[ブッサンジン360°]
新社屋への移転は単なる引っ越しではない!
社員の意識・行動変革を巻き起こす「Work-X」の挑戦
株主通信 2020年冬号
本社移転をきっかけに始まったWork-Xプロジェクト

2020年5月、三井物産は東京・大手町の新社屋へ本社を移転した。移転2年前の2018年頃、経営幹部および社員の間には「移転を単なる引っ越しで終わらせず、企業価値の向上に寄与するオフィスにすべき」という目的意識があった。
やがてそれは本社移転を機に会社全体の意識・行動の変革を目指すプロジェクトとなる。2019 年8 月、Work-X(Workplace Experience)室が発足。魅力的な職場環境を作り、部門の枠を超えたコミュニケーション、コラボレーションを生み出すことをミッションとして各事業本部から集まったアンバサダーを含む28名の挑戦が始まった。
プロジェクトの目的を4,000人に浸透させるには?
プロジェクト最大のチャレンジは、どうやって本社勤務の全社員約4,000人にその目的を理解・納得させ、変革に向けて自ら行動を起こしてもらうのかということだった。そのために各部署からアンバサダーを選出し、目的の共有、浸透をはかる役割を担ってもらうことにした。アンバサダーの一人は、「当初は単なる新社屋の使い方の話だと思っていた」と振り返る。しかしすぐにプロジェクトの本質に気づいて「本社移転を、自分たちの意識・行動変革のきっかけにしよう」と周囲に呼びかけるようにしたという。彼らの主体的な姿勢に支えられ、Work-Xは現場の視点に立った新たな働き方の羅針盤となっていった。
思い切ったデジタル化でコロナ禍を乗り越える
Work-Xでの議論を経て大きな成果が上がったことの一つが、思い切ったデジタル化の推進である。固定電話を原則廃止してスマートフォンに移行し、Microsoft Teamsなどのデジタル技術活用・ペーパーレス化を推奨した。機動的な働き方の実現や業務プロセスの効率化を目的として進めてきたことだが、結果として新型コロナウイルス感染拡大によって全社員が突然テレワークになるという緊急事態も無事に乗り越えることができた。
また、社員一人ひとりの席を固定せず、業務に応じて機動的にチーム編成ができる「グループアドレス制」の導入もWork-Xが仕掛けた施策だ。当初は慎重な意見も多かったが、丁寧な説明の繰り返しやトライアル実施を通じて社員の賛同を得ることができ、現在は新しい働き方として受け入れられている。
社員一人ひとりの意識・行動は変革できると信じて
Work-X発足から1年以上が経過し、メンバーも交替が進んでいる。しかしその取り組みは、プロジェクトの本質をより深く追求しながら、環境変化に即した進化を続けている。
本社移転後間もない2020年6月に開催した第1回全社員向けオンラインイベントでは、安永社長をはじめとする経営幹部と2,500名を超える社員がMicrosoft Teamsでつながり、自由闊達な議論や質疑応答を行った。これまで経営幹部と社員が直接意見交換する全社員向け社内イベントは開催されたことはなく、参加者の満足度は88%に達した。Work-Xが巻き起こすコミュニケーション、コラボレーションの新たな風は、三井物産の更なる変革と成長につながっていく。
新社屋の大きな特徴は「キャンプ」と名付けられた共有スペースで、16階から28階までの各フロアの中央に配置されています。それぞれ異なるコンセプトを持つキャンプは、社員一人ひとりの多様な「個」が集まって戦略・作戦を練り、それぞれの現場で実践することでイノベーションを生み出すことを狙いとしています。
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