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2023.11.20

感動的な買いもの体験を
eコマースで実現したい。

ICT事業本部 中野 拓哉
株式会社QVC ジャパン
中野 拓哉
Profile

三井物産に入社後3年間、ICT事業本部にて関係会社であるQVCジャパン社の経営支援業務を担当。2022年に同社へ出向し、デジタルストア部門に所属、eコマースおよびデジタルマーケティングを担当している。

三井物産で取り組んでいることは?

現在は、株式会社QVCジャパンに出向し、eコマースやデジタルマーケティングを担当しています。QVCジャパンはTVショッピングを中心としたマルチプラットフォーム通販企業です。2000年に、三井物産と世界最大のTVショッピング事業者であるアメリカのQVCが提携し、共同出資でQVCジャパンを設立しました。私はICT事業本部にてQVCの経営支援を担当していましたが、消費者ビジネスの醍醐味である「お客様に直接届ける」というオペレーションに携わりたく、QVCジャパンへの出向を選びました。TVはもちろん、デジタルも駆使すべく、eコマースで販売する商品編成やプロモーションのプランニングを行っています。

QVCの特徴は?中野 拓哉

QVCの特徴は?

QVCでは、バイヤーが厳選した美容、健康食品、ファッション、ジュエリー、家電などの幅広いラインナップからなる商品を、それにまつわるストーリーと共に映像にてお伝えする、通販の便利さとリアル店舗のウィンドウショッピングのような楽しさを組み合わせたショッピング体験をお届けしています。近年、インターネット通販が一般的になりつつありますが、買いもの体験において、人間の五感に響く偶然の出会いの機会が少なくなっているのではと感じています。デジタル化が進めば進むほど、人は人の温もりや繋がりを求めるようになっていくのでは? とさえ思っています。QVCではお客様にとって思いがけない新しい出会いを提供するために、コンテンツ制作にも力を入れています。
ある家電ブランドは、QVCの番組を通じてブランドストーリーを映像と共にお客様に届けられる点に魅力を感じ、QVCを活用いただいています。家電量販店に行けば同じ商品が購入できたとしても、その裏側にあるブランドのストーリーは、ただ店頭に商品が陳列しているだけでは窺い知ることができません。商品の開発秘話やブランドのバックグラウンドをじっくり伝えられる点は、メーカーの皆様にとっても大きな魅力となっています。

通販事業に取り組む中で直面した難問は?中野 拓哉

通販事業に取り組む中で直面した難問は?

デジタル化が進む中、通販事業も変化が求められています。この変化にどのように対応していくか。TVショッピングといえば、TVで視聴し電話で注文・購入するスタイルが従来は一般的でしたが、現在ではTVを視聴しスマートフォンで購入するという新たなライフスタイルがお客様の間に浸透しています。お客様のライフスタイルが多様化し、買いものの選択肢が増えていくほど、オペレーションも複雑になっています。お客様がどのチャネルをきっかけに購入に至ったのか、カスタマージャーニーの全てを正確に把握することが難しい部分もまだあります。

その難問を今後どう乗り越えていくか?

世界ではTV離れが叫ばれていますが、日本ではTVのメディアパワーはまだまだ根強いと思っており、TVとeコマースを組み合わせた最適なメディアミックスでお客様にリーチしていきます。TV画面上に表示されるQRコード、ライブコマース、LINEなどを活用し、スマートフォンとTVの連動を強化することや、TVでは紹介しないネット限定商品のラインナップをeコマースにて拡充することなどにより、お客様とのタッチポイントを増やすことに注力しています。TVを中心に、QRコード、ライブコマース、LINE、そしてメルマガやSNS、新聞などの既存のメディアをも通じ、どういったメディアからどの商品と出会うとお客様の購買に結びつくのか、最適な形を日々模索している最中です。
QVCの業績は、根強いファンの方々に支えられています。時代の変化にともなってお客様との接点が変わっても、お客様、つまりファンの方々にとっていかに魅力的で新鮮な商品ラインナップを展開し、商品・ブランドのストーリーまで届けていけるのか。この試行錯誤と知見の積み重ねが、近年の好調な業績にも繋がっていると思うので、今後も注力していきます。

あなたの志は?

三井物産が培ってきたグローバルなネットワークやQVCでの経験を活かし、将来的にはBtoCの新たな消費者ビジネスを創り出したいです。私は昔からウォルト・ディズニーを尊敬し、人の心を動かす瞬間を創り出すエンタメ精神あるビジネスに自身の生涯をかけて携わりたいと考えてきました。まずはQVCで、「こういう商品が欲しかった!」といった高揚感や、人の感動を原動力にする買いもの体験を今後ますます生み出せたら、と思っています。
以前、私自身がQVCのライブコマースに司会として実際に出演し、商品の紹介をしたことがあります。番組を見たお客様から「商品を購入したよ」「素晴らしい商品と出会えた」などのお声をいただき、消費者ビジネスの醍醐味を実感しました。ビジネスの始まりや根幹には、人が感動した経験や心が動いた瞬間が必ずあります。QVCが誰かのライフスタイルにとって欠かせないものになっているように、私もお客様のライフスタイルに寄り添うようなビジネスを生み出せたらこれ以上の喜びはありませんし、これこそが自分の生きる意味だと思っています。
私自身、プライベートでは買いものが大好きで、いち消費者として、QVCを通じて多くの商品を購入しています。買い過ぎだと妻から叱られてしまうくらい(笑)、私自身がQVCでの購入体験に魅せられているファンの一人です。一つの商品の裏には、何人もの人が思いを持って携わっています。背景にいる誰かの存在まで届けられるのは、QVCの強みだと感じています。
また、AIによるレコメンドでの買いもの体験にも大きな可能性があると感じています。ですが、商品をただ画像と共に並べた掲載で終わってしまえば、一般的なeコマースと変わりません。QVCならではの強みを活かして、お客様に商品との出会いを「セレンディピティ(幸運な偶然)」と思ってもらえるような環境づくりを目指していきたいです。

今後の事業の展望は?中野 拓哉

今後の事業の展望は?

デジタル化に伴い、消費者のメディア接触行動が変化し、メディア間で視聴者の可処分時間を奪い合う環境が生まれています。消費者ビジネスに今後取り組む上では、ファンとなってくださるユーザーをいかに獲得・維持できるかが重要になってくると考えています。このような状況下でさらなる成長を実現するために、QVCは従来のTVショッピングの形から、お客様とのタッチポイントを増やすことを通じて、マルチプラットフォーム通販としての「お買い物チャンネルQVC」を目指し、「商品を見つける喜び」をより多くの人に届けていきます。
また、技術革新にも目を向ける必要があります。近年では、デジタルを通じて五感に訴求できる技術の開発も進んでいます。例えば、ハプティクスという技術によってデバイスに触れるだけで、目の前にない洋服の肌触りを確かめられるようになる世界がこの先やってくるかもしれません。買いものの感動体験をデジタル化と共にお届けしながら、誰かにとって欠かせない新たなライフスタイルを生み出すオンラインコマース事業として、創り育てていきたいです。

(2023年11月現在)

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