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2016年「年頭の辞」

2016年1月4日


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三井物産 社長 安永竜夫による全役職員向け「2016年 年頭の辞」を下記の通りお知らせします。

皆さん、明けましておめでとうございます。

2015年を振り返って

社長就任以来、9か月が経ちました。その間、一段と低迷の度合いを増す商品市況に加え、中国や新興国における経済成長の鈍化や地政学リスクの高まりなど、経営環境は以前にも増して厳しい状況になりつつあります。特に商品市況の回復にはしばらく時間がかかると思われ、危機意識を高め、さらなる収益基盤強化に向けた取り組みを今まで以上に加速しなければなりません。

2015年を振り返ると、資源・エネルギー分野における埋蔵量・生産量・コスト競争力の三位一体の強化が実を結び始めているのに加え、米州での化学品やインフラ、モビリティー事業における新規事業の立ち上げ、リサイクルの進展など、多くの攻め筋で着実に案件が進捗しています。また、「食と農」やICT分野などで新たなイノベーションに向けた取り組みも浸透しつつあり、皆さん一人ひとりの頑張りの積み重ねにより、確実に良い流れができつつあると感じています。

私自身も、「現場重視」の考えを実践すべく、積極的に国内外に出向き、各国首脳や、パートナー・お客さま幹部との面談を実施し、Top to Topの関係強化を図ってきました。また、国内外支社支店および多くの関係会社訪問を通じて、そこで働く皆さんとの対話を重ねてきました。これらを通じて、お客さまと接する現場の大切さ、皆さんと直接コミュニケーションすることの重要性をあらためて認識するとともに、社長として果たすべき役割や責任の大きさを実感した年でもありました。

新年にあたり、皆さんに今年特に意識していただきたいことを2点お話します。

連結三井物産

一つ目は、「連結三井物産」です。これまでにもお話しましたが、当社収益の屋台骨を支えているのは関係会社であり、関係会社の成長と当社の発展を分けて考えることはできません。各関係会社は三井物産のリソースも活用しながらさらなる成長を目指してください。主管本部は各関係会社と十分な連携をとり、visionを共有し、個社が持つポテンシャルを最大限に引き出してほしいと思います。

関係会社の取締役会を活性化することも必要です。関係会社と主管本部が一体となって成長戦略を策定し、広い視野で創意工夫に富んだビジネスデザインを描いて実行につなげてください。経営は、そうした力強い成長戦略の策定・実行と、それらを基盤としたグループ全体での価値創造を強く後押しします。連結47,000人・460社が一体となって営業力の向上と機能の先鋭化に努め、連結収益力の一層の強化を目指しましょう。

一人ひとりが主役

二つ目は、自らのskillとvalueをさらに向上させるとともに、一人ひとりが主役であるという事実をしっかりと再認識してほしいということです。パートナーとのTop to Topによる関係強化はビジネスをつくり出すための環境整備であり、実際に事業やディールの実現につなげていくのは皆さん一人ひとりの役割です。信念と矜持を持って仕事に取り組み、主体的に考え、目標達成に向けてしたたかに行動してください。

私の経験から言っても、仕事は、自ら動けば動くほどいろいろな知恵が身に付き、人脈が形成され、全体が俯瞰できるようになって、それが結果にもつながります。時には他本部の領域に踏み込む場面も出てくるでしょうが、健全な領空侵犯はむしろ推奨すべきと思っています。切磋琢磨を通じて効率的な協業体制構築と全体最適を目指してください。皆さん一人ひとりが、自分が主役として組織や事業を引っ張っていくのだという強い気持ちを持ち、より積極的に仕事に取り組んでいくことを期待しています。

結び

2016年は、現中期経営計画の最終年度で、2020年在り姿実現に向けた次期中期経営計画へつなぐ大切な年です。個の力を存分に発揮しながら、「連結三井物産」47,000人の総力を合わせ、さらに元気で力強く迫力のある三井物産を実現していきましょう。

最後に、皆さんとご家族が今年一年健康であること、そして実りの多い年となることを祈念して、私の年頭の挨拶と致します。