[三井物産のビジネス最前線]
アジアの病院事業を核として世界の医療サービスの向上に貢献する
株主通信 2020年夏号

アジア各国では、人口増や高齢化、生活習慣病の増加による医療ニーズの多様化が進み、病院などの医療インフラが圧倒的に不足しています。限られた医療資源を有効活用し、医療従事者の負担を減らしながら患者満足度を向上させるためには、遠隔診療の普及や未病・予防対策も重要な課題であり、デジタル技術を活用したさまざまなサービスが生まれています。当社はこうした変化をとらえ、広く消費者の「健康」をキーワードとして、病院の枠組みを超えた「人々を中心としたWellness※の世界」への変革の先導者となるべく、事業間の連携やヘルスケアデータの有効活用などによる新たな事業の創出に挑戦すると共に、民間企業としてビジネスを通じた医療サービスの向上に取り組んでいます。
当社は2011年、アジア最大手の民間病院グループ、IHH Healthcare Berhad( 以下、IHH)に出資参画しました。これまで医療周辺の事業に主体的に取り組むなかで培った知見を強みとしながら、幹部から中堅社員まで幅広い人材がIHH の経営に関わることで、病院事業のノウハウを積み上げてきました。
また、2016年には、中間所得層向けに医療サービスを提供する病院グループ、コロンビアアジアヘルスケアに出資参画しました。同社の成長プラン策定から病院運営の効率化など、さまざまな施策を経営層と一体となり推進してきました。
その経験と実績、人的ネットワークを踏まえ、2019年、追加出資によりIHH の筆頭株主となった当社は、同病院を核とした3つの成長戦略を描いています。すなわち、①中国やインドなどへの事業拡大による「地域の広がり」、②診断や検査など病院周辺事業の統合・スピンアウトによる「機能の広がり」、③IHHに集まる膨大な医療データの活用による「事業の広がり」です。アジアの病院事業を核として医療サービスの向上に貢献し、将来的には世界中の人々の豊かな暮らしを支えていきます。
※ 健康を肉体面だけでとらえるのではなく、生活全体を積極的・創造的なものにして、健康を維持・増進させようとする生活活動。
IHH とはシンガポール・マレーシア・トルコなどを中心に事業展開し、圧倒的な規模を誇るアジア最大の民間病院グループ。中国やインドへの進出も果たし、アジアのヘルスケア市場の拡大を牽引しています。

入院患者 約60万人・外来患者 約600万人(年間)
(2019年3月末時点の情報に基づく)
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