三井物産株式会社(本社:東京都千代田区、社長:安永 竜夫、以下「三井物産」)は、トマト種子の開発・生産・販売を行っているオランダのTotam Seeds B.V.(以下Totam社)に75%出資することで合意し、2020年11月25日に株式譲渡契約書などに調印しました。
野菜種子市場でもトマトは最大作物で、Totam社は急成長を続ける環境制御型ハウス(Active Greenhouse、以下AGH、注1)で栽培するトマトの種子開発で実績をあげています。AGH栽培は、気候に左右されない栽培環境下で通年での安定供給が可能で、農業に関する世界的課題である労働力(作業従事者)を最小限にできるため、年率約8%で成長しています。
本案件のパートナーとなるProminent U.A.(以下、Prominent)は、AGH技術の先進国であるオランダでの最大規模のトマト生産者団体です。今回の出資を通じて、Prominentのトマトの生産、および最新の消費者トレンドに関する知見と、Top Seeds International Limitedをはじめとした三井物産の種子関連事業会社の技術開発力をTotam社のトマト品種改良に生かし、より競争力のある品種開発が可能となります。また、世界中のAGH農家にTotam社が開発するトマト種子を供給するだけでなく、ProminentがAGH分野で培った知見(灌漑、ハウス設備、センサーなど)に基づく総合的な技術支援を行っていく計画です。
三井物産は世界の人口増加にともなう食料の需要増大、気候変動に対応した食料の安定供給の実現、人々の健康増進と生活水準の向上に結びつく野菜の需要増加といったニーズに注目しています。これらの課題解決策になり得る野菜の種子事業を今後の戦略領域と位置付け、今回の出資参画を通じてグローバルな食生活の向上に貢献していきます。
Totam社の概要
正式名称 | Totam Seeds B.V. |
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設立年 | 2010年 |
本社所在地 | De Lier、オランダ |
出資後の株主構成 | 三井物産75%、Prominent TS B.V.25%注2 |
事業概要 | トマト種子の開発・生産・販売 |
注1:環境制御型グリーンハウス栽培とは、光環境、湿度、温度、二酸化炭素濃度などの環境をシステムを用いて人為的に制御したハウス下での栽培方法の事です。
注2:Prominent TS B.V.はProminent U.A.のSPC。
三井物産のマテリアリティ(重要課題)
三井物産は、「世界中の未来をつくる」を企業使命に、さまざまなステークホルダーの期待と信頼に応え、大切な地球と人びとの豊かで夢あふれる明日を実現すべく、サステナビリティ経営の重要課題としてマテリアリティを特定しています。 本件は、5つのマテリアリティの中でも、特に「安定供給の基盤をつくる」、「環境と調和する社会をつくる」の実現に資する取り組みです。
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安定供給の基盤をつくる
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豊かな暮らしをつくる
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環境と調和する社会をつくる
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新たな価値を生む人をつくる
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インテグリティのある組織をつくる