三井物産株式会社(本社:東京都千代田区、社長:堀 健一、以下「三井物産」)は、2022年4月11日に、欧州で再生可能エネルギーを利用し、製造過程でCO2を出さないグリーン水素を製造するフランスLhyfe(ライフ)社の転換社債10百万ユーロ(約13.5億円)の引き受けを行いました。
Lhyfe社はフランスの原子力・代替エネルギー庁(CEA)出身のメンバーが、再生可能エネルギーに関する知見を元に、グリーン水素製造で温室効果ガス(GHG)の排出量を低減するべく2017年に設立されました。2021年に風力発電所と直接つないだグリーン水素製造のための第一号商業プラントを立ち上げました。既に欧州10か国で活動しており、モビリティ向け及び産業向けに、2022年から2028年にかけて稼働開始を予定している90以上のパイプライン案件を有しています。
三井物産は、水素用を含む高圧ガスタンクの製造販売を行うノルウェーHexagon Composites(ヘキサゴン・コンポジット)社への出資、米国における水素ステーション事業FirstElement Fuel(ファーストエレメント・フューエル)社への出資等を通し、燃料電池車の普及を始めとする水素事業に取組んできました。欧州連合では、2050年までのネット(実質)ゼロ実現をターゲットとしたグリーンディール政策を打ち出し、2030年までに40GW(ギガワット)の水素製造用水電解装置の導入目標を掲げ、水素普及に向けた制度設計の導入が進んでいます。その中で、三井物産は、地産地消モデルでグリーン水素製造に取り組むLhyfe社への参画を通じて、欧州水素市場のインサイダー化を進め、既存の水素関連事業との相乗効果や新たな顧客開拓により、同社の企業価値向上につなげます。また、欧州水素収益基盤を確立し、欧州グリーン水素の発展によるGHG排出量削減加速に貢献していきます。
Lhyfe社概要
正式名称 | Lhyfe SA(ライフ) |
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所在地 | フランス ナント |
設立年月日 | 2017年4月 |
代表者 | Matthieu Guesne CEO(マチュー・ゲネ社長) |
株主構成 | Matthieu Guesné, Noria, Vendee Energie, Les Saules (Ovive), Ouest Croissance, Océan Participations, SWEN Capital Partners, Banque des Territoires, Andera Partners and SFLD (Société Financière Lorient Développement) |
事業内容 | モビリティ及び産業向けのグリーン水素の製造・販売 |
三井物産のマテリアリティ(重要課題)
三井物産は、「世界中の未来をつくる」を企業使命に、さまざまなステークホルダーの期待と信頼に応え、大切な地球と人びとの豊かで夢あふれる明日を実現すべく、サステナビリティ経営の重要課題としてマテリアリティを特定しています。 本件は、5つのマテリアリティの中でも、特に「環境と調和する社会をつくる」の実現に資する取り組みです。
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安定供給の基盤をつくる
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豊かな暮らしをつくる
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環境と調和する社会をつくる
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新たな価値を生む人をつくる
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インテグリティのある組織をつくる