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三井物産環境基金
2006年8月2日
三井物産環境基金は、2006年度第1回、通算で2回目となる助成案件募集を2006年2月上旬から3月末まで社内外を対象に実施し、この度、助成案件を決定しました。
今回の募集では、より広い分野から案件を募集するため、一般からの応募資格を従来のNPO法人のみから、公益法人(財団法人、社団法人)および大学にも拡大、さらに、当社の3つの地域本部(米州・欧州・アジア)を通じて海外案件も募集し、この結果、応募総数は、前回の59件から87件に増加しました。
これらの応募案件につき、社外有識者を含む「案件選定委員会」および「評議委員会」で厳正な審査を行い、最終的に18件、総額217百万円(注)の助成を決定しました。選定された案件は別表の通りです。
尚、当社役職員および退職者からの応募については、地球環境問題への意識向上を促進する目的で参画する団体に制限を設けておらず、この為、今回の選定案件には任意団体を主体とする活動が含まれています。又、今回選定された案件の内、可能なものについては当社役職員および退職者が活動に参加することも検討しています。
次回、2006年度第2回助成案件募集のスケジュールや応募要項については、当社ホームページなどでお知らせする予定です。
(注) 海外のドル建案件を円換算した金額が含まれており、為替レートにより実際の助成額は多少変動します。
三井物産は2005年7月、地球環境問題の解決に向けた社内外のさまざまな活動を支援、促進し、経済と環境の調和を目指す持続可能な発展の実現を目的として「三井物産環境基金」を設立しました。すでに三井物産として10億円を拠出し今後も適宜追加するほか、三井物産役職員や退職者からの寄付も受け入れる仕組みとなっています。また、役職員や退職者が企画・立案し助成案件として応募することや、助成が決まった案件の活動にボランティアとして参画することなども奨励しています。さらに、環境関連のセミナーなど、基金による自主企画も推進していきます。この基金の活動により、三井物産の社員はもとより、多くの人々の地球環境や社会的責任への意識を高めていくことを目指しています。
設立日 | 2005年7月1日 |
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代表者(評議委員長) | 三井物産株式会社 代表取締役専務執行役員 横手康紀 |
組 織 | 評議委員会、案件選定委員会(社外有識者を含む)を設置。 |
助成案件募集時期 | 年2回 |
助成対象分野 | (1)地球気候変動問題、(2)水産資源の保護・食料確保、(3)表土の保全・森林の保護、(4)エネルギー問題、(5)水資源の保全、(6)生物多様性及び生態系の保全、(7)持続可能な社会構築のための調査とネットワーキング(様々な主体との協働) |
助成対象団体 | NPO法人、公益法人、大学(公益法人・大学は2006年度第1回募集から。また、三井物産役職員および退職者からの応募については、活動への参加促進を目的に別基準を設けています。) |
助成実績(件数・金額) | 2005年度 15件、117百万円 2006年度(第1回) 18件、217百万円(今回) |
※下記表は横にスクロールしてご覧ください。
団体名 (所在地) |
案件名 | 案件概要 | 活動 分野 |
活動 形態 |
実施 期間 |
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一般からの応募案件 | |||||
NPO法人 地域循環研究所 (長崎県) |
義務教育における温暖化対策ツールとしての「子ども地域監査」の実証と普及活動 | 規制が困難な民生家庭部門のCO2削減のため、佐世保市にて温暖化対策ツールとしての自治体向けプログラム「子供の地域監査」を実施、全国展開を視野に入れたモデルケースとしてマニュアルを作成し普及を目指す。学校で児童・生徒を環境カウンセラーに育成し、学校・行政・企業などの環境監査や温暖化対策の提言を行い、地域レベルで行政・企業・住民の各主体が連携し持続的な温暖化対策の展開をはかる。佐世保市と連携。 | 気候変動 エネルギー 持続可能社会 |
教育・普及 調査・研究 |
3年 |
社団法人 日本林業経営者協会 (東京都) |
新しい理念を有するリーダー養成と市民・林業者の連携による森林活性化 | 所有者が経営意欲を喪失し施業放棄の森林が続出している厳しい林業経営環境下、若壮年森林経営者を対象とした持続可能な森林管理手法と、新たな森林・木材の活用の学習と実務を目的とした現地実践研修を実施。また、環境貢献度の高い森づくりに向け、市民との連携強化のためのシンポジウムを開催する。 | 生物多様性 | 調査・研究 | 3年 |
財団法人 日本自然保護協会 (東京都) |
市民参加の「人と自然とのかかわり調査」手法の開発とデータベースの構築 | 市民の地域の自然への「思い」、伝統的農法など自然の利用法、暮らし方などを明らかにし、その結果を自然保護の基礎資料として活用することを目的とした「人と自然とのふれあい調査」の手法を確立する。手法を調査マニュアルにまとめ、学習会を開催し普及を図る。 | 生物多様性 持続可能社会 |
教育・普及 調査・研究 |
2年 |
NPO法人 印旛野菜いかだの会 (千葉県) |
生物浄化システムの確立 | 上水水源としての水質が全国湖沼でワースト1となった千葉県印旛沼を、生物により浄化する取り組み。農業用水路で実証済みの下記手法の確立を目指す。(1)水面に浮かべた簡易いかだでの空芯菜栽培によるアオコの発生抑制、(2)マシジミ・池蝶貝による浮遊有機物除去、(3)水生植物繁殖を組合せた生物浄化システム。今回、従来の耐久性の低い木製に換え、独自開発したアルミ製いかだを導入する。 | 水資源保全 生物多様性 |
保全・再生 教育・普及 調査・研究 |
3年 |
NPO法人 日本国際湿地保全連合 (東京都) |
世界最南限のイワナ個体群”キリクチ”の生息環境改善に関する調査研究 | 紀伊半島の十津川水系上流域のみに生息するイワナ個体群「キリクチ」の保全活動。キリクチは生息数が減少し、水産庁が指定する絶滅危惧種で、奈良県の天然記念物。減少の主因は、土砂流入により生息する瀬や淵が埋没し河床が平坦化したことによると考えられる。本活動では、過去2年の実験で繁殖効果が確認された間伐材や蛇かごによる淵の人工的な造成を、より実効的な保全策として拡大し、個体数増加を促す。 | 生物多様性 | 保護・保全 調査・研究 |
1年 |
NPO法人 有害化学物質削減ネットワーク (東京都) |
市民参加による化学物質管理のあり方の検討-PRTRとGHS制度の有効活用法の普及、啓発 | 国内事業所からの有害化学物質排出量などを推計し公表するPRTR制度は施行後5年経過するが必ずしも定着していない。市民の立場での有効活用方法をセミナー等を通じて啓発し、制度改訂に向けての提言も行う。本年実施のGHS制度(化学品の分類・表示に関する世界調和システム)による有害性表示制度の市民への周知、定着も併せて行う。 | 生物多様性 持続可能社会 |
教育・普及 調査・研究 |
1年 |
NPO法人 つくば環境フォーラム (茨城県) |
筑波山麓地域活性化に向けて ~谷津田再生から始まる都市と農村を結ぶ新たな結(ゆい)づくり~ | つくばエクスプレスが開通し筑波山が観光客で賑わう一方、山麓の里山や谷津田は放置されかつての環境が失われている。里山文化も高齢化や産業構造の変化により消えつつある。これに危機感を抱いている都市住民が、地域住民のサポートにより谷津田での米作りを通じ交流の場をつくり、里山文化を継承すると同時に環境保全活動を行う。 | 生物多様性 持続可能社会 |
保護・再生 | 1年 |
NPO法人 えがおつなげて (山梨県) |
関東ツーリズム大学設立準備事業 | 農漁村の過疎化・高齢化による衰退と地球環境問題を、都市住民の自然・田舎志向と相互補完的に結びつけながら問題解決につなげる学習型ネットワーク組織=関東ツーリズム大学の設立準備活動。農村地域での多様な体験学習・環境教育・持続可能な地域開発プログラムを開発し、教育実践にあたる。都市から訪れた人、地域で生活する地元の人、双方の人生や社会を豊かにする教育機関を目指す。 | 持続可能社会 | 保護・再生 教育・普及 |
2年 |
NPO法人 木野環境 (京都府) |
調査及びネットワーキングによる琵琶湖環境保全プランの構築 | 近畿地区の水源としてだけでなく、生態系・歴史・文化への影響も大きい琵琶湖では、各種の水質改善策も効果が上がらず、外来種など新たな問題も発生している。そこで、水資源・生態系・漁業・生活文化の各専門家によるシンポジウム等を開催し、「琵琶湖の将来像」についての総合的なモデルを構築する。また、農業濁水やレジャーによる環境負荷を独自に調査・研究し、問題解決に向けた提言を作成する。 | 水資源保全 生物多様性 持続可能社会 |
教育・普及 調査・研究 |
2年 |
NPO法人 生態工房 (東京都) |
生態系に被害を及ぼす外来カメ類の防除技術の開発 | 生態系に被害を及ぼしている外来種のうち、防除対策が遅れているカメ類に関し、効果的な捕獲方法を東京都内の河川や池などで調査検討し、実用的な防除マニュアルの作成を行う。 | 生物多様性 | 調査・研究 | 3年 |
NPO法人 表浜ネットワーク (愛知県) |
表浜海岸のアカウミガメと自然環境の保全 | 愛知県豊橋市・表浜海岸における絶滅危惧種・アカウミガメの保全活動。同海岸は日本有数のアカウミガメの産卵地だが、近年、砂浜の激減により消波ブロックがむき出しになり、アカウミガメの行く手を阻み、又、台風の影響もあり産卵率、孵化率が低下している。昨年、自治体が試験的に一部の消波ブロックを撤去したが、根本的な対策は講じられていない。本活動ではアカウミガメの産卵に関するデータを収集し、流失の可能性のある卵を安全な孵化場所に移動することで、孵化率の向上を図る。又、2年後に同海岸のラムサール条約への登録を目指す。 | 表土・森林 生物多様性 持続可能社会 |
保護・再生 調査・研究 |
3年 |
NPO法人 地球と未来の環境基金 (東京都) |
不在地主を含む放置山林の所有境界線を調査した上で、世界遺産登録された吉野の山を市民が主体となって整備、植樹を実施する | 世界遺産に登録された奈良県吉野の山で、地主不在で除間伐されないまま放置された荒廃した山林や倒木林を再生する活動。吉野町森林組合・町民・町役場と連携して森林整備推進会議を設立、当該地における山林所有者の調査を行い、所有者の承諾を取り付けた上で、広葉樹を中心にした植林を実施する。 | 表土・森林 持続可能社会 |
保護・再生 教育・普及 調査・研究 |
3年 |
財団法人 世界自然保護基金ジャパン (東京都) |
南西諸島のサンゴ礁域における野生生物の化学的環境調査と普及啓発活動 | サンゴ礁分布の北限域にあたる南西諸島で、中国・東南アジアの経済発展に伴う環境汚染による生態系への影響が懸念されている。本活動では地元NPO等の協力により採集した野生生物試料を研究者が調査する。そのデータをもとに潜在的リスクを考察し、野生生物保護、海洋保全、化学物質管理に関わる政策決定者や研究者に知見を提供し、包括的なサンゴ礁環境の保全対策推進を図る。 | 生物多様性 持続可能社会 |
保全・再生 教育・普及 調査・研究 |
2年 |
国立大学法人 山口大学 農学部 (山口県) |
西南日本における1世紀気温・雨量データベース化に基づく気候変動予測と豪雨発生確率の解析 | 1976年の地域気象観測システム「アメダス」の開始以降、全国1300箇所の気象データがデータベース(DB)化され、温暖化の解析・予測等に利用されているが、それ以前のデータは未整理の状態。本活動では、近年の温暖化と頻発する水害の防止のため、西南日本を対象に各観測所に保存されている1870年~1976年の未整理データのDB化・解析を行い、1世紀分のDBに基づく気候変動予測と豪雨発生確率を解析する。 | 気候変動 エネルギー 生物多様性 持続可能社会 |
保護・再生 教育・普及 調査・研究 |
3年 |
海外からの応募案件 | |||||
Turkish Foundation for Combating Soil Erosion, for Reforestation and the Protection of Natural Habitats(TEMA) (トルコ) |
Drylands Environmental Sustainability Integrated Research Areas (DESIRE) 乾燥地帯環境持続性統合研究地域 |
トルコ・カラピナールにおける砂漠化を防止する活動は1960年代から始まったが、「土壌浸食管理基地」の廃止により、その取り組みが途絶えようとしている。本プロジェクトは過去のプログラムの教訓を活かし、これを継続するもの。本活動では先ず、過去のプログラムの成果を評価する為、土壌や植物の科学的調査を行う。更に、その結果明らかとなる土壌の管理手法を応用して、近隣住民参加の下、貧困の軽減を目的とした農作物や家畜の生産による所得創出活動を進める。活動の成果はトルコ国内だけでなく、国際的なネットワークを通じ同様の問題を抱える世界各地へ伝える。 | 気候変動 表土・森林 水資源保全 生物多様化 持続可能社会 |
保全・再生 教育・普及 調査・研究 |
2年 |
National Audubon Society (米国) |
Mississippi River - Headwaters to Gulf Campaign ミシシッピ川~源流から湾へキャンペーン |
当団体が進めるミシシッピ川流域の生態系保全・再生活動「ミシシッピ川~源流から湾へキャンペーン」の一環として実施する2つのプログラム。(1)ミシシッピ川の包括的復旧計画の策定。特に鳥類に焦点をあて、既存の保全・再生活動を進展させるとともに、最近の深刻な問題である湿原の消失・メキシコ湾の酸欠エリア拡大にも対応する。(2)当団体がミシシッピ川上流500箇所に設置している野鳥観察所「グレートリバー野鳥観察トレイル」 のホームページと広報資料の作成。保全活動の成功例をPRすることで市民と川を結びつけ、支援体制の確立をはかる。ハリケーン・カトリーナとリタによる被害により、このキャンペーンの必要性は更に高まっている。本活動の目的を達成する為、米国各州の多数のNPO、行政機関等との連携を図る。 | 水産・食料 表土保全 水資源保護 生物多様性 |
保護・再生 教育・普及 |
3年 |
当社役職員からの応募案件 | |||||
三井ボランティア・ネットワーク事業団 (東京) |
東京都水源林地区奥多摩の森林保全、緑化活動 | シカの食害、異常気象、林業の放棄等により荒廃した東京都の水源林である奥多摩地区の森林再生活動。地元のNPO、行政機関、市民、小学校など諸団体が協働する「多摩みどり復活プロジェクト」に三井ボランティア・ネットワークが参画し、ミズナラやブナなど自然林からの採種-育苗-植樹までを一環して行う。 | 表土・森林 生物多様性 |
保護・再生 教育・普及 |
3年 |
国立大学法人 金沢大学 社会貢献室 (石川県) |
能登半島・里山里海自然学校の設立 | 過疎や高齢化などにより荒廃する石川県能登半島の里山里海を保全・再生し、地域の活性化をはかる活動。自然学校運営で実績のある金沢大学が、能登地域の里山里海の保全・再生や農林水産業の活性化を目的に、地域のリーダー、農林漁業者、企業人などの協力を得て、ネットワーク組織「能登半島・里山里海自然学校」を設立する。各種講座・シンポジウムの開催や野外での調査・体験活動を行い、人材の養成をはかる。 | 生物多様性 持続可能社会 |
保護・再生 教育・普及 調査・研究 |
3年 |
ご注意:
本発表資料には、将来に関する記述が含まれています。こうした記述はリスクや不確実性を内包するものであり、経営環境の変化などにより実際とは異なる可能性があることにご留意ください。また、本発表資料は、日本国内外を問わず一切の投資勧誘またはそれに類する行為を目的として作成されたものではありません。