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平成30年入社式挨拶

2018年4月2日


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おはようございます。社長の安永です。
皆さん、入社おめでとう。ようこそ三井物産へ。158名の新たな仲間を心から歓迎します。
皆さん、少し緊張しているようですが、やる気を漲らせたとても良い目をしています。社長として、大変頼もしく感じます。
三井物産を一言で言えば、バラエティに富んだ強い「個」の集団です。そして、そうした「個」を尊重し、「個」が活躍する現場を大切にする会社です。仕事は少々きついかもしれませんが、人間的魅力にあふれた先輩と活気ある職場が皆さんを待っています。楽しみにしていて下さい。
私からは、皆さんの先輩の一人として、二点アドバイスしたいと思います。

初動が大事

一点目は、「初動が大事」ということです。鉄は熱いうちに打て、といいますが、まさに今、皆さんは熱された鉄の状態です。最初の3年から5年間の経験が、その先の成長のための土台となります。そこでの経験の差が、将来ライバルとの大きな差となって表れると言っても過言ではありません。
私も、入社3年目に台湾に語学研修に出て、3ヶ月で日常生活に困らないようになって来いと言われました。5年目でプラントビジネスのインドネシア担当となり、英語が全く通じないスマトラ島を、一人で走り回る日々を過ごしました。当時は大変なこともありましたが、この時の経験がどんな修羅場・土壇場・正念場に陥ってもやっていけるという自信の源になりました。世界銀行に飛び込んだのも、こういった経験があったからです。
皆さんも、どんな些細な仕事もおろそかにせず、全力投球してほしいと思います。先輩や上司から貪欲に学び、良いところをどんどん吸収して下さい。
その上で、与えられた仕事で一つずつ確りとした結果を出せば、それは周りからの「信頼の貯金」に繋がります。貯金が貯まれば、新しい、よりチャレンジングな仕事を任せて貰えるようになります。三井物産には素晴らしい先輩や上司が溢れています。皆さんの活躍を待つ「仕事の場」も数えきれないほどあります。早くこの良い循環を確立できるよう、自分自身を徹底的に鍛えて欲しいと思います。

相手の立場になって考える

二点目は、「相手の立場になって考える」ことの重要性です。商社のビジネスは、人との関わり合いの中から産み出されます。つまり、皆さんは常に誰かを相手として仕事をすることになります。相手は時には利害関係がぶつかる交渉相手であり、時には共同で事業を進めるパートナーかもしれません。
私の経験を話せば、プラントの交渉では、100%の勝ちというのはあり得ません。妥協点をお互いに探る中で、相手が何を考えているのか、相手にとって譲れない一線はどこか、を必死に考えながら、自分たちが絶対に譲れない条件を守るために、ギリギリの交渉をしていく。先ほどインドネシアの話をしましたが、その後もロシアやイランでプロジェクトのリーダーとして交渉の場数を踏む中で、相手を知ることの重要性を肌で感じました。「敵を知り己を知れば百戦危うからず」孫子のこの言葉はまさに的を射ていると思います。 社内においても同様です。自分のやりたい事業や投資を円滑に進めるためには、社外との交渉だけではなく、社内の多くの部署と連携し、その案件のファンになってもらう必要があります。その際、自分達だけの主張を繰り返し、独りよがりになっていては、決して周囲の理解は得られず、必要なサポートも受けられません。
自分の考えを理解してもらうために、相手が何を感じ、何を求めているのか、先回りして対応出来るほどに相手を理解する。その為には、日頃から社内外で密なコミュニケーションを心掛け、柔軟な思考能力を磨くことは勿論大切ですが、相手を尊重し、常に謙虚に「相手の立場になって考える」ことが重要だということを忘れないで下さい。

三井物産は世界60ヶ国以上で事業を展開しています。4万人を超える仲間がいます。このグローバルな舞台で、多くの仲間と共に、一日も早く一人前の物産パーソンとして大活躍できるよう、ここに集う同期同士、お互いに切磋琢磨しながら成長して欲しいと思います。

最後に、皆さんの会社人生が、健康で、充実したものとなることを祈念して、私の挨拶とします。
今日は本当におめでとう。