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米国エネルギーマネジメントサービス会社Stem社への出資参画

2015年4月14日


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三井物産株式会社(本社:東京都千代田区、社長:安永竜夫、以下「三井物産」)は蓄電池と高度なICTを組み合わせた次世代のエネルギーマネジメントサービスを米国で展開しているStem, Inc.社(以下「Stem社」)に出資しました。三井物産は今後、Stem社のビジネスモデルの進化を図り次世代電力事業への取組を強化すると共に、同社のグローバル展開に向けた協業を深めていきます。

昨今の再生可能エネルギー(RE)発電量の大幅な増加に伴い、米国の一部の州などを中心に、電力グリッドの不安定さが指摘されていると同時に、需要家のピーク電力使用量に応じて課される基本電力料金(以下「ピーク料金」)の高騰が課題として認識されています。例えば、カリフォルニア州をはじめとする一部の州では、ピーク料金が全電力料金の半分を占めるケースもあります。

Stem社のシステムは、主なサービス対象である商業セクターの顧客に対して、リアルタイムの電力需要予測に基づき、顧客のピーク時の電力調達先を電力グリッドから事前に充電していた蓄電池に切り替えることで、顧客の電力消費方法を変えることなくピーク電力料金を低減させることが可能となります。

Stem社はこうした商業セクター向けのサービスに加え、電力会社向けへのデマンドレスポンス(注1)サービスの提供も行っております。電力会社は電力グリッドの需給が逼迫すると、ピーク用電源を稼働させることで対応していますが、Stem社は商業セクターの顧客サイトに導入した蓄電池から放電することで、電力グリッドの需給の逼迫に対応します。三井物産はStem社を通じ、電力グリッドの需給逼迫を低減し、電力グリッドの不安定さを解消することで、REの更なる増加を可能にし、効率的でクリーンな電源構成の構築に貢献します。

三井物産はStem社のビジネスモデルをカリフォルニア州以外の新規市場にも水平展開できる可能性があると考えています。今後、Stem社と共同で、世界各地における三井物産の広範な顧客基盤を活用し、日本を含む新規市場へのStem社のグローバル展開へ向けた詳細協議を行っていきます。更に、三井物産は同社のビジネスモデルを進化させ、ICTを活用して顧客サイト間の蓄電池を連携制御し、規模感をもって需給双方を管理するバーチャルパワープラント(注2)ビジネスモデルの実現を目指していきます。

三井物産はIPP(独立系発電事業者)として世界各国で発電事業の開発・運営に取り組むと共に、REの増加や電源の分散化、蓄電池の普及等といった電力業界の環境変化やイノベーションを見据えた次世代電力事業の創造に取り組んでいます。三井物産はStem社への出資と社外取締役の差入を通じて、同社の安定的な成長に貢献すると同時に、次世代電力事業の知見や経験を蓄積し、同事業への取り組みを加速させることを目指します。

尚、本件は三井物産が2012年10月に設立したイノベーション推進案件制度の第4号案件となります。イノベーション推進案件制度は、社内で設定している投資基準、撤退基準を一部適用除外とし、長期的視点から大きな収益貢献が期待出来る、新たな事業領域への参画を支援する制度です。

(注1)デマンドレスポンスとは、電力会社等による導入促進プログラムや電力料金体系等に基づき、需要家の電力需要量やタイミング等を変動させること。Stem社の行うデマンドレスポンスはピーク時に電力会社から発出される電力消費量削減指令に従い、顧客の消費電力調達先を電力グリッドから、事前に充電していた蓄電池に切り替えることで、電力グリッドから調達する電力を削減するもの。
(注2)バーチャルパワープラント(仮想発電所)とは、複数の発電設備やデマンドレスポンスを組み合わせ、電力グリッドの需給に合わせて、あたかも一つの発電所のように制御することで、電力グリッドの効率化を目指すビジネスモデル。

Stem社 概要

正式名称 Stem, Inc. <ステム インク>
本社所在地 米国カリフォルニア州
設立年 2009年
代表者 John Carrington <ジョン キャリントン>
従業員数 約50名
主要株主 Angeleno Investors、GE Ventures、Inversiones Financieras Perseo、Constellation NewEnergy、Total Energy Ventures、等
事業内容 蓄電池とICTを組み合わせたエネルギーマネジメントサービス、デマンドレスポンス等の提供

Stem社 蓄電池・ICTシステム

Stem社 蓄電池・ICTシステム

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