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[ブッサンジン360°]
新社長の挑戦
これからの三井物産に必要なのは強い個、強いチーム

株主通信 2021年夏号


多様性こそがイノベーションの源泉

「社内外に友人が多く、フットワークが軽い。相手の懐に深く入り、良いところを引き出すのが上手。まさに『人の三井』を体現したような人物だ」。新社長の堀について、ビジネスパートナーや社員たちは異口同音にこう語る。

堀自身、ビジネスにおいて人の多様性とチームワークを何より重視してきた。真に多様性のある組織がチームワークを発揮するのは簡単なことではない。しかし堀は「さまざまなバックグラウンドを持った仲間と自由に意見交換して、試行錯誤しながら新しいことを進めるのが大事。多様性こそがイノベーションの源泉になる」という強い信念を持っている。

影響を受けた人物について尋ねると「多くの上司、同僚、部下」という答えが返ってきた。特に、かつての米国人上司からの「Dare to be wrong(間違いを恐れるな)」という言葉を胸に刻んでいる。間違いを恐れていては物事を始めるときにためらってしまう。リーダーとして迅速な決断を迫られるときは躊躇なく決断すべきと学んだ。

堀 健一(ほり・けんいち)

自身にないものを持つ人とタッグを組んでこそ

堀はこれまで、国内外で化学品、金融、経営企画とさまざまな領域に従事してきた。一本道ではないキャリアのなかで、あえて火中の栗を拾いにいくような場面も少なくなかったという。たとえば15年以上前に担当した提携案件で相手方米国企業の幹部は「ミツイから話を持ち掛けられた当初、事業が軌道に乗っていたこともあって、他社との業務提携、ましてや事業売却など考えてもいなかった」と振り返る。しかし、双方が顔を合わせる初めてのミーティングが始まると、「ミツイ側の中心人物であった堀が、力強く自信をもってミツイが持ち込む価値についてプレゼンをしてくれた。同時に、我々の目標に賛同し、共感を示してくれたことが印象的で、ミツイとの取り組みが両社の成長につながるものになると確信した」のだという。

不確実性に満ちた事業開拓に真正面から立ち向かうとなれば、困難の連続だ。しかし「自分がやらなくては」と感じたことにはリスクを取ってでも先頭を切って向かっていく。「ビジネスは、自身にはないものを持つ人とタッグを組んでこそ」。堀が貫いているのはそんな仕事のスタイルである。

際立った個がチームを組めば、組織は強くなる

2021年4月1日、三井物産の新本社ビル初となった入社式で、126人の新入社員と約4万4,000人のグループ社員に向け、堀もまた社長として初めてのメッセージを送った。

中期経営計画2023「変革と成長」には、従来のセグメントを横断的に全社結集する「Strategic Focus(戦略的注力領域)」が定められている。堀はメッセージのなかで、社員同士、グループ企業同士の「プロ人材」としてのハイレベルな協業が必要であると訴えた。ユニークな個がチームをつくり、失敗を恐れず挑戦し続ければ、組織は必ず強くなる。個もまた成長する。堀の思いをシンプルなひと言で表そうとすれば「人の三井」に行きつく。堀自身も新たなステージで、社員とともに挑戦を続けていく。

堀 健一(ほり・けんいち)略歴

1962年生まれ、神奈川県出身。1984年、三井物産入社。商品市場部長、IR部長、経営企画部長などを経て2014年に執行役員。2016年にニュートリション・アグリカルチャー本部長。2018年に代表取締役常務執行役員。2019年に専務執行役員。2021年4月に代表取締役社長、CEO。趣味は観劇、洋楽コンサート鑑賞、野球観戦、週末のランニングなど幅広い。

  • IR優良企業大賞
  • ディスクロージャー2023年度優良企業賞
  • FTSE4Good
  • FTSE Blossom Japan Index
  • Member of Dow Jones Sustainability Indices
  • インターネットIR・sustainability 優秀賞
  • なでしこ銘柄

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