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[ブッサンジンがゆく]
経理を煩雑な決算業務から解放し、三井物産の成長を支える
“攻め”の決算システムを作りたい

株主通信 2019年冬号


鯉沼 里美

鯉沼 里美 Satomi KOINUMA

取材時:三井物産(株)CFO統括部 業務プロセス管理室
現所属:アジア・大洋州三井物産(株)財務管理部会計室 室長補佐

グローバル経営の指標となる三井物産の連結決算

当社では、財務、経理、リスクマネジメントなどを担う部署を「CFO 部門」と総称する。いずれも会社の要となる業務だが、世界66ヶ国・地域で事業を展開する当社にとって特に重要なのが、グローバル経営の指標となる連結決算だ。

2018年、当社は全面刷新した連結決算の情報システムを本格稼働させた。連結対象約500社の決算をまとめるシステムの再構築には、高度な専門知識が求められることは言うまでもない。しかし、その陣頭指揮を執ったのは、自ら「スペシャリストではない」と語る入社9年目(当時)の鯉沼里美であった。

正式なプロジェクト発足から2年2か月で新システム稼働

正式なプロジェクト発足から2年2か月で新システム稼働

若手・中堅10名の活動が大規模プロジェクトへと展開

鯉沼がシステム刷新の必要を感じたのは、当社がIFRS(国際財務報告基準)の導入を進めていた時期にあたる。それまでの制度変更に対して局所的な改修を重ねた結果、システム全体が複雑な「建て増し旅館」のようになっていることに危機感を抱いたのだ。

鯉沼は自ら発起人となって若手・中堅社員10名ほどのワーキンググループを立ち上げる。「まずは現状把握のために決算業務の“良い点・悪い点”をフセンに書き出してみると、そのほとんどが“悪い点”だった」と鯉沼は言う。やがて彼らは「情報システムの検討」という当初の目的を超えて、「連結決算業務の改革」を目指すようになる。コンセプトは“圧倒的な効率化”。2016年には、社内横断的に延べ100名近くの社員と関連企業が結集したプロジェクトチームが正式に発足し、鯉沼はプロジェクトマネージャーに就任。毎月のように「今月がヤマ場だ」と自分を励ましながらミーティングを重ねる多忙な日々は2年半続き、2018年6月、ついに新システムが本稼働した。

連結決算システム刷新の開発コンセプトは“圧倒的な効率化”

連結決算システム刷新の開発コンセプトは“圧倒的な効率化”

三井物産の成長をサポートする“攻めの経理”の実現へ

経理の仕事は数字合わせに追われ、何のための数字なのかを置き忘れてしまいがちだ。しかし、鯉沼は一連の活動を通して「営業の仕事を客観視して、現場では気づかない課題を見極めることも経理の役割」と考えるようになったという。自身をスペシャリストではないと分析しつつも、その役割を真に理解していた鯉沼だからこそ、世界でも先例が少ない大規模なシステム刷新を成し遂げられたのだろう。新たな情報システムによって、より早く決算の大勢がつかめるようになり、運用の属人化も解消しつつある。鯉沼はその先を見すえ、三井物産の成長をサポートする“攻めの経理”を目指している。

三井物産の成長をサポートする“攻めの経理”の実現へ
  • IR優良企業大賞
  • ディスクロージャー2023年度優良企業賞
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  • Member of Dow Jones Sustainability Indices
  • インターネットIR・sustainability 優秀賞
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