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[三井物産のビジネス最前線]
「ウェルネス」領域への取り組みで人々が健やかに、豊かに、笑顔で暮らす未来を創る

株主通信 2021年冬号


皆が“Well-being”な社会の実現を目指す

コロナ禍により、人々の健康意識は一層高まり、医療分野でのデジタル化が加速しています。医療費膨張も社会課題となっており、三井物産では事業対象を「病院」から「生活者」へ広げ、未病・予防を含む「ウェルネス」分野にも取り組んでいます。

がんや糖尿病といった生活習慣病に関わる医療費増加抑制は、社会の喫緊の課題です。医療費の適正化のためには、生活習慣の改善などによる疾病の予防、早期発見と治療による重症化の予防が重要ですが、こうした「予防医療」への意識はあまり浸透していないのが現状です。

当社が2020年4月に子会社化した株式会社保健同人社(以下保健同人社)は、人間ドックの創案や「家庭の医学」の出版など予防医療の先駆け的存在です。1946年の創業以来、科学的な知見に基づく情報を発信し、さまざまな形で国民の健康に貢献してきました。現在、保健同人社では健康になってほしい人(企業・健保組合)と健康になりたい人(従業員・被保険者など)をつなぎ、皆をWell-being(※)にする仕組みづくりを進めています。その実現に向けて、ヘルスケア関連サービスをワンストップで提供する「WaaS(ウェル・ビーイング・アズ・ア・サービス)」のプラットフォーム構築に取り組んでいます。これは利用者の誰もが、医療情報の検索、健診結果の閲覧、電話やメールでの身体とこころの相談、個別ヘルスコーチングなどをスマートフォンひとつでできるようにするものです。また、企業が毎年実施を義務付けられているストレスチェックの調査ツールとして、本年6月に、従業員のストレスだけでなくWell-beingスコアが分かる「HoPEサーベイ」を自社で開発、リリースしました。積み上げてきた未病・予防の知見にデジタルの力を掛け合わせることで、画一的な情報提供ではなく、一人ひとりに合ったきめ細かなソリューションを提供し、健康な社会の実現を目指します。

※ Well-being:身体的にも精神的にも社会的にも健康で幸福な状態で、人や社会と建設的でよい関係を築ける状態を指す。

保健同人社の取り組み

保健同人社の取り組み

デジタルの力を梃子に医療問題の解決に貢献

アルムの医療ICTソリューション
アルムの医療ICTソリューション
デジタルの力を梃子に医療問題の解決に貢献

三井物産は国内外のウェルネス事業において、医療を軸としたDXソリューションの提供に取り組んでいます。その一例が株式会社アルム(以下アルム)への出資参画です。

アルムは、医療・介護現場にDXソリューションを提供し、医療業界の格差・ミスマッチをなくすことをミッションに掲げています。アルムが提供する医療関係者間コミュニケーションアプリ「Join」は、日本で初めて医療機器として承認されたモバイルアプリで、累計30か国に展開されています。脳梗塞や心疾患に代表される急性疾患は、専門医が素早く的確に治療判断する必要がありますが、新興国や農村部では受診に長距離の移動を伴うことが多いのが課題となっています。「Join」は医療従事者を医用画像・チャットで結び、遠隔地にいる専門医の的確な判断を迅速に救急現場に届けることができます。

アルムは、コロナ禍においても行政・自治体へDXソリューションを提供しました。救命・健康サポートアプリ「MySOS」は、厚生労働省・入国者健康確認センターに日本の水際対策を担うシステムとして採用され、入国者の隔離期間中の位置情報や健康状態のフォローアップ業務を支援しています。また、多職種連携ソリューション「Team」をコロナ軽症者療養管理システムとして県庁・保健所へ提供し、ファクスや電話で行っていた患者の管理業務負荷を大きく軽減しました。今後は感染症対策と社会経済活動の両立を目指し、興行イベントにおけるソリューションの提供を開始します。

三井物産のウェルネス事業は、将来的には、先進国に加え、アジア新興国への展開も見据えています。中核を為す病院・クリニック事業とともに、デジタルを活用した未病・予防、院外の検査などの幅広いサービスから成る健康事業群を確立し、人々が、健やかに、豊かに、笑顔で暮らす未来を創ることを目指し、社会課題の解決に挑戦しています。

  • IR優良企業大賞
  • ディスクロージャー2023年度優良企業賞
  • FTSE4Good
  • FTSE Blossom Japan Index
  • Member of Dow Jones Sustainability Indices
  • インターネットIR・sustainability 優秀賞
  • なでしこ銘柄

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