CDIOメッセージ

データ/AIでCombinatory Value創出を加速
代表取締役 専務執行役員
CDIO(チーフ・デジタル・インフォメーション・オフィサー)
福田 哲也
中経2026の取組みの総括、中経2029で
注力していくポイントを教えてください
中経2026では、各事業本部の課題・成長戦略に直結したDXを推進し、既存領域での迅速な価値創出と新領域での横展開を実現しました。併せて、各事業本部とコーポレートスタッフ部門が一体となり、DXによる既存事業価値の拡大、新領域での価値創出、徹底した業務効率化を通じて、当初計画を上回る定量価値を創出しました。
中経2026で特に意識したのは、セキュリティとDX人材育成の二点です。セキュリティはグループ内の専門知見も活用しながらグローバル・グループで対策を強化しました。DX人材は国内外約9,000人の社員のうち約1,700人に到達し、活躍に向けた土台が整い、また、グローバル各拠点へのCDIOの設置を進めたことで、グローバル・グループでのDX推進体制も加速しています。
中経2029では、データ/AI活用の更なる高度化と、グローバルタレントマネジメントシステム「Bloom」を活用したDX人材の戦略的配置を加速し、事業価値を生み出すフェーズへと進化させていきます。
「データ/AI活用の更なる高度化による価値創出」の
取組状況を教えてください
当社では、データは全社の共有資産というデータマネジメント方針を掲げ、全社共通システムのデータを共通基盤に集約してきました。組織の垣根を越えた利活用環境を整え、業務生産性の向上につなげています。
さらに、全社共通システムに蓄積されたデータに加え、各グローバル・グループ会社がそれぞれ保有するデータについても、適切なガバナンスを確保した上で横断的に活用しています。従前から当社はグローバルマトリクス体制のもと、事業本部や地域の枠を超えて多様な事業・人材・知見を結びつけることで、単独では生み出せない価値を創出してきました。中経2029では、多様なデータ/AIとプロフェッショナル人材の知見を掛け合わせることで、こうしたCombinatory Valueの創出をさらに加速させていきます。データ/AIを活用することで、これまで個人の経験やネットワークに依存していた事業機会の探索や組合せの発見を飛躍的に加速し、従来では見出せなかった新たな価値の創出につなげていきます。
足元では、グローバル横断のデータドリブン経営(グローバルDDM)として、グループ共通基盤(DDM Platform)をベースにAIエージェント・各種分析・予測等を活用し、グループ会社や本店組織を含む100以上の組織で合計200件超の案件(2026年6月末時点)を推進しています。今後は個別プロジェクト(点)の拡大に加え、それらを連携させることで、当社グループ全体のネットワーク価値(面)へと進化させていきます。
2027年3月期よりAI戦略推進ユニットを
設立しましたが、その狙いを教えてください
AI戦略推進ユニットは、全社的なAI活用を加速する中核組織と位置づけ、コーポレートスタッフ部門ではなく、あえて事業部門であるICT事業本部の傘下に設置しました。
その狙いは、AI活用を企画検討やルール整備にとどめることなく、事業の現場に深く入り込み、実際の業務変革や事業価値の創出に直結させることにあります。
各事業で個別に進められてきたAI活用の知見・ノウハウを集約しつつ、現場と一体となってAIの実装・展開までを推進することで、既存事業の競争力強化に加え、効率的かつスピーディーに新たな事業機会の創出につなげていきます。
サイバーセキュリティの取組状況を教えてください
当社では、サイバーセキュリティをIT領域に限定した課題ではなく、事業継続や企業価値を守るための重要な経営課題と位置づけています。内外環境の変化を踏まえ、2025年3月期には、全社的なデジタル戦略の指針である「デジタル・グランドデザイン」の一環として「三井物産サイバーセキュリティ戦略」を策定しました。現在は、CDIO管掌のもと、グループ内の専門組織の知見も活用しながら、グローバル・グループでの対策強化に取り組んでいます。
具体的には、関係会社が満たすべきセキュリティ水準(Cyber Security Baseline)の整備や、実地評価によるリスクアセスメントを通じて、リスクの可視化と継続的な改善を図っています。中経2029では、グローバル・グループ全体のセキュリティをより一層強化していく方針です。