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カライド酸素燃焼プロジェクトで世界初の発電所実機での酸素燃焼・CO2回収一貫実証が完了

2015年3月2日


三井物産株式会社
電源開発株式会社
株式会社IHI


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三井物産株式会社(本社:東京都千代田区、社長:飯島彰己、以下「三井物産」)、電源開発株式会社(本社:東京都中央区、社長:北村雅良、以下「電源開発」)、株式会社IHI(本社:東京都江東区、社長:斎藤保、以下「IHI」)が参加する日豪官民共同プロジェクトである「カライド酸素燃焼プロジェクト」は、2015年2月末で酸素燃焼及びCO2回収一貫プロセスの内、酸素燃焼実証運転を成功裡に完了しました。今後は、今回の実証試験で得たエンジニアリングおよび商業化に関する知見をもとに、石炭火力発電所でのCO2及びその他の大気汚染物質であるSOx/NOx/水銀のニアゼロエミッション発電の実現に向け、実用化検討を進めていきます。

豪州クイーンズランド州のカライドA石炭火力発電所で進められてきた本プロジェクトは、2012年12月中旬に世界初となる火力発電所実機での酸素燃焼プロセスによるCO2液化回収装置の実証運転を開始し、2年以上に亘り試験を実施してきました。今般、目標とした10,000時間の酸素燃焼運転を達成するとともに併せて5,500時間のCO2液化回収装置の運転を行い、酸素燃焼技術の運用性と信頼性を検証しました。更に2014年10月から12月にかけて、本プロジェクトから発生したCO2は、ビクトリア州に陸送され、CO2CRCオトウェープロジェクトサイトの地下に圧入しました。オトウェープロジェクトの設備はCO2CRCによって既に建設されたものであり、圧入したCO2は貯留層内における地球化学及び地球物理的な挙動の評価に使われました。

酸素燃焼プロセスは、1973年に日本で発案された技術で、これまでに日本、米国、英国および欧州において、小規模プロジェクトによる試験が行われています。こうした中、事業用ボイラに石炭酸素燃焼プロセスを適応して、一貫プロセスを実証したのは、本プロジェクトが世界で初めてです。本プロジェクトでCCSの重要な要素を占める酸素燃焼技術を適用したプロセスが実証されたことにより、今後既存および新規の石炭火力発電所に当該プロセスが導入され、地球温暖化抑制に貢献できるものと期待されます。

なお、本プロジェクトは日豪官民共同実証事業であり、参加者はクイーンズランド州営電力会社(CS Energy)、Australian Coal Association Low Emissions Technologies、グレンコア社(Glencore)、シュルンベルジェ社(Schlumberger)、および日本の電源開発、IHI、三井物産です。2008年3月にこれら事業者がJVを設立し、日本政府(経済産業省)、豪州連邦政府およびクイーンズランド州政府から資金援助を受けている他、一般財団法人石炭エネルギーセンター(JCOAL)が技術支援をしています。

カライド酸素燃焼プロジェクト概要

実施者 オキシフューエルテクノロジー社(Oxyfuel Technologies Pty Ltd)
実施場所 (酸素燃焼CO2回収)豪州クイーンズランド州中央部ビロエラ郊外、カライドA発電所
(CO2圧入試験)豪州ビクトリア州西部オトウェー、Cooperative Research Centre for Greenhouse Gas Technologies(CO2CRC)試験サイト
発電規模 発電機出力3万キロワット × 1基
CO2回収量 75t/d(全排ガス量の約11%)
プロジェクト予算 約2億4,500万豪ドル(約228億円)
実証試験期間 酸素燃焼ボイラ2012年6月~2015年3月上旬
CO2回収2012年12月~2015年3月上旬
備考)本プロジェクトにおける火力発電所実機で世界初の事項
2012年6月:酸素燃焼運転開始
2012年12月:CO2液化回収を含む酸素燃焼プロセスの操業開始
2014年10月:酸素燃焼プロセスで回収したCO2の地下深部への圧入試験

カライドA発電所全景

カライドA発電所全景

CO2圧入試験の様子

CO2圧入試験の様子

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