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平成31年入社式挨拶

2019年4月1日


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皆さん、おはようございます。社長の安永です。
本日、174名の新たな仲間を迎え入れることが出来、大変嬉しく感じています。
皆さんの清々しい顔からは、学生としての時間を全力で駆け抜けた達成感、そして新たな挑戦に臨むための強い覚悟が感じられ、本当に頼もしく思います。
今日は、二点お話ししたいと思います。

物を産みだすDNAの継承

一点目は「物を産みだすDNAの継承」です。
三井物産という社名には「物を産む」という思いがこめられています。その精神はビジネス、そして事業を産み出すDNAとして継承されています。
一昨年、皆さんの先輩方が真剣に議論を重ねた結果、当社が長期戦略を通じて目指すべきテーマを、「強い個がビジネスをつくる」に定めました。
三井物産の最大の資産であり、ビジネスを進める上で最も当社らしさが表れるのは人材です。
皆さんには、一人ひとりが強い個として、様々なパートナーを惹きつけ、ビジネスを主体的に動かし、責任をもって最後までやりきる力を、是非備えてもらいたいと思います。
そのためには、特に吸収力の高い若い間に出来るだけ早く現場に出て、リアルなビジネスの場を数多く経験することが、必要と考えています。
私は20代の頃にインドネシアのスマトラ島を訪れ、英語も通じない中でホテルやタクシーの手配も含めて全て自分でやりくりしながら仕事をしたことや、中国語を3ヶ月でマスターするようにと台湾に派遣され、その後すぐに中国で簡単な通訳をしながら商談をする、という経験をしました。
このような経験が、現場では何が起ころうとしているのか、ということを常に想像させてくれる私の基礎になっていると感じています。
多様な文化や異なる考えを持つ相手と対峙し、社内外に仲間を作りながら、必死になって困難な課題を乗り越えていく。その経験の蓄積こそが、個人としての引き出しを増やし、よりスケールの大きいビジネスを手掛ける実力を高めることにつながります。
当社社員の目指す姿の一つとして、「ジャングルガイド」と表現していますが、皆さんには、単に未開の地を切り開くだけでなく、ビジネスで遭遇する様々なチャンスや困難な状況で主体的に動ける水先案内人として、どんどん新たなビジネスにチャレンジしていただきたい。
この会社にはたくさんの機会があります。是非積極的に挑戦を繰り返し、物を産みだすDNAを確りと継承して欲しいと思います。

本質的なコミュニケーション

二点目は「本質的なコミュニケーション」です。
日本・海外、社内外を問わず多くの方々と関わり、巻き込んでいくためには高いコミュニケーション能力が求められ、そのような能力は自分を助けてくれます。
メールやSNSを通じたコミュニケーションの便利さは否定しませんし、私自身も活用しています。しかし問題が発生した時、難しい交渉を任された時、必要なコミュニケーション能力は何なのでしょうか。
相手の考えや感じていることを察知する力、自分の考えや思いを正確に伝える力、それらを相手がどのように受け取るのか想像する力、などはどのような時代にも必要です。
国を越え、世代を越え、そして産業を越える本質的なコミュニケーションを実践する力は、重要な局面で非常に大きな成果を生む一方、中途半端な覚悟ではなかなか身に着きません。このような力も出来るだけリアルな世界で試行錯誤を重ねることで、自分自身のスタイルを磨き上げていくのが良いと思います。
当社の伝統に「自由闊達」というものがありますが、皆さんには、自分の考えをしっかり持ちつつ、一方で相手に対する思いやりを決して忘れずに、先輩・同僚たちと自由闊達で活発な議論を交わすことで切磋琢磨を続けて欲しいと思います。

ここから見える目の輝き、凜とした表情から、皆さんが三井物産に新しい風を吹き込んでくれることを確信しています。皆さんが手掛けていく未来によって、三井物産の新しい歴史を創って下さい。

皆さんの入社を心から祝福し、歓迎の挨拶と致します。