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平成28年入社式挨拶

2016年4月1日


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皆さん、おはようございます。社長の安永です。
本日187名の新しい仲間をここに迎えることができました。心から歓迎します。
先ほどから皆さんの若干緊張しながらも高揚感のある顔を見渡しながら、私も30数年前の今日を思い出していました。
三井物産を一言でいうなら、厳しくも楽しい会社です。素晴らしい上司や先輩、同僚に囲まれ、自己の成長と自己実現を果たすにおいて、これほど素晴らしい環境はないと思います。一日も早く会社生活に慣れ、自分の描く夢や志の実現に向けて駆け出してほしいと思います。

当社決算について

今日はまず始めに当社決算のことについてお話ししたいと思います。
皆さんも新聞報道などでご存じだと思いますが、当社は2016年3月期の決算において連結税引後利益が史上初の赤字となる見込みです。細かい説明は省きますが、商品市況の想定以上の下落により、当社がこれまでにない危機にあるということは皆さんとも共有したいと思います。
社長として、このような数字を出すことは大変に残念です。ただ、強調しておきたいのは、これは三井物産という会社を大胆に変革させるチャンスであるということです。この逆境をバネに、今まで力を発揮できていない事業分野の強化を全社一丸となって推し進め、どのような環境変化にも耐え得るさらに強靭な収益基盤の構築を進めていく覚悟です。
社員の皆さんには、今こそ「挑戦」の時であり、全社員が自らの運命を切り開いていく気概を持って力を結集し、この危機に立ち向かっていこうと伝えました。皆さんも先輩たちと一緒になって会社の変革と成長に貢献してください。

一人ひとりが主役

さて、先ほども触れましたように、世界経済のグローバル化やIT技術革新により、あらゆる産業分野で競争環境が速く、激しく変化する時代となっており、今後ますます「変化を恐れず、主体的能動的に行動する企業文化」が重要になると感じています。
そのような中、私自身の経験も踏まえ、二つメッセージをお伝えしたいと思います。
一つ目は、「一人ひとりが主役」ということです。
今年は旧三井物産の設立140周年にあたります。当時弱冠27歳の初代社長益田孝は、全くのゼロの状態から、今日に引き継がれる「総合商社」のビジネスモデルを創り上げました。その「挑戦と創造」のDNAはわれわれに脈々と受け継がれています。
皆さんは新入社員ではありますが、指示された仕事だけをこなすという受け身の姿勢ではいけません。自ら積極的にビジネス現場へ足を運び、事業パートナーやお客さまから生の声や情報をかき集め、現状に対して改善・変革すべきことが無いか、常に問い続けてほしいと思います。
当社には健全な議論を行うことができる「自由闊達」という企業風土があります。常に探求心と謙虚さを忘れず、臆することなく周囲と議論し、自らの考え方や行動の質を高めることで、信頼を積み重ねてください。それが自らのビジネスフィールドを広げる最も近道になるはずです。
自分が将来の三井物産を支えるのだ、という強い気持ちを持って、それぞれの仕事で主役を張れる人間に成長してくれることを期待します。

何か一つのことに徹底的に取り組む

二つ目は、「何か一つのことに徹底的に取り組む」ということです。新入社員である皆さんは、すぐに自分が希望した仕事を任せてもらえるわけではありません。独り立ちするためには、学ぶことがたくさんありますが、少しでも早く仕事で会社に貢献できるように努力してください。そうすれば、自信と活力が湧いてきます。知識と経験が足りなくても、何か一つのことに徹底的に取り組んでみてください。
例えば、お客さまのところに足しげく通い、そのお客さまのことは自分が一番よく知っている存在になる、契約書を隅から隅まで読んで一番詳しくなる、物流のプロセスを完璧に理解し実務を任せてもらう、あるいは業務フローを自分なりに分析して、より効率的な体制やコスト削減方法を提案する、といったことでも良いのです。
一つの仕事を達成すると、よりスケールの大きな仕事を任せもらえるようになり、それがさらなる成長につながります。やりがいのある仕事に貪欲に挑戦し、奮闘する中で本物のプロフェッショナルへと成長すると同時に、この三井物産というグローバルフィールドで思う存分に活躍するためにも、「人間的魅力」のあるグローバル人材を目指してください。

志を高く、目線を正しく、世の中の役に立つ仕事を一緒に創造していきましょう。あらためて、皆さん、本日はおめでとうございます。

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