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三井物産 社長 安永竜夫による全役職員向け「2020年 年頭の辞」を下記の通りお知らせします。
記
三井物産グループの皆さん、明けましておめでとうございます。新年を皆さんと共に迎えるにあたり、私からごあいさつ申し上げます。
環境認識
近年、世界では国家・地域間で価値観や思想の多様化が進み、米中対立も長期化の様相を呈しています。また、世代間における嗜好や行動様式の違いも従来以上に顕著になっており、さまざまな次元でまだら模様な、混沌とした政治・経済情勢となっています。加えて、ITを中心とした技術の進歩はその速度と革新性を高めており、また、ステークホルダーからは地球環境問題への対応を求める声が急速に強まっています。
多要素が複雑に絡み合い、そして新たな思想や技術が瞬く間に世界に拡散する今日、将来を予測することはますます困難になっています。将来を見据えた手を打つことは引き続き重要ですが、それが予測できないことを前提に戦略を準備し、変化に柔軟に対応できる体制を整えることが求められていると考えています。
中期経営計画2023
日本では今年の夏に東京オリンピック・パラリンピックの開催が予定され、新たな時代への機運が高まっています。当社では、新年度からは「中期経営計画2023」がスタートし、また5月には新本社ビルが完成し約5年半ぶりに大手町に戻ります。当社にとって、新たな門出となる非常に重要な1年と考えています。
4月からの3年間を対象とする新たな中期経営計画は、メインテーマを「変革と成長」、サブテーマを「新たなステージに向けたコミットメント」とします。当社のこれまでの思考・行動様式を大胆に変革し、新たな高みへと当社が飛躍する。言わば「殻を突き破り、脱皮し、成長する」ことを必ずや達成する、そういった思いを込めたものです。これは、経営陣も含めた一人ひとりのレベルで成し遂げてこそ、会社全体としても実現できるテーマです。そのために皆さんに特に意識し心掛けて頂きたいことを、今日は2点に絞ってお話しします。
より強い個
一点目は、常に「より強い個」を目指してくださいということです。自らのプロとしての知見、ハードスキル、ソフトスキル、マインドの有り様を日々点検してください。そして、いかにしてそれを高め、広げ、発揮し、付加価値を生み出していくのかを、常に意識し実行してください。当社には「人が仕事をつくり、仕事が人を磨く」という先人の言葉があります。全身全霊を傾けてチャレンジングな仕事に取り組むことが、「より強い個」となるための着実な方法の一つです。当社には、自らを磨くことのできるチャレンジングな仕事があり、そして、そういった仕事を新たにつくり出せる環境があります。強い個の集合体が三井物産である、という原点に立ち返り、それをより確固たるものにしていきましょう。
共につくる
二点目は、「共につくる」。最近使われる言葉で言えば、「共創」の精神です。「共創」が唱えられる背景には、一個人や一企業といった限定的な知見だけでは新たな付加価値を生み出すことが難しくなってきていることがあります。当社は従来から、お客様やパートナーとの連携の中で事業や価値を生み出してきた会社です。「共につくる」は当社の強みであり、当社に根付いてきた価値観に他なりません。
当社グループ内を見ても、さまざまな領域にまたがる多様な人材と知見が数多く存在しています。また、新本社ビルには、皆さんが垣根を飛び越えて「共につくる」ことを誘発し、促進するための仕掛けをいろいろと用意しています。それらの環境を最大限活用し、さらにはお客様のニーズを把握し社外のパートナーも積極的に巻き込みながら、新たな発想や価値を「共につくる」ことを一層心掛けてください。
結び
冒頭で、将来を予測することがますます難しくなっているとお話しました。私は、挑戦と創造の精神で自己変革と進化を繰り返してきた三井物産の強みが、まさに発揮できる時代だと思っています。まずは個の力を磨き上げ、その上でグループの力を結集し、さらにはお客様やパートナーの皆様も巻き込み、相乗効果により足し算を越えた新たな価値を生み出し社会に貢献する。当社の価値創造の考え方は不変ですが、それを今までよりもさらに高いレベルで成し遂げ、新たなステージで躍動する三井物産グループを、皆さんと共につくり上げていきたいと思います。
最後に、今年も皆さんとご家族が健康であること、そして実り多き一年になることを祈念して、私の年頭のあいさつとします。