三井物産株式会社(本社:東京都千代田区、社長:堀健一、以下「三井物産」)は、CO2の回収・貯留(Carbon Capture and Storage、以下「CCS」)の事業会社である英Storegga Limited (以下「Storegga社」)と、大気中のCO2を直接回収するDirect Air Capture(ダイレクト・エア・キャプチャー、以下「DAC」)技術の事業化に向けてMOUを締結しました。
Storegga社は欧州初となる大規模DACプラントの商業運転達成に向けた事業化調査を進めています。同プラントから回収されたCO2は、Storegga社が開発中のAcorn(エイコーン) CCSプロジェクトに繋ぎ込み、枯渇した油・ガス田に恒久的に貯留することが可能です。これによって過去に排出され、空気中に蓄積されたCO2を回収、除去できるネガティブCO2エミッションを実現し、実質としてのCO2排出量マイナスにつなげます。
本MOUではDAC技術の事業化に向けた共同調査に加え、三井物産によるカーボン・クレジットの引き取り及び販売、将来的にはDAC事業への出資参画の検討を含んでおり、Storegga社と三井物産の戦略的パートナーシップの更なる強化を目指します。
三井物産は石油・ガス上流事業の知見と広範なビジネスネットワークを活用し、2021年3月のStoregga社への出資参画以降、同社の事業基盤を強化しています。また、当社はCO2の回収・利用・貯留(Carbon Capture, Utilization and Storage、以下「CCUS」)事業に関する制度設計が先行する英国で得た知見を活用し、豪州におけるクリーン燃料アンモニア生産を見据えたCCS共同調査や、米国におけるCCUS技術を用いた「Carbon-Negative Oil(カーボン・ネガティブ・オイル)」事業の商業化に向けた評価作業に取り組み中です。
三井物産は今後もグローバルなCCS・CCUS事業を展開し、「環境と調和した社会」の実現に向けたCO2削減ソリューションの提供を推進していきます。
Storegga社の概要
会社名 | Storegga Limited(ストレッガ) |
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登記所在地 | 英国 ウェストサセックス州 ハソックス |
設立年月 | 2019年 |
CEO | Dr. Nicholas John Cooper |
株主構成 | 三井物産 15.4%、Macquarie Group Limited(豪州)21.5%、GIC(シンガポール)15.4%、M&G(英国)4.5%、創業者(Dr. Nicholas John Cooperほか)43.3% |
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三井物産のマテリアリティ(重要課題)
三井物産は、「世界中の未来をつくる」を企業使命に、さまざまなステークホルダーの期待と信頼に応え、大切な地球と人びとの豊かで夢あふれる明日を実現すべく、サステナビリティ経営の重要課題としてマテリアリティを特定しています。 本件は、5つのマテリアリティの中でも、特に「環境と調和する社会をつくる」の実現に資する取り組みです。
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安定供給の基盤をつくる
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豊かな暮らしをつくる
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環境と調和する社会をつくる
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新たな価値を生む人をつくる
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インテグリティのある組織をつくる