米国で自動車サスペンション用アルミ鍛造部品（以下 アルミ鍛造サスペンション）を主力に製造・販売をしている合弁会社「コウベ・アルミナム・オートモーティブ・プロダクツ社（Kobe Aluminum Automotive Products, LLC、以下 KAAP社）」は、北米のアルミ鍛造サスペンションの需要拡大に対応するため、生産設備の増強を決定しました。設備投資額は約56.6百万米ドル（約68億円）で、2017年から順次稼働開始を目指します。

アルミ鍛造サスペンションは、軽量化を通じて自動車の燃費向上に貢献する製品です。KAAP社は、その北米における製造販売拠点として2003年に（株）神戸製鋼所・三井物産（株）・豊田通商（株）の合弁会社として設立され、2005年より操業を開始しました。本年5月には操業開始10周年を迎え、この間、自動車軽量化ニーズの高まりを背景としたアルミ鍛造サスペンション需要の拡大に応じて、順次、生産設備を増強してきました。現在では、溶解鋳造2ライン、鍛造プレス6機の体制で操業しており、北米のアルミ鍛造サスペンション市場でトップシェアを有しています。

北米は世界第2位の自動車市場であり、今後も自動車生産台数は増加を続け、2015年の約17.5百万台から2020年には約19.0百万台に達するものと想定しています。加えて、2025年に向けた燃費規制（CAFÉ規制（*））の強化に対応するため、車体軽量化ニーズが加速しており、アルミ鍛造サスペンションの需要も拡大を続けると見込んでいます。

伸長する需要を取り込むため、この度、溶解鋳造1ライン・鍛造プレス2機などを新たに導入することを決定しました。尚、投資額には、将来の更なる拡張も見据えて、隣接地の取得、および建屋の新設も含んでおります。今回の増強により、生産能力は月産75万本となる予定です。

KAAP社は、今後も時機を逃さず生産設備の増強を実施し、北米のアルミ鍛造サスペンション市場におけるトップの地位を磐石なものとして参ります。

今回の設備増強概要

※下記表は横にスクロールしてご覧ください。

KAAP概要

（*）CAFÉ規制：「Corporate Average Fuel Economy：企業別平均燃費」の略。
米国において自動車製造企業ごとに算定する平均燃費が基準値を下回らない様に義務付けられる。
（2012年8月の規制強化により、自動車メーカーは2025年までに乗用車と小型トラックの平均燃費を54.5mpg（マイル／ガロン）に引き上げることを義務付けられた。）

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