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クリーン水素製造技術を開発する加EKONA Powerへの出資参画

2022年2月1日


三井物産株式会社(本社:東京都千代田区、社長:堀健一、以下「三井物産」)は、天然ガスなどに多く含まれるメタンからクリーン水素を製造する次世代技術を開発するEKONA Power, Inc.社(本社:カナダブリティッシュコロンビア州、以下「EKONA社」)へ出資参画しました。

電力やモビリティを含むさまざまな産業において、燃焼時にCO2を排出しないクリーンなエネルギーである水素の活用は、脱炭素社会の実現に向けて重要な位置づけとなります。
一方で、クリーン水素の製造の為には、製造過程で排出されるCO2の回収・貯留(CCS)など、コスト面や技術面などの課題もあり、その実現には技術革新が必要とされています。

EKONA社は、メタン熱分解と呼ばれるメタンから水素と固体炭素を取り出す技術を開発しています。本技術は従来の水蒸気改質*による水素製造技術と比べ、同程度の製造コストに抑えながらも製造過程におけるCO2排出量の削減を実現するものです。
また同社技術では、大部分の炭素分が固体炭素として生成される為、CO2の処理が必要なく、さらに既存の天然ガスやLNGのインフラを活用しながらクリーンな水素製造が可能となります。産業界が具体的なCO2削減策を検討する中で、三井物産は主に日本における水素製造において本技術を活用した事業展開を目指します。

三井物産は中期経営計画でエネルギーソリューションを重点領域の一つとして定めております。クリーン水素、燃料アンモニア、CCS/CCUS(CO2の回収・利用・貯留)、排出権といった様々なソリューション提供を通じて、気候変動対応という世界の喫緊かつ複雑な課題の解決に挑戦していきます。

EKONA社のメタン熱分解プロセス 触媒を用いない独自の熱分解方式を用いてメタンを高温条件下で水素と固体炭素に分離させ、クリーンな水素を取り出す技術。 EKONA社のメタン熱分解プロセス
触媒を用いない独自の熱分解方式を用いてメタンを高温条件下で水素と固体炭素に分離させ、クリーンな水素を取り出す技術。

*化石燃料を燃焼させてガスにし、そのガスの中から水素を取り出す水素製造方法を「改質法」といいます。特にメタンを改質して水素を作る方法は水蒸気改質法と呼ばれ、すでに工業分野で広く利用されています。製造コストは比較的安いが、CO2の発生を伴うのが課題となっています。

EKONA社概要

正式名称 EKONA Power, Inc.
<エコナパワー>
所在地 カナダ ブリティッシュコロンビア州 バーナビー
設立年 2017年
代表者 Chris Reid(CEO)
事業内容 メタン熱分解技術装置の開発
ウェブサイト

https://www.ekonapower.com/

EKONA社メンバーEKONA社メンバー
EKONA社が開発するメタン熱分解技術の反応器EKONA社が開発するメタン熱分解技術の反応器

三井物産のマテリアリティ(重要課題)

三井物産は、「世界中の未来をつくる」を企業使命に、さまざまなステークホルダーの期待と信頼に応え、大切な地球と人びとの豊かで夢あふれる明日を実現すべく、サステナビリティ経営の重要課題としてマテリアリティを特定しています。 本件は、5つのマテリアリティの中でも、特に「環境と調和する社会をつくる」の実現に資する取り組みです。

  • 安定供給の基盤をつくる

    安定供給の基盤をつくる

  • 豊かな暮らしをつくる

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  • 環境と調和する社会をつくる

    環境と調和する社会をつくる

  • 新たな価値を生む人をつくる

    新たな価値を生む人をつくる

  • インテグリティのある組織をつくる

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