三井物産株式会社(本社:東京都千代田区、社長:堀 健一、以下「三井物産」)は、北米でリチウムイオン電池の主要材料である負極材(*注1)メーカーのカナダ ヌーボー・モンド・グラファイト(Nouveau Monde Graphite Inc.以下NMG社)の転換社債25百万米ドルの引受けに合意しました。
NMG社はカナダケベック州に負極材原料となる黒鉛の鉱山権益を開発中で、水力発電によるクリーンエネルギーを使用した製法で、北米において原料から負極材までの一貫生産を実現するデモプラントを立ち上げており、最終投資判断から28か月以内に量産開始を計画しています。北米では、2022年8月に米国でインフレ削減法案が可決されるなど、経済安全保障上の観点から電気自動車(EV)、及び車載リチウムイオン電池の域内でのサプライチェーン構築が重要課題になっています。同法案では、EV購入時の税額控除の適用条件として、北米域内で、車載リチウムイオン電池部材が一定割合以上製造されること、およびリチウムイオン電池の原材料となる重要鉱物が米国との自由貿易協定締結国(カナダ含む)から調達されることを要請しています。
三井物産は長年に亘り様々な蓄電池関連のビジネスに取り組んでいます。北米での負極材製造に取り組むNMG社の転換社債引受けを通じ、NMG社と負極材量産製造の共同検討を行うことで、北米における電気自動車及びリチウムイオン電池のサプライチェーン構築に貢献することを目指します。
三井物産は2050年ネットゼロエミッションを目標に掲げ、2030年には2020年3月期比GHG(温室効果ガス)インパクト半減を目指しており、本取り組みを通じ、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していきます。
(*注1)電池のマイナス側の電極(負極)に使用する材料。負極材には、黒鉛などの素材が使用されます。
会社概要
会社名 | Nouveau Monde Graphite Inc.(ヌーボー・モンド・グラファイト) |
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所在地 | カナダ ケベック州 |
設立年 | 2011年 |
代表者 | Mr.Eric Desaulniers CEO |
事業概要 | 負極材原料の鉱山開発、及び負極材の製造・販売 |
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三井物産のマテリアリティ(重要課題)
三井物産は、「世界中の未来をつくる」を企業使命に、さまざまなステークホルダーの期待と信頼に応え、大切な地球と人びとの豊かで夢あふれる明日を実現すべく、サステナビリティ経営の重要課題としてマテリアリティを特定しています。本件は、6つのマテリアリティの中でも、特に「持続可能な安定供給の基盤をつくる」、「環境と共生する世界をつくる」、「健康で豊かな暮らしをつくる」の実現に資する取り組みです。
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持続可能な安定供給の基盤をつくる
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環境と共生する世界をつくる
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健康で豊かな暮らしをつくる
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人権を尊重する社会をつくる
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「未来をつくる」人をつくる
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インテグリティのある組織をつくる