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[三井物産のビジネス最前線]
デジタルの力で、新しい「買う」を提供
より消費者に近い領域で新たな価値をつくる

株主通信 2021年夏号


三井物産はこれまでリテールビジネスにおいて、取引先への原料調達や中間卸の領域で力を発揮してきました。新たに、デジタルを活用することで消費者との接点を広げ、より消費者に近いところで新たな価値を生み出す挑戦を始めています。リテールデジタルソリューションズ株式会社(以下RDS)が手掛けるEC支援事業や、“デジタルネイティブ”と呼ばれる若年層を主要ターゲットとしてビジネスを展開するTastemade Japan株式会社(以下テイストメイド・ジャパン)はその一例です。

ライフスタイルに関する動画制作・配信から独自商品の開発・販売まで、消費者に豊かな暮らしを届けるテイストメイド・ジャパン ライフスタイルに関する動画制作・配信から独自商品の開発・販売まで、消費者に豊かな暮らしを届けるテイストメイド・ジャパン

急速に拡大する「食」のEC市場で消費者向けの新たなビジネスを創出する

ライフスタイルが多様化する現代において、いつでも、どこでも便利に買い物ができるネットショップやECモール(インターネット上の仮想商店街)は、私たちの暮らしに欠かせない存在となりました。これらEC市場のなかでも、特に食品の分野は、昨今の新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、需要が急速に拡大しています。三井物産は加速するデジタル化や消費者へのパワーシフトを機会ととらえ、EC関連の中核事業として2020年7月に食品ECに特化したEC支援のRDSを設立しました。RDSの事業を通じて消費者との接点を増やし、新たなビジネスを創出していきます。

専門的知見によりEC事業を一貫してサポート

RDSは食品ECに特化し、メーカーや小売り事業者が展開するECサイトの構築・運営・販売支援から、ECの在庫管理、物流までを一貫してサポートする「ECフルフィルメント事業」を展開しています。ファッション領域でECフルフィルメント事業を展開している株式会社ビービーエフ(三井物産16.5%出資)の知見を活用し、ECサイトの売上拡大やブランド育成を支援しています。また三井物産が長年培ってきた顧客基盤を活かし、これらの企業が自社商品をネット販売する機会を広げています。RDSは、徹底的なデータ分析とECに関する専門的知見により、消費者向け食品ビジネスのデジタル化推進と差別化された商品の開発に機能を発揮しています。

専門的知見によりEC事業を一貫してサポート RDSによるECサイト事例:食のセレクトショップ「グランドフードホール」の公式オンラインストア

RDSの強み

EC事業に必要となるさまざまな専門的ノウハウを一貫して提供

EC(Electronic Commerce)とは「電子商取引」のことで、事業運営には数多くのプロセスが必要となります。顧客のEC事業を支援するためにはそれぞれの分野における専門的知見が必要であり、RDSはこれらを一貫してサポートしています。今後、自社物流センターも稼働予定です。

EC事業に必要となるさまざまな専門的ノウハウを一貫して提供

ECサイト構築・運営からECリテール事業へ

RDSは更なる成長戦略として、自社物流センターを12月に稼働予定、これを活用してメーカーのEC在庫から物流を一元管理するECフルフィルメント事業とECリテール事業を両輪として展開していきます。両事業から得る消費者データを商品開発に活用し、多様化する消費者ニーズに応えるとともに、より便利により早く、消費者に商品を届ける仕組みを提供します。

三井物産はRDSを通じ、食品EC事業展開を加速するとともに、消費者の新しいニーズを捉えた商品・サービスを提供し、豊かで便利な食生活への貢献を目指します。


はじまりは、デジタルマーケティングに課題を持つ取引先・出資先の支援から

デジタルを活用した消費者との接点づくりの取り組みのもうひとつの事例が、米国Tastemade, Inc.(以下テイストメイド)との協業です。テイストメイドは2012年に米国ロサンゼルスで創業、食や旅行などをテーマとした動画制作・配信事業を世界8か国で展開しています。三井物産は、2019年4月にテイストメイドに初めて出資して以来、同社のメディア機能と視聴者コミュニティーを活用し、デジタル活用や若年層へのマーケティングに課題を持つ取引先や出資先の支援を積極的に行ってきました。

はじまりは、デジタルマーケティングに課題を持つ取引先・出資先の支援から 世界で毎月3億人以上の視聴者が、30億回以上再生するテイストメイドの動画コンテンツ。日本のSNSアカウントは700万人のフォロワーを持ち、月間視聴回数1億回を超えています。テイストメイドはここから得られる膨大なデータを消費者ニーズの把握、コンテンツ制作に活かしています。

ミレニアル世代・Z世代に向けた国内リテール事業展開も加速

中長期的に消費の中核を担うミレニアル世代、Z世代※はインターネットやSNSに囲まれて育ち、文字や写真のみのメディアよりも動画メディアに強い影響を受けています。テイストメイドとの協業は今後、三井物産の日本でのリテール事業展開においても大きな強みとなると考え、2020年12月、同社子会社である日本法人テイストメイド・ジャパンの株式の51%を取得しました。

※ ミレニアル世代、Z世代…前者は1980年代序盤から1990年代中盤までに生まれた世代。後者は1990年代中盤以降に生まれた世代。

テイストメイド・ジャパンの機能

テイストメイド・ジャパンの機能

消費者ニーズに応えるライフスタイルメディア

テイストメイド・ジャパンは、常に最新のデータを分析・活用し、視聴者の興味・反応を分析することで、今まで見えていなかったニーズをいち早く把握し、視聴者に楽しんでもらえる動画づくりを追求しています。食から旅行や住まいまでライフスタイルに関する提案を、実用性だけでなく、消費者に新たに「やってみたい」という気持ちを起こさせるエンタテイメント性を持ったコンテンツを通じて提供し、人々の豊かな暮らしに貢献していきます。

消費者と直接の接点を持つ新しい「D2C」事業をつくる

現在、テイストメイド・ジャパンが推進しているのは「D2C(Direct To Consumer)」と呼ばれる事業です。すなわち、テイストメイド独自の商品を開発し、消費者に直接届けるビジネスです。多くのファンに愛されているテイストメイドならではの世界観を、動画で見るだけではなく、実際の暮らしに取り入れて楽しんでもらう。視聴するだけでなく、消費行動を起こしてもらう。そうしたデジタルメディア発の新しいリテールビジネスの実現を目指しています。

  • IR優良企業大賞
  • ディスクロージャー2023年度優良企業賞
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  • FTSE Blossom Japan Index
  • Member of Dow Jones Sustainability Indices
  • インターネットIR・sustainability 優秀賞
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