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合成燃料の事業会社 米国Infinium社への出資参画

2025年4月16日


三井物産株式会社(本社:東京都千代田区、社長:堀 健一、以下「三井物産」)は、合成燃料(e-Fuel=エレクトロフューエル。e-SAFを始めとする次世代液体燃料)の製造技術・事業開発を行う米国Infinium Holdings, Inc.(インフィニウム、以下「Infinium社」)に投資しました。今回のInfinium社への出資参画は、合成燃料の領域では、2025年2月13日に発表したTwelve社に続く第二弾となります。

合成燃料とは、グリーン水素(クリーンエネルギーで水を電気分解し製造)と二酸化炭素(CO2)を原料に、化学・触媒反応で合成した液体燃料で、GHG排出削減策として特に輸送・産業分野で重要性が高まる見込みです。具体的には、化石燃料由来のものと対比し90%以上のGHG削減効果があること、航空機等のエンジンや運搬・貯蔵の関連インフラを改造せずに既存のまま活用可能なドロップイン燃料として電化等が困難な航空・船舶・長距離陸上といった用途にも対応できること等の特徴があります。

Infinium社は、逆シフト反応による合成燃料の製造プラントを世界で初めて稼働させた、業界のリーディングカンパニーです。初号製造プラント(米国テキサス州)は、2023年後半に稼働を開始し、同プラントから製造されるe-DieselはAmazonが同社の輸送車両燃料として使用、e-NaphthaはBorealisが低炭素プラスチック製造に使用しています。e-SAF製造に特化した2号製造プラント(米国テキサス州)も立ち上げを計画しており、次世代燃料の事業に幅広く投資を行うカナダの資産運用会社Brookfieldやクリーンエネルギー投資プログラムBreakthrough Energy Catalystがプロジェクトへの資金供与を行い、IAG(International Airlines Group)やAmerican Airlinesが同プラントから製造されるe-SAFの調達を決めています。

*既に実用化されている水性ガスシフト反応を逆応用。

三井物産は、DAC(Direct Air Capture)をはじめとするCO2の回収から、CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)によるCO2の貯留、合成燃料の製造といったCO2の活用、そしてクレジット創出・販売まで、幅広くカーボンバリューチェーンにおける取組を加速しています。合成燃料分野での投資ポートフォリオ企業との協業を深化させることで、カーボンニュートラル燃料の製造・販売事業を拡大し、クリーンエネルギー開発、バイオマス・DAC等からの多様なCO2原料と、各燃料需要を結び付け、バリューチェーンの価値最大化を図ります。そして、規模感のある脱炭素燃料事業をグローバル展開することで、カーボンマネジメント産業の創造に貢献していきます。

会社概要

会社名 Infinium Holdings, Inc.(インフィニウム ホールディングス)
所在地 米国カリフォルニア州サクラメント
設立年 2020年
代表者 Robert Schuetzle(ロバート・シュエッツル、CEO)
従業員数 ~70名
事業概要 低炭素合成燃料の製造技術・事業開発
ウェブサイトURL

https://www.infiniumco.com/

Infinium社が運転中の合成燃料製造プラント(テキサス州)Infinium社が運転中の合成燃料製造プラント(テキサス州)
Infinium社の合成燃料製造プロセス概念図Infinium社の合成燃料製造プロセス概念図

三井物産のマテリアリティ(重要課題)

三井物産は、「世界中の未来をつくる」を企業使命に、さまざまなステークホルダーの期待と信頼に応え、大切な地球と人びとの豊かで夢あふれる明日を実現すべく、サステナビリティ経営の重要課題としてマテリアリティを特定しています。 本件は、5つのマテリアリティの中でも、特に「環境と調和する社会をつくる」の実現に資する取り組みです。

  • 安定供給の基盤をつくる

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  • 豊かな暮らしをつくる

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  • 環境と調和する社会をつくる

    環境と調和する社会をつくる

  • 新たな価値を生む人をつくる

    新たな価値を生む人をつくる

  • インテグリティのある組織をつくる

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