三井物産株式会社(本社:東京都千代田区、社長:安永竜夫、以下「三井物産」)は、推進中のFPSO*チャーター事業の1件について、11億米ドルのプロジェクトボンド(以下「本プロジェクトボンド」)を海外市場で発行することで、金融機関からリミテッドリコースファイナンスで調達していた既存融資を期前弁済しました。
本プロジェクトボンドは、三井物産・三井海洋開発株式会社・株式会社商船三井・丸紅株式会社の4社が出資参画するブラジル沖合のイラセマ・スル鉱区向けFPSOの長期チャーター事業に対して発行されたものです。三井物産は、多様なプロジェクトにおける資金調達実績やインフラ事業の知見、またブラジル国営石油会社Petróleo Brasileiro S.A. (以下「ペトロブラス社」)との良好な関係を活かし、事業会社の最大出資者として、世界初となるFPSOチャーター事業向け公募上場プロジェクトボンドの発行実現に貢献しました。
本FPSOは、2014年10月よりペトロブラス社がオペレーターを務めるコンソーシアムに対して20年間の固定価格で長期チャーター中で、ブラジルでの炭化水素(原油および天然ガス)生産の約4%を担うなど、同国を代表するFPSOの1基として順調に稼働しています。
三井物産は現在、全世界で18件のFPSO/FSOチャーター事業を推進中です。FPSOの事業資金は、これまで出資会社の自己資本および金融機関からのプロジェクトファイナンスにより資金調達してきましたが、引き合いが旺盛なFPSO事業の新規受注に向けて、プロジェクトボンドは、資金調達の多様性を広げ、資金効率を高める有効な選択肢となります。
三井物産は中期経営計画においてキャッシュ・フロー経営の深化を重点施策の一つに掲げています。インフラ事業において、プロジェクトボンドを活用した既存事業のリファイナンスや新規事業の受注を追求することで、成長戦略の実行と財務基盤の強化を進めていきます。
*Floating Production, Storage & Offloading system(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)
