる」の実現に資する取り組みです。
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持続可能な安定供給の基盤をつくる
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環境と共生する世界をつくる
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健康で豊かな暮らしをつくる
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人権を尊重する社会をつくる
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「未来をつくる」人をつくる
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インテグリティのある組織をつくる