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平成26年入社式挨拶

2014年4月1日


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皆さん、入社おめでとうございます。社長の飯島です。

本日、新入社員の皆さんを、ここに迎えることが出来、大変嬉しく思います。

皆さんは今日から三井物産での生活をスタートするわけですが、ちょうど40年前の1974年、私もみなさんと同じように三井物産に入社しました。
本日は丸40年の三井物産での経験も踏まえながら、皆さんにお祝いと激励の言葉を伝えたいと思います。

「事業環境」

まず、三井物産を取り巻く事業環境についてお話しします。

足もとの世界経済については、全体としてゆるやかな成長が見込まれ、日本経済についても、アベノミクスにより、経済再興に向けた期待が高まっています。もちろん、中国のシャドーバンキングに代表されるような新興国経済の脆弱性、北朝鮮や中東、そしてウクライナにおける不安定な情勢など、先行きに不透明感は残るものの、当社では、大きな流れとして今の事業環境を前向きに捉えています。

また、中長期の視点に立てば、世界の70億人の人口は2050年には90億人程度まで増加し、グローバル化や技術の進歩を背景に、国や企業、そして人の関係の一体化が世界規模で進み、労働力や成長の機会を提供する新興国と資金や技術を供与する先進国の双方が、互恵関係の中で豊かさを実現していくと予想しています。

その過程では、解決していかなければならない課題もたくさんあります。金属資源、エネルギー、食糧といった生活に不可欠な物資の安定供給や、電力・交通・通信を含む様々なインフラの整備、そして医療や教育といった基礎的サービスの向上など、多様なニーズが満たされていく必要があります。さらには、経済の発展に伴う環境問題に対処し、持続可能で幸福感のあふれる社会を実現していかなくてはなりません。

こうした事業環境を踏まえれば、世の中のニーズに応える仕事に取り組んで来た三井物産にとって、仕事の土俵は益々広がっていくと考えています。

「挑戦と創造」

1876年の旧三井物産の創業以来、我々は、世界中の人々が必要としている「モノ」や「コト」を届ける仕事を創造するために、挑戦を続けて来ました。「コト」とは、さまざまな課題を解決できる無形のサービスや技術、知見や情報などを意味しています。

旧三井物産初代社長の益田孝は「眼前の利に迷い、永遠の利を忘れるごときことなく、遠大な希望を抱かれることを望む」という内訓を残しています。「永遠の利」というのは、おそらく世の中に役立つ仕事が生み出す新たな価値を意味しているのだと思います。三井物産は、これからも社会のニーズに応える「意義ある仕事に挑戦」し、「新たな価値を創造」していきたいと考えています。これが当社のDNAである「挑戦と創造」のスピリットです。

三井物産は世界を舞台に「挑戦と創造」を体現する場です。皆さんは、今日、「夢」と「志」を持ってこの場に集まっていると確信しています。社会の役に立つ意義ある事業を実現していく、という「夢」と「志」を持って全力で取り組むのであれば、当社には無限の可能性が拡がっていることを、皆さんに約束します。ぜひ、一日も早く戦力となって、積極果敢に「挑戦と創造」を体現していって欲しいと思います。

「信頼される人になる」

では、一日も早く「戦力」となるにはどうすればよいのか。それは先ず、皆さんが「信頼される人になる」ことだと思っています。

「戦力」として認められるためには、まずは周りから信頼される人にならなくてはなりません。そのためにも、誠実さと責任感を持って目の前の仕事に一生懸命に取り組み、与えられた役割をしっかりと果たすことが大切です。また、知識だけでなく、倫理観や向上心、謙虚さや感謝の気持ちといった人間力も伸ばして、心技のバランスの取れた人物になることも必要でしょう。

社会人一年目に取り組む仕事は、必ずしも直接社会に影響を与えるものではないかもしれません。自分が想像していた仕事と現実とのギャップを感じることや、自分が志す仕事から遠回りをしていると感じることが、あるかも知れません。しかし、先輩も上司も、周りはちゃんと皆さん一人ひとりを見ています。与えられた役割に全力で取組み、結果を出し、一日も早く信頼される人になってください。信頼される人になれば自ずと仕事を任されるようになり、任されれば仕事が更に面白くなっていきます。

「真剣勝負が個を磨く」

しかしながら、一生懸命に仕事に取り組んでいても、失敗することもあるでしょう。挑戦には、リスクを伴い、失敗がつきものです。失敗しないのは、自分の限界に挑んでいない証拠とも言えると思います。

失敗を恐れていては何も産まれません。確りとした仮説をたてて「挑戦」しなければなりません。大切なことは、様々なリスクに対する準備をすること、早く失敗に気づくこと、そして失敗の理由を明確にして次に活かすことです。そうすることで、新たな価値を産むことができ、個々人の競争力も、組織の競争力も磨いていくことができます。

当社の「自由闊達」という風土の中で、みなさんも、とことん考え、その結果を周りと共有し、失敗を恐れず「挑戦」を繰り返して欲しいと思います。そうした過程で、皆さんは「修羅場」・「土壇場」・「正念場」を経験することになると思いますが、そのような厳しい現場で苦労や失敗を経験するからこそ人は磨かれるものです。確り準備をし、過去の失敗も活かしながら挑戦を繰り返す、このプロセスが皆さんを人間として成長させるのです。真剣勝負が個を磨くのだということを忘れないでください。

「人の三井」と言われるように、三井物産は人材育成に一生懸命な会社です。人材育成の基本は仕事の現場、それも現場での皆さん個人個人の真剣勝負のなかにあります。三井物産は、そうした場を提供し、それだけでなく、さまざまな研修も含めて皆さんが「個の競争力」を伸ばすための舞台を揃えています。

今日から三井物産の一員として、大いなる舞台で思い切り個性を発揮し、お互いに切磋琢磨し、みなさんが一年前に面接試験で力強く語ってくれた「夢」や「志」を是非実現してほしいと思います。

本日はおめでとうございます。

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